表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移の犯人探し  作者: れもん
【第1章 冒険者登録編】
2/33

第1話 目覚め

 目が覚めた、とだけ聞けば実に日常的で面白みのない言葉の響きだが、自身の周囲の状況は実に非日常的で、面白いか、面白くないかで言えば、日々を漠然と生きてきた自身にとっては、非常に面白い状況だった。

 見慣れた景色が1つもない。

 天井も、床も、今起きたベッドも、ベッドサイドに置かれた皿の上の果物も、知っている物が何もない。


「知らない天井だ、とでも言えば良いのかな」


 声は出るようで安心した。

 声を出すのは久しぶりだから心配だったのだ。


「………久ぶり?」


 何故そう思ったのだろう?

 でも久しぶり、という言葉が何故かしっくりくる。

 それほど自分は眠っていたのだろうか。

 身体を動かしてみる。

 久しぶりに動かしたにしては、筋肉が衰えていたりするわけではないようだ。

 変な感覚。

 そして違和感。

 違和感の正体はすぐに分かった。

 皿の上の果物だ。

 見た目は皮をむいたバナナのようだが、断じてバナナではない。

 そう断言できる。

 何故ならそれは、およそ食べ物とは思えない、おどろおどろしい色をしているのだ。

 青と黒と茶が混ざり、それでいて少し金属のような光沢がある。

 気持ちが悪い。

 そう思ったとき突然部屋の扉が思い切り開いた。

 外側のドアノブが壊れている。


「目が覚めたようだな」


 そこに現れたのは筋肉質のおっさんだった。

 あんなバケツの様な筋肉の付いた腕で殴られたら爆散しそうだ。

 おっさんも壊れたドアノブに気付き、その太い腕で青髪を搔いている。


「まぁた怒られる」


 誰に?と聞く前に自己紹介された。


「俺の名前はジョン=ドゥ。この村で漁師をしている。」


 どうやら俺がいるのは海に面した小さな漁村のようだ。

 しかしジョン=ドゥ?

 確か海外では身元不明の死体の事をそう呼ぶ、と聞いたことはあるが。

 ジョン=ドゥは語る。


「びっくりしたぜ。網引き上げようと思ったらえれぇ重ぇからよぉ、こりゃ久しぶりに大物が掛かったと思ったら人なんだもんよ。」


 海で漂流してたのか俺。

 最期の記憶ではトラックに轢かれたと思っていたんだが、海?

 吹っ飛ばされたにしても、あの近くに海なんてなかったし。


「ところで、お前さん名前は何て言うんだ?」


 とジョンが聞いてきた。

 名乗られて名乗り返さないのは失礼にあたる、と思い俺は慌てて


「古部優斗です。古部が苗字で優斗が名前です。」


 と答えた。






 その後もジョンに色々詳しく話を聞いた。

 ここの正確な場所から始まり、現在の日時等。

 結果から言うと、どうやら俺は小説やアニメなどでよくある、異世界転移をしているようだ。

 場所を聞いたとき、ジョンが持ってきてくれた地図に載っているこの国の地形は、俺には見覚えがなかったのだ。

 そこで思いつき、小さな声で、


「ステータスオープン」


 と言ってみると、目の前に半透明のプレートが現れた。


読んでいただきありがとうございました!


いいね、ブックマーク、評価、なにをされても作者は大変喜びます(〃▽〃)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ