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TIME4
「――ねぇ恭哉君!」
「んぇっ!?」
急に彼女に話しかけられた俺は、情けない声を出してしまった。
「な、何?」
「恭哉君が読んでる本、なんて題名?」
どうやら、彼女は俺が情けない声を出してしまった事は なかったことにしてくれるらしい。有難い。それは置いといて、彼女は俺の腕の下にある本に興味があるのか。珍しいな。
「あぁ、これは『龍王説』って言う…ほ…」
彼女の顔を見ながら言おうと顔を上げて言ったが、俺は最後まで言い切ることが出来なかった。
……何故?
何故彼女の左頬に"2"という赤字があるんだ?
「恭哉君?顔が真っ青になってる」
保健室の先生呼ぼうかと彼女が心配そうに俺の顔を覗き込み尋ねる。
「えっ。あぁ、気のせいだし、大丈夫だよ?」
彼女を心配させない為に、俺は元気に振る舞った。
「そう…あ! その本今度貸してね」
そう言いながら彼女は自分の席についた。
…なんで?
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで!!
なんで彼女に!?嘘だろ?俺が興味を持ったから?彼女が何か悪いことをしたのか?
――俺は誰も分からない答えを頭の中で必死になって探していた。




