第2話 鑑定
ネーム ユート
種族 ヒューマン
職業 魔剣士Lv1
所持スキル 剣技Lv1 雷魔法Lv1 鑑定Lv1 アイテムボックスLv1
所持戦技 雷槍 纏雷
「チート………なのかどうかもようわからんなぁ………」
素直な感想が漏れる。
自分は今、多分困った顔をしているはずだ。
だってそうだろう?
こういうのってまず向こうで死んで、そのあと何もない空間で女神様?みたいなのと何かやり取りがあって、でいざ異世界へ、って相場が決まっているじゃないか!
自分は何の説明も受けていない。
順序ってものがあるだろう?
と、年配の方が聞いたら
「お前はいちいち説明を受けないと普通に生きてはいけないのか?」
と小一時間程怒られそうな思いに耽っていると、ジョンが心配そうに顔を覗き込んできた。
「おいユート、大丈夫か?チート?」
「すいません、記憶が曖昧でちょっと考え事を………。それより、聞きたいことがあるんですが」
「なんだ?言ってみろ」
「冒険者登録ってどこでできますか?」
「いった……これはきついな」
ゆらゆらと馬車に揺られながら、周りの景色、木々や石ころに片っ端から鑑定をかけまくっていると、入ってくる情報量が多過ぎて、頭が痛くなってきた。
それにしても、鑑定スキルレベルが上がったのに鑑定できないものがあるなんて。
ネーム ジョン=ドゥ
種族 aulingmL<f.lkfdj;l
職業 jislNFGKm .dls.
所持スキル fkjrkghlk nehfkh ABGlm d,k;gjmisn hfliu ew jmg;g
所持戦技 uknxzd hmfhl.lgkj nhk,gjl ;/mgjo lunh zlf
殆どの表示がバグッている。
レベル差があると全部見れないとか?
辛うじて判るのは名前くらいか。
この先スキルレベルがもっと上がれば全部判別できるようになるだろうか?
「おーいユート」
頭を押さえて考えに耽っていると、前から声がかかる。
「もうすぐ着くぞ」
「なんていう町なんですか?」
「モロブって小さい町だ。山も海も近いから食べ物は比較的美味しい。俺も普段はここに魚卸してるんだぜ」
「へぇー、じゃあ後ろに積んでるオシャベって魚もここで食べれるかもなー」
「あれ?俺お前に魚の名前言ったっけか?」
「えっ………いや、あのっ」
「おっ、ユート着いたぞ。ここが食の町モロブだ」
一瞬怪しまれたが町に着いたことで何とか乗り切れた。
鑑定はどのラノベでも割と珍しい能力であることが多いから、とりあえず今は隠しておく方がいいだろう。
ジョン=ドゥは市場に行くそうなので、一旦分かれて俺は冒険者ギルドに行くことにした。
????side
(で、どうなの?)
(そうですね、移動中にスキルレベルが上がってました。おそらく手当たり次第に鑑定していたのでしょう。頭を押さえてましたし)
(そう、そうなのね。この分だと予想より早くに出会えそうね。それよりもジョン、あなた)
(はい、なんでしょうお嬢様)
(いくら演技でも口調が違い過ぎるわよ。もしもの時、ユートがびっくりしちゃうじゃない)
(大丈夫ですよ、思ったよりもあの方は強かです。では)
(ちょっとー、何よもう)
読んでいただきありがとうございました!
いいね、ブックマーク、評価、なにをされても作者は大変喜びます(〃▽〃)