1.衝撃的な告白に卒倒してもよいですか?
小説初連載作品です。物語を作ったことはないのですが、小説を読むのが大好きなので自分の好きな物語を紡ぎたいと思います。
舞台は魔法特化のメルリド王国。
最強ヒロインであるルーシア・エルガディア(18)が婚約解消されて真実の愛を知る物語。(極論w )
絶望を味わった最強ヒーローも登場致します。
政略結婚に振り回される若者たちが幸せをかけて立ち上がり行動する最後はハッピーエンドになる予定のお話です。
今後大切にしていきたいキャラクターたちなので大事に紡いでいきたいと思います。
「お姉様?今日はお姉様もご一緒なのですか?」
私ルーシア・エルガディア伯爵令嬢は怪訝そうな顔で、向かいのソファから立ち上がり出迎えてくれた私の婚約者と、私のお姉さまミルティに声をかけた。
「今日は・・・ルーに大事な話があるんだ。」
すこし声を震わせながら私の婚約者のダリオ・メイシャス侯爵令息は、神妙な顔つきで告げると私を席に座るように勧めた。
私はメルリド王国の水魔法使いを輩出する歴史ある名門エルガディア伯爵家令嬢であり、その中でも10歳で水の妖精の祝福を受け愛し子である【覚醒者】となり、王国唯一の水魔法使いである。
このメルリド王国は他の国とは違い魔法に特化した王国であり、属性ごとに魔法使いは分かれている。
属性は【火・水・土・風】の4種類となり、その中で覚醒者(最強の属性特殊魔法を扱える者を指す)は王国内でも各属性ごと一人ずつ存在するだけでも奇跡と呼ばれる稀有な魔法使いとされている。
現在王国に実在している【覚醒者】は水魔法使いの私ルーシア・エルガディア伯爵令嬢と、火の【覚醒者】魔法剣士であり、メルリド王国魔法師団副団長ユージス・バチス侯爵2人しか存在していない。
ダリオ・メイシャス侯爵令息は水属性に特化した家紋の生まれであり、更に私たちエルガディア伯爵家の上位家紋であり上級魔法使いの一人である。
その為私が【覚醒者】となったすぐ後に、表向きは【稀有な魔法使いの安全確保】の名目でメイシャス侯爵家は家紋強化の為政略婚約をなかば強引に申し込んできたのである。
父ロワード・エルガディア伯爵とダリオの父グレイダス・メイシャス侯爵は、幼なじみであり上司と部下の関係でもあったので父も上位家紋の申し入れに強く反対はできなかったのである。
10歳で【覚醒者】に覚醒後1週間足らずで急遽婚約内定をさせて約8年。
もともと私が5歳のころから幼なじみであった私たちは良い関係を築けてきたのではないかと私は感じていた。
愛や恋は...わからないけれど、親愛を感じるくらい5歳の時から過ごしてきた幼なじみなのだ。
兄のようにさえ感じている。
3日後には私は学園を卒業して、更に1か月後のデビュタントを一緒に参加した後は、スムーズに結婚式の日取りを決める話まで出ているのにも拘わらず、貴重な婚約期間中最後になるかもしれない貴重な2人のお茶会に、今日ダリオは何故か姉を同伴して伝えたいことがあると告げているのである。
学園にて文武両道、眉目秀麗、冷静沈着、国唯一の水魔法【覚醒者】として【高嶺の花】と羨望の眼差しを向けられ8年淑女の振る舞いに努めてきた私でも嫌な予感しかしないのだ...
ダリオは普段の兄らしさなど微塵も感じないような目線を躍らせて話がなかなか切り出せず今一体何分経過したのだろうか?
「ルー本当に本当にごめんなさいっっ!!!!私っ・・・・っ妊娠してしまったの!!!」
どうすべきか考え込んでいる私に、ミルティは突然信じられない位の大きな声で叫んだ。
【妊娠した】・・・・・と。
「????」
「お姉様?何のお話ですか???・・・妊娠とは?」
「・・・ダリオの・・・ダリオの赤ちゃんができたの!!」
涙をぽろぽろ流しながらお姉様は、両手をぎゅっと握りしめながら懸命に告げてきた。
華奢なお姉様のどこからそんな大きな声が出てくるのかと驚きつつも、更に驚愕の事実に私は驚きすぎて口をはくはくさせて声も出せずに心の中で叫んでしまった。
【赤ちゃんですって?????!!!】
卒倒しなかった私を誰か褒めてほしい・・・