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ある男
世に「ゲーム」というものがある。
多種多様、多角的な視野、ジャンル、嗜好を網羅し、人々を魅了し、夢中にし、熱中させ、時に堕落させる至高の存在。
まさに娯楽の頂点に君臨する帝王である。
ある男がゲームを作ろうと考えた。
万人が楽しめる、自分の分身とも言えるキャラクターを自由自在に動かして冒険するゲーム。
コミカルな登場人物がコミカルな敵を踏んづけて倒す、簡単な操作性ながら白熱したアクションを体感出来る、愉快なゲーム。
男はそんなゲームを作ろうと仲間達に働きかけ、牽引し、心血を注いだ。
そして、長い年月の後、男はゲームを完成させる。
そのゲームの名は…………。