第3話 冒険者登録➀
「ここが冒険者ギルドか」
町中を鑑定しまくりながら30分。
鑑定スキルのレベルも順調に上がり、やっと到着した冒険者ギルドは、町の中では一際大きな木造の建物だった。
「見ない顔だな」
とそこへ声がかかる。
振り返るとそこにいたのはキリっとした声のセクシーな恰好をした赤髪の女戦士だった。
俺より少し年上かな?
光沢のある軽鎧(ビキニアーマー一歩手前?)になんか凄そうな両手剣を背中に背負っている。
綺麗な人だし、素直に格好良いと思った。
冒険者とはこうでなくては。
「ついさっき町に着いたとこです………あっ、ユートっていいます」
「そうか、私の名はハラミという。一応Bランク冒険者をやってる。」
そもそもBランクが凄いのかどうかも分からないが多分凄いんだろう。
「見たところユートは冒険者登録をしに来たんじゃないのか?」
「そうですけど、なんでわかるんですか?」
「わかるさ。こう見えても私はベテランなんだぞ。よし、ついでだ。私が案内してやる」
と無理やり俺の手を引き中に入る。
結構強引な人だ。
だが嫌いじゃない。
気になるのは、中に入ると周りがざわつきだしたことだけだ。
「おいなんだあれ」
「白昼堂々逆ナンか?」
「Bランク初日だから舞い上がってんじゃね?」
「あいつにもやっと友達ができたのか」
「あーゆーのがタイプだったのね」
「ショタ………」
気になる発言も多いが基本無視だ。
というより当の本人は全然気づいてない様で、眼をキラキラさせて、ズンズンと奥へ進んでいく。
ベテランじゃねーじゃねーか。
この人もしかして残念な人なのでは?と思い始めた矢先、受付に到着した。
「どーしたのハラミちゃん、そんな可愛い子連れて。彼氏?」
「ババババ、バカなことを言うなっ!ついさっき出会って案内してきただけだ!」
「ほんとにぃ~?」
とハラミさんは受付の人にからかわれ、頬を赤く染めている。
「ただの登録だ、登録」
「それにしては手まで繋いでここまで来たじゃない?怪しぃー」
ジト目でそう指摘され初めて気付いたのか、ハラミさんはずっと握っていた俺の手をパっと離した。
やっと離してくれたか。
ちょっと痛かったんだ。
「いい加減怒るぞ?私の事はどうでもいいから早く登録の申請をだな」
「何騒いでんだ昼間から」
「「ギルドマスター」」
「おっ、新人か?」
とギルドマスターと呼ばれた筋肉質なおっさんは、俺を品定めでもするかのように、フムフムと目を細め全身を眺める。
「よし、俺がやろう」
何を?
と思っているとまた周囲が騒ぎ出した。
「おいギルマスが直々に相手するらしいぞ」
「元SSランクの戦いが見れるのか」
「バカ、戦いになんてなる訳ないだろ。相手新人だぞ」
「でもギルマスが出張るの何年ぶりだ?」
「5年ぶり位じゃね?」
「楽しみ………」
ん?どゆこと?
俺ギルマスと戦うの?
と焦っていると、俺より焦った様子でハラミさんが
「いやいやギルマス。私が連れて来たのだから私が………」
「やめておけ。多分お前じゃ無理だ」
光の速さで却下されたハラミさんは、頭に岩でも乗ってるのかってくらいしょげている。
「じゃ行こうか」
どうしてこうなった?
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