序幕
作戦開始時刻
全世界協定世界時刻 00:00:00
作戦名 “BABEL”
全世界協定時刻01:00:00
作戦開始時刻迄に周囲50kmkm圏内の都市を完全封鎖、民間人の避難を終了させる事
対象は存在を明確に目視できない程の擬似熱エネルギーを放出しながら緩やかに移動し、現在はフロリダより上陸、以降行動を停止、繭状の物体を形成し何らかの形態変化を行なっている可能性大
01:30:00“ラグエル”へのbgー57-sky: mark4、200機による重曹爆撃を開始 ※対象をラグエルと仮名
爆撃終了後、磁場、熱の低下を待ち、その後包囲陸戦を展開
翌03:00:00までに“ラグエル”の殲滅を確認出来なかった場合撤退を開始、その後撤退状況に依らず
03:30:00に大気圏外からの光学兵器“ロンギヌス”による光学攻撃により周囲40kmと共に殲滅
終了後04:00:00迄に速やかに復旧活動に移行、死傷者の処理を開始
「と、これが今回の作戦指令書…一部をかいつまんであるけど、これで勝ち目はあると思う?国見君」
「さぁね、御海参謀長、そんな事はお偉いさんが決める事でっせ、後は現場次第ってとこかな」
「あなたねぇ…一応参謀部所属なのよ?作戦の立案者がそんなことでどうするのよ!…」
「俺は考えうる中で最も殲滅出来る確率が高い手段を立て、上がそれを選んだ、それだけです」
「はぁ、貴方に聞いた私が馬鹿だったわね…瀬川ちゃん、一応Arice-5号機の超長距離砲をいつでも打てるように各部指示をしておいて、指示を入れた後貴方はここ戦闘艦橋を降り通常艦橋へ、機体維持をお願い」
「了解です…しかし大体、奴らに通常火器が効くのかも怪しいですよ」
「まぁ、一応ないよりはマシでしょ?」
瀬川ちゃんが奴らと呼称した存在、angel
数年前突如として一体のangel…ラグエルがヴァチカン上空に現れ、1年の休息の後世界を破壊して回った
文字通り世界は荒廃し、なんとか難を逃れた一部国家が共同戦線と、人類の救済を目指す組織、共同angel研究施設“ Enoch”を設立、
ここまでがざっくりとした流れだが、これまで人類がangelを倒せた実績がない以上、通常であれば馬鹿げた出費、軍備の作戦も許可される訳か
ーーAttached to the heading position specified by all members, which is less than 5 minutes before the start time of the operation, and repeated, attached to the heading position specified by all members.ーー
「ふむ…作戦開始時刻まで5分、で?どうします御海参謀長、作戦は?」
「…このまま予定通り作戦を実行、第3種権限によりArice-5よりEnochロースカロライナ支部へ移行、尚総指揮はこちらで行う、ロースカロライナ支部はバックアップを、総員戦闘配置へ、bgー57-sky: mark4全機は対地陣形を組み作戦予定地域へと突入開始!!…やる事はわかってるわね橘君」
『わかってますって、こうやってbgに乗ってても無線で声は聞こえますし』
「ならば良いわ、今回はUSA臨時軍政府より依頼された作戦行動よ、出来る限り確実にね」
「あれ?出来る限りで良いんです?」
「作戦立案も全部こっちでやってるのよ、費用も全部、成功させる義理は人類の為であってUSの為じゃ無いわ」
『御海さんは相変わらずですね』
「橘君、相変わらずすぎてこっちが毎回後始末付ける事になるんだけどね」
「ちょっと…聞こえてるわよ」
『橘部隊長より御海参謀長へ、規定配置への配置が全機完了、参謀部の指示を請う』
ーーーー01:28:43ーーーー
「了解、00:01:17後に作戦行動を開始」
『了解』
「Enoch本部より御海参謀長に秘匿回線、6番です」
「ありがとう、…こちら御海参謀長」
《御海君か、首尾はどうだ》
「土御門司令、…問題無く進んでいます」
《そうか…ならば良い、もう少しすれば我々の“玩具”も其方に届くだろう…勿論被験体もだ、作戦が終わり次第色々試してやってくれ、以上だ》
「了解致しました、失礼します」
「作戦開始時刻まで秒読み開始…10、9、8」
「総員最終確認」
「4、3、2、1」
「「0 !/ 作戦行動開始!!」」
「橘機付属カメラをモニタに接続」
「はいよっと」
ーーーーWarning, start of type 4 operation, operation name "Babel" bombing of each aircraft startedーーーー
『作戦開始、各機隊列を組み対地貫通榴弾投下開始!』
『『投下開始!』』
「磁場撹乱で画面が乱れてるわね…」
「磁場撹乱が治ります、第一陣付与損害を報告せよ」
『こちら橘機、第一陣投下終了するも目標の視覚阻害は健在、有効打は与えかねていると思われる、至急第ニ次攻撃の許可を求…目標!視覚阻害を解除!!モニタに回します!!」
「モニタに移します…これは…」
「でかい…サモトラケのニケ…」
「目標、背部両翼を展開、同時に高エネルギー領域を形成!」
「何ですって!?bg全機に通達、直ちに戦闘地域を離脱!!」
「駄目です間に合いません!!橘機及びbg全機の信号消滅、モニター映像も更新が停止しています!!」
「くっ…これより全戦闘行動を中断、Arica-5号機は直ちに戦闘地域を全力離脱!!」
「哨戒レーダーに新たな航空機の反応有り!」
「bgの生き残り!?」
「識別信号からして違います…!!所属判明、日本Enoch!!」
「まさかこのタイミングで…土御門司令の言う玩具ね」
「航空機、空中に物体を放出!続けて強力な磁力場が発生!モニター乱れます!!」
ーーー
ーーーWarning, rear hatch is openーーー
「大気が大分乱れてる…余り長くは止まれないぞ…」
「了解、Noah《 -Roset- 》出撃する…!!」
焚ける天空より一人の少女が大地に降り立った、ラグエルとの距離にして数十km
パワーレベル、専用装備問題無し…行ける!!
「テンペストクロスボウを展開…見せてあげるよラグエルさん、これからもたらされる全てを否定する、人類の争う力を」
ソニックウェーブを発生させつつ、一瞬で数km程距離を詰めクロスボウの射程距離まで迫る
「しかし大きいな…ま、弱点の“聖痕”も狙撃しやすいけど!!」
クロスボウを構えラグエルの脇腹に雷撃を連射する
高速で発射され、着弾した雷撃は爆音と共に砕け散った
「ッチ!有効打に至らず、自発装填!!」
だがそれをラグエルも黙っては見ていない
突然現れた新たな敵に対処しようとする
「ーーーーーーーー」
酸の雨、さらに強い酸性を持つ雨を周囲に降らせる
ジュゥ……
嫌な音がする…身体を覆うアクティブ装甲とスーツが溶ける音だ
不味いな…強くはないが早めに決めないとNoahの特殊装甲と身体補助動力が持たない
「クロスボウじゃあ威力不足か…キリをつけるにはやっぱ、近接戦か」
キュイィィィィィィィ
「筋肉補助レベルを最大に、動体視力補助を78%まで強化、全神経系を接続」
カキンッカキンッカキンッ
装甲が外れる…いや、自動的に移動している
より最適な、近接戦闘に向いた位置に
「手甲部装甲よりデュアルクロウを展開!これより近接戦闘に移行する」
またしてもソニックウェーブを発生させながら、今度は距離を0まで縮める
「目標は脇腹にある聖痕…ただ一つ!!」
直角にジャンプし、聖痕に狙いを定め、デュアルクロウを突き刺す、次の瞬間には鮮血が吹き出し、対象は消滅する
筈だった
「キャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
喉の切断面の奥から見える声帯を震わせ、ラグエルは叫ぶ
拒絶
正しくそう呼ぶにふさわしい障壁の展開
「っな!?デュアルクロウが弾かれた!?」
「アァァァァァァ!!」
さらにラグエルは叫ぶ
本来あるべき頭の上に幾重にも光輪を発生させると、その光輪の内側が歪み出し空にヒビが入る
「不味い…この世界を堕とすつもり!?全駆動系最大出力!発動する前に殺す!!」
常人には視認できないほどの速度で拳を振るう
ガンガンガンガンガンガンガンガン
火花が散り、クロウが消耗していく
数百回拳を当てた時、ついに障壁が割れた
「あなたは最初の存在、だからこんなに弱い…」
そう呟くと聖痕に刃を突き刺した
崩壊を始めるラグエルだったが光輪の歪みは消えない
「アァ…ァ…ァ」
光輪の内側から複数の光を呼び出し、世界へと放つ
自らの役目はこれだった、とでもいうのだろうか、満足したかのように消えていった
「ふぅ…あちゃー…動力源から何から何までボロボロ…後で整備の人に怒られちゃうかな…Noah《-Rost-》戦闘終了、迅速な回収を求む」
Noah
ヒトが人を超えるための神器にして人が生み出した人をヒトに昇華させ、神の使いを殺す次元にまで高める為のもの
軽鎧程のような見た目だがその構造は機密が多い
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