表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
HEAVEN AND HELL  作者: despair
二日目、テンゴクとジゴク
38/214

2日目、合体魔法『天地混然の理・雷轟』

 ぼくたちは山吹さんから貰っていたMP回復の薬を飲む。

 いよいよだよ。

 ちょっと緊張する。

 こんな時に「緊張感を楽しめ」っていう父さんの言葉を思い出したよ。

 余計な顔を思い出してないで集中しよっと。

 ぼくはジゴクちゃんと手を繋ぐ。

 さて、必殺技のはじまりはじまり、だよっ!

 「『テンゴク』」

 「『ジゴク』」

 必殺技のステップその一は、名符に登録した自分の名前を唱えること。

 すると魔力が迸り、ぼくたちの周りにオーラが出てるみたいに光が走る。

 ジョブ魂と同じく、ぼくが青っぽい白い光で、ジゴクちゃんは赤っぽい黒い光だ。

 名前の呪文を唱えることが、全力モードへ切り替わる鍵なんだって。

 一日に何度も使えるわけじゃないけど、一時的にレベルが二倍のMP全快状態と同じくらいのパフォーマンスが出せるらしい。

 単純な強さが二倍ってわけではないようだ。

 そして、相性の良い者同士だと繋いだ手から伝わるオーラから意識の共有が出来るとか。

 確かに、今なら呪文を使うタイミングも、使い方も、相談してなくてもばっちり決められそうだよ。

 さて、始めるよ!

 「「天地混然の理・雷轟!!」」

 必殺技のステップその二は、技の名前を叫ぶこと。

 これは、個人的に外せないよ!

 ぼくとジゴクちゃんは、空いている手を目標に向ける。

 どう動いたのかジゴクちゃんの方を見てなくても分かった。

 これが意識の共有の効果かな。

 「地は『天化』」

 「天は『地化』」

 仮面の居る場所の天井を地化、床を天化した。

 すると、どうなるか?

 仮面が天井に向かって落ちていった。

 天と地の間にあるものは、当然だけど地に向かって落ちるみたい。

 そして、落ちている途中で『天化』と『地化』を反対にかけ直す。

 それを繰り返せば、相手は永遠に落ち続けることになる。

 MPが続く限り、だけどね。

 その状態で、天術と地術をレベル3に上げた時に覚えた新魔法を放つ。

 「『天雷』」

 「『雷樹』」

 空気が張り裂ける凄まじい音が木霊する。

 天から地へと走る『天雷』と、地から天へと昇る『雷樹』

 二つの雷が巨大な仮面を削っていくのが分かる。

 「『天化』」

 「『地化』」

 「『天雷』」

 「『雷樹』」

 重力反転と、天地からの雷撃

 繰り返される無限ループ

 敵は空中から動けないままに、逃れられない雷を受け続けることになる。

 MPが続く限り、だけどね。

 今は三回ループするのが限界だよ。

 ぼくも、ジゴクちゃんも、MPを使いきったようだ。

 出ていたオーラも、いつの間にか消えている。

 術の効果も終わり、重力の働きのままに巨大な仮面が地面に落ちた。

 崩れ落ちる音がする。

 これで倒せてなかったら、後は闘士にチェンジして打撃で倒すしかないけど…

 仮面は起き上がってくる気配がなかった。

 でも、無事だったからって仮面が勝手に起き上がるのも何かおかしい。

 とか思ってたら、仮面が光の粒になって消えていった。

 おっ、ちゃんと倒せたみたいだよ!

 「やったね!」

 「やりました!」

 攻撃してこない相手だったけど、達成感がちゃんとあった。

 合体魔法も良い感じ!

 誰かと何かを息ぴったりでするのって、それだけで何だか癖になりそうだよね!

 ちなみに、合体魔法の名前はジゴクちゃんの案なんだよね。

 知らないことの多い女の子だと思ってたら、混然とか雷轟とか、ぼくの知らない言葉はすらすら出て来てびっくりしたよ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ