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異世界転移の犯人探し  作者: れもん
【第1章 冒険者登録編】
9/33

第8話 嵐龍③

纏雷(てんらい)


 そう呟いた瞬間、俺の周りを幾百もの雷撃が走った。

 俺は今、雷を纏ったのだ。

 鑑定で纏雷を見てみると


 纏雷

 自身の身体や武器に雷を纏わせる戦技

 雷を纏ったものの攻撃力は飛躍的に上がる


 なるほど、武器にも纏えるのか。

 俺はそばに落ちていた武器を手に取る。

 ハンマーだ。

 倒れている他の冒険者が使っていたんだろう。

 すると俺の周りに帯電していた雷撃が全てハンマーの攻撃部に集まった。

 おそらく一か所にしか纏えないのだろう。

 俺は静かに嵐龍の足元に近づく。

 ギルマスや他の冒険者の様な身体能力はまだ俺にはない。

 なので狙うは足元。

 タンスの角に小指をぶつけたときの痛みは、それこそ目が覚めるような衝撃だ。

 ドラゴンでも同じじゃないのかな?

 ドラゴンの足元で俺は腕を振り上げ、そのまま思い切り一番外側の指に振り下ろした。


 ドガンッ!!


 鼓膜が破れそうな程の音が鳴る。

 骨くらいは軽く逝ったんじゃないのか?

 まぁなんにせよ風の防壁を貫通できて良かった良かった。


 Gyaoooooooooooooooooooooooo!!


 と悲鳴を上げ、嵐龍はその場に倒れ込んだ。


「う………うぅ、ここはどこじゃ」


 声が聞こえた。

 まさかと思い倒れた嵐龍の顔の近くまで行ってみると、眼がバッチリ開いている。


「お前もしかして喋れたりするのか?」


「なんじゃ人間。出会い頭に不躾じゃのう。龍なら人語くらい理解できるわい。当り前じゃろ」


「それはすまない。俺はユートだ。あんたは?」


「儂か?儂はヴァルじゃ。なぁ人間、ユートと言ったか?なんか儂、足超痛いんじゃけど、なんでか知らんか?」


「あ~それは………」


 俺は事のあらましをヴァルに説明する。


「そうじゃったのか………それはすまんかった。じゃったら、儂の足の痛みはユート、お主が?」


「あぁ、申し訳ない。ああするしかなかったんだ」


「いや、謝らんでくれ。ユートがおらんかったら儂のせいで国が滅びていたやもしれんからの。それよりも凄いなユートは!」


「なにがだ?」


「わしの嵐鎧(らんがい)を突破するとは………、かつての勇者一行でも破れんかったというのに」


「そうなのか?まぁ必死だったからな」


「そうじゃよ、この嵐鎧を突破できんいうて封印されたんじゃから儂。あれ?儂なんで封印から解けとるんじゃろ?」


 ん?


「分厚い積乱雲の中から出て来れんように、古今東西様々な呪法で封印されとったのに。それこそ嵐鎧を突破できるくらいの圧倒的な力でもない限り、簡単には解けぬ程に強固じゃったはずなのじゃが………」


 んん?


「ち、ちなみになんだけどさヴァル、どの辺に封印されてたんだ?」


「場所?場所はそうじゃなぁ」


 ヴァルはキョロキョロしだす。

 やがて、ある一点を見つめてこう言い放った。


「確かあの何故か()()()()()()()()()()じゃの」

読んでいただきありがとうございました!


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