2日目、母を訪ねて3000レベル
「ふん、目的ね」
碧さんとか山吹さんは、どうしてこの世界に居るんだろう。
「例えば、お前の母親がこの世界に囚われていて、助け出すためには私を打ち倒さねばならない、というのはどうだ?」
なっ!?
「どんな願いも思いのままに叶えられる究極の職業になれる、至高のジョブ魂を探すという者も居るね」
それはそれで凄そうだけど、それよりも!
「碧さんは、ぼくの母さんのこと知ってるんですか!?」
いつだったか、父さんに「お前の母さんは、もうこの世界のどこにも存在しない」って言われたんだよね。
亡くなってるって意味だと思ってたんだけど…
まさか、こっちの世界には存在してるって意味なんじゃ…
その勘違いさせそうな言い方が父さんらしすぎて、有り得るっていう気がしてきたよ!
「ふん、私が何を知っているのかも含めて、私を倒せたら全て教えてあげるよ」
うわぁ!
絶対、なにか知ってるよ!
あっ、そうだ!
「ぼくの母さんのこと、山吹さんは何か知ってるんですか?」
確か、前に山吹さんに母親のことを聞かれたから、その時は知らなかったんだろうけど…
「んっ? わっ、私はなんにも知らないよ!?」
うわっ、凄く慌てながら目を逸らして口笛を吹きはじめたよ!
怪しすぎるよ、山吹さん!
山吹さんへの効果ばつぐんの技、疑いの眼差しをぼくは向けるよ!
「ほっほほっ本当だよっ! この間まで全然そんなこと考えもしなかったし!何も知らなかったからね!」
それって…
この間、何か知って、考えるようなことがあったんじゃ…
うーん、でもこれは…
「分かりました。山吹さんが隠さなきゃいけないって思うのなら、何か理由があるんだと信じます!」
山吹さんは、いつも誰かのために何かをしてるような人だし、苦手な隠し事をするからには隠した方が良い理由があるに違いない。
それに、ぼくが困ってたら、山吹さんは絶対に助けてくれる。
だから、ぼくも山吹さんを困らせるような真似はしない。
もしもうっかり喋ってしまって、それで山吹さんが後悔することになったら嫌だからね。
それならぼくは…
「碧さんを倒してから聞くことにします!」
もしくは父さんから聞く、っていうのが望ましい。
「良いだろう。月に一度くらいなら、いつでも勝負を受けてあげるよ。ただし、最低でもレベル3000は無いと勝ち目なんてないだろうがね。頑張りたまえ」
んっ?
なんか凄い数字が聞こえてたよ!?
言った本人はにやりと笑ってるよ!?
理由は分からないけど、この展開になるのが碧さんの狙いだった!?




