『チトリヌ』③
シューティグゲーム同様、落ちゲーは「習うより慣れろ」である。
そもそもゲーム全般に言える事ではあるが、とにかくプレイをしてみる。そうすれば自分なりのやり方やコツが見つかるものである。攻略というのは、その後からついてくるものだとみつるは考えていた。
そうでないと、ゲームの自由性が損なわれる。
「ここはこうしなくてはならない」なんていう雁字搦めの状態でゲームをやっても楽しくないだろう。
当然、必ずクリア出来る定理や計算式は存在するが「人間がどれだけ楽しむか」という点で、数学とは違う部分があるとみつるは考えていた。
――まあ、数学も楽しい人には楽しいんだろうけどね……。そういうゲームの解き方が好きなヤツの考えも分かるっちゃあ分かるけど。でも……。
勇者には子供の様に純粋にゲームを楽しんで欲しかった。
みつるの説明で『チトリヌ』がどういうゲームか分かっただろう。
後は何度もプレイして学べば良い。
ゲームの意味を理解したなら、先程の様に滅茶苦茶になる方が難しいだろう。
「■■■■!」
そこで、『チトリヌ』をプレイをしていた勇者が何やら声を上げている。考え事をしていたみつるはほんの一瞬目を離していた。
「……ん?どれどれ、ちゃんと消せてるか?せめて一列ぐらいは……」
みつるはそう言いながら画面に再び目を戻した。
そして、驚愕の光景を目の当たりにする。
――GAME OVER――
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「不器用か!!何で一回も消せてないんだよ!」
みつるは思わずツッコんだ。
「■■■■■?」
「適当にやっても何回か消せるよ!説明が分かってないのかよ?あのね、このボタンで回転させて……」
そこでみつるは勇者にゲームを中断させ、もう一度操作とルールを教え直した。
「よし!もう一回だ!ゲームスタート」
「■■■!」
果敢な叫び声を上げ、再び勇者はゲームを始めた。
そして、次の瞬間――。
――GAME OVER――
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「不器用か!!」
みつるは先程より強めにツッコんだ。
「何でこんな事なっちゃったんだよ!さっきより酷いよ!」
「■■■!■■■■■■■!」
わんわん泣きながら勇者が自分の格好良い手甲を指差す。
どうやら、手甲がデカ過ぎて押しているつもりはなくても下ボタンを押している状態になってしまったらしい。
「不器用か!!そんなもん外せ!今すぐ外せ!ていうかよくシューティングクリア出来たなそれで!」
そう言うとみつるは泣きじゃくる勇者に手甲を外させた。
「よし、これで大丈夫だろう」
「■■、■■!」
「まだ一列も消せてないからな。とにかく一列埋めて消せ!分かったか!」
「■■!」
勇ましく頷く勇者。みつるはその真剣な表情に期待を込めた。
そしてそれからしばらくして、とうとう勇者が一列消す、その瞬間がやってきた。
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「■■■!■■■!」
勇者がまるで魔王を倒したかの様に、両手を上げて、歓喜に泣き叫ぶ。
「『やった!消えた!』じゃねえよ!不器用か!!!」
間髪入れずにみつるが鬼ツッコんだ。
「何で最初の方グニャグニャしちゃったんだよ!!あんなへんてこな塔の最上階みたいなの消してどうすんだよ!すぐ詰まって死ぬわこのクソ勇者!」
「■■!?」
何故怒られているのか分からないといった表情の勇者。
そしてみつるの言う通り、直ぐに上から落ちてきたブロックが詰まって、勇者はゲームオーバーを迎えた。
この勇者、アクションやシューティングだと冒険に通じるものがあるらしく、まだ勘が良いのだが、『チトリヌ』に関してはてんでダメであった。
「まったく……困ったヤツだよ。あのね、もう一回説明するからさ……」
それから勇者は熱心なみつるの指導の下、徐々にゲーム性を理解して、一列消し、二列消し、と、少しずつ上達していった。
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「おお!良いじゃないの。これは素晴らしい形だな!よく分かってる!」
長い指導の末、とうとうゲームを理解してくれた勇者に、みつるは笑顔を浮かべる。
勇者も笑顔を返して頷く。
「さあ、後はヤツが来るのを待つだけだ!」
「■■!!」
勇ましく返事をする勇者。
そして、次のブロックが現れる。
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「…………」
「……まあ、そう簡単には……ね?」
笑いながら慰めるみつる。
そして、次のブロックが現れる。
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「………………」
「……まあ、こういうもんだからね。うん。『チトリヌ』あるあるだよ、あるある」
みつるは勇者の肩当てをポンポン叩く。
そして、次のブロックが現れる。
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「……うん、いや、まあ、ね?」
みつるもとうとう言葉を濁し始める。
そして、次のブロックが現れる。
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「ど、ドンマイドンマイ!まだまだこれから!」
みつるは空元気に励ます事しか出来なかった。
それから、幾つかブロックが落ちてきたが……。
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「……………………」
最早みつるもかける言葉が見つからなかった。
そして、そこで、ずっと黙っていた勇者が耐えかねた様に叫んだ。
「■
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!
!」
「分かる!!相変わらず言葉は分からないけど、何が来て欲しいのか凄く分かる!!」
結局長い棒は来ずに勇者は死んだ。
だが、それからもめげる事なく勇者はブロックを積み重ねる。
そして、再び最高のチャンスが巡ってきた。
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「おお、良いじゃん良いじゃん!!最高の状況だよ!!よっしゃああああ!!!行けえええええ!!」
「■■■■■■!!!」
勇者が雄叫びを上げコントローラーを操作するッッッ――――――!!
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「不器用か!!!!!!!」
みつるは心の底からツッコんだ。
「■、■■■■■■■■■」
「『き、緊張して手が震えて』じゃねえよ!!何一マス隣りにやってんだよ!!」
みつるは物凄い剣幕でわめきたてる。
「あんた勇者だろうが。緊張とかしてる場合かよ。その腰に佩いた剣捌きとか、一寸もぶれない様に器用に華麗に出来るんじゃねえの?」
そう言ってみつるがブンブンと剣を振る真似をすると、勇者も嬉しそうに指を差し、うんうんと頷いた。
「分かったか!?剣捌きを思い出せ!!」
「■■■■!」
片手をグッと掲げる勇者。
伝わったなら良い。
みつるは次の勇者のプレイをジッと見つめた――――。
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「器用か!!!!」
みつるは魂を込めてツッコんだ。
「そういう事じゃねえよ!いらねえよ勇者アピール。剣捌きだよ!本当に剣みたいにしてどうすんだよ!いや凄いけどね!凄いけど、ゲーム舐めんじゃねえよ!あ、今回ここで使っちゃったよこの台詞!!勿体ねえよ!!…………次!」
勇者がプレイを再開した。
そして…………
――GAME OVER――
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「奇跡か!!」
みつるは天を仰ぎツッコむ。
「棒しか落ちてきてねえじゃねえか!! あんなに欲しい時には来ないのにね! でなんで死んでんだよ! わざわざ面白い形見せなくていいんだよボケ勇者!!」
そして、それからまたしばらく経ち、かなり上達した勇者のプレイを見て、みつるは思わず感嘆の声を上げた。
「おお!!これは……」
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「おお!! 良いじゃないの!! 素晴らしい!! 完璧な布陣だ!!!」
「■■■!!」
「おおとも、やってやれ!!男なら決めてやれ!!」
「■■! ■■!! ■■■■■■■■■■■■!!」
勇者は漲る闘志をむき出しにして、勇ましく、雄々しく、やる気満々に咆哮した!!
――GAME OVER――
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「馬鹿かああああああああああああああああ!!!!!」
今回、みつるはツッコんでばかりだった。
そんな事をやりながらも、勇者は次第に『チトリヌ』の腕を上げていった。
結局、時間さえあれば上達するものである。
「■■■■♪■■■■♪」
いつの間にかBGMを口ずさみながらリズムを取り始めた。
――いい感じだな。
リズムを馴染ませ、ゲームを身体に馴染ませる。
ゲームの楽しみ方の一つだ。
そして、勇者が慣れてきたのを見計らい、みつるは意味もなく彼に声をかけてみたり、身体を揺らしたり、画面の前を百回横切ったり、鬼の様に下手くそな「マイウェイ」を熱唱したりして、とことん邪魔をしてみる。
これで、集中力を鍛えているのだ。
みつるの妨害にビクともしない勇者を見て、デブはうんうんと頷いた。
「まあ、この仕上がりなら大丈夫だろう。自信を持って送り出せるな」
――送り出す?違う違う。俺も連れていってもらわないと。そうだ、おもてなしだ。
そこでみつるは当初の目的を思い出した。
時計を見るともう日付も廻り、午前3時。
「よし、3時のおやつの時間だ……」
みつるは途中で勇者にゲームを停止させて、夜食を振る舞う事にした。
この為に大好きなお菓子の「ポテチトップス」を用意していたのだ。
「ふふふ…………こいつは楽しみだぜ」
みつるが楽しそうに含み笑いを浮かべる。それには理由があった。
「知ってるんだぜ。漫画やアニメで見たんだ。異世界人が俺達の世界の食べ物を食べたら、あまりにもの美味しさに滅茶苦茶驚くんだろう?」
みつるはそれを期待していたのだ。
勇者が「ポテチトップス」を一口食べると、
「■■■■■■■■!!(美味いいいいい!!)■■■■■■■■!!!!(これはあああああ!!!!)■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!(神の食物だひゃあああああああああああああ!!!!!)」と言いながら泣いて転げ回るに違いない。
――へへへ、異世界は料理の土壌が低いって相場は決まっているからな。
そしてみつるはそんな勇者を見下げながら「へえ?そんなのが美味しいんだ。こっちの世界ではそれは料理とも言えない簡易食なんですけど?」という表情を浮かべて優越感にどっぷりと浸ってやろうと、楽しみにしていたのだ。
それに感動して、また勇者は加トちゃんぺやあいーんやだっふんだをしてみつるに敬意を表すだろう。
そこでみつるは異世界に連れていってもらう交渉をしようと思っていた。
完璧な作戦だった。
「ほら、これ、ポテチトップス」
「■■■■■■?」
「食べてみな。美味しいからよ」
「■■■■■■■■■」
差し出したお菓子を受けとる勇者。
薄いポテチトップスを天に掲げて興味深く眺めている。
「さあ、食べて食べて。わくわく……」
「■■……」
みつるに促され、勇者はそっと口に含んだ。
みつるはワクワクしながらその様子を窺う。
「■■!」
次の瞬間、勇者は美味しそうにうんうんと頷いて、みつるの目を見て笑った。
「美味しい?」
「■■!」
みつるの問いに頷く勇者。サクサクとその味を噛み締めている。
「美味しいよね。うん、そう。それは良かった……」
確かに勇者は普通に美味しそうである。特に嘘をついて無理している雰囲気でもない。
だが、みつるは正直少し拍子抜けした。
――もっと大袈裟に驚くのをイメージしてたんだけどなあ……まあ、こんなもんかな。異世界人は味覚がおかしいのかもしれないな。うん。こいつら普段からモンスターとかと戦っていて、生きるのに必死だからグルメなんて概念が欠如しているんだ。そうに違いない。
みつるは自分にそう言い聞かせた。
「まあ、美味しいなら良かったよ。ほら、まだあるから食べなよ」
更にポテチトップスを勧めようとした所、勇者が腰に下げた袋から何かを取り出した。
そして、掌にそれを置いて、みつるの前へと差し出したのだ。
「え?何これ?俺にくれるの?実……だよね。食べていいのかな?」
「■■■■」
うんうんと勇者が頷く。
手に取ってみると、それはピンク色した、小さな実の様な形をしていた。
「一見、金平糖みたいだけど……何だろう?異世界の食べ物かな……。うええ、何か……嫌だなあ。異世界の菌とかがついてんじゃねえの?俺無理なんだよなこういうの。秘境を旅する番組とかでタレントが現地のゲテモノ料理とか食べたりしてるけど、絶対無理!」
だが、勇者はこちらが食べ物を上げたお返しとして、この実を勧めてくれたのだろう。それを無下に断る訳にもいかない。
「…………」
勇者はニコニコ笑いながらみつるがその実を食べてくれるのを待っている。
――ううむ……。嫌だけどなあ……仕方ない…………!!
「南無三!」
覚悟を決めて、みつるは実を口に含んだ。
次の瞬間――
「うっまあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!なんだこれうまああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!うまいうまいうまいうまいうまいうまい!!!!!!!うま過ぎるよーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
その実の、あまりにもの美味しさにみつるは部屋の中を転げ回った。
「なんだ!この!美味さは!夢の様な甘さだ!!まろやかで、そしてコクがあり、決してくどくないが独特の存在感を持って俺の口の中で妖精が微笑む!寒い冬が過ぎ、花が唄い鳥が舞う春の訪れを迎え、生命の躍動と共に感じる雪解けの様に口の中で溶けてしまうこの、一抹の寂寥感!だがそれは別れではなく新たな出会いの予感!そう、これはゴールではなくスタート!破壊ではなく再生!そう、全ての命は、世界と繋がっているんだ!!!!こんな美味しいものは生まれてこの方食べた事はない!!なんだこれうまあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
豚の様に床を泣きながら転げ回るみつるを勇者が見下ろしながら「へえ?そんなのが美味しいんだ。こっちの世界ではそれは料理とも言えない簡易食なんですけど?」という表情を浮かべていた。