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〜イサム信号無視編〜
帰り道
イサムはデュラ田と下校していた。
小さな道の信号待ち。
デュラ田が「赤信号」のまま、横断歩道を渡ろうとした。
それを遮るイサム。
「おい、信号無視はダメだぞ」
「車は来てないし、誰も見てねーだろ!」
「それでも守るのがルールだ!」
「こんな5歩くらいで渡れるトコロ、守ったって時間の無駄だろ!」
「お前はそんなに時間に追われてるのか?」
「そういう問題じゃねえ!ちなみに今日は観たいテレビ番組が有るんだ!」
「ちょっと待ったぐらいで変わらないだろ!」
「それでも無駄な時間は使いたくないだろうが!」
「分からずやめ!お前のそういう所がダメなんだよ!」
口論をしているうちに、信号は7回ほど切り替わっていた。
「おい!早くしないと、テレビが始まっちまうだろ!」
「なんのテレビなんだよ!」
「“えもんドラ”だよ!お前も見てるだろ!今日は1時間SPだろ!」
血の気の引くイサム。すっかり忘れていた。
「忘れてた!急ぐぞ!」
2人は飛び出し、車に轢かれた。