2日目、ボス(的)と実戦体験
雑魚が仮面だからもしかしてって思ってたけど、ボスも仮面だったよ。
円形の部屋の中央で、モアイ像ばりの巨大で無骨な石の仮面が真っ直ぐこちらを向いている。
ここのモンスターは攻撃はしてこないんだよね…
ここに入る前にステータスは再設定してるし、作戦会議だってした。
MPだって山吹さんのくれた真っ赤な薬で全回復だよ。
ちなみに味は無かった。色が濃いのに味がないのって変な感じ。
山吹さん曰く、モンスターへの攻撃練習に最適の的だから色々と試しておいで、だそうだ。
ほかにも、必殺技と合体魔法の使い方ってやつを教えてもらってる。
何かあったとしても、一瞬で敵を粉砕する山吹さんが後ろについてるし、負ける心配はないんだけどさ。
でも、なんていうか、ぼくには動かない相手に襲いかかる習慣がない。
ただの巨大な仮面に攻撃をしかけるのは気が向かないんだよね。
「でもまぁ、戦闘開始だよ!」
だって、合体技だよ!
一回くらいは本当に使ってみたいよね!
でも、まずは色々試す時間だよ。
「仮面を『天化』」
「壁を『地化』」
巨大な仮面が、地化された壁に向かってぐらって傾いた。
すぐに戻ったけど、効き目はあったみたい。
敵に対しての天化と地化は効果は薄いけど有効みたいだ。
重いからなのか、抵抗されたのか、少ししか動かなかったのは何でかな?
あれ?
巨大仮面の色が少しだけ白っぽくなった気がする。
あんなのでも攻撃したせいかな?
まぁいいや、次は…
ジゴクちゃんを見て、こくっと二人でうなずき合う。
作戦会議通りに次の攻撃だよ!
「『天撃』」
「『地撃』」
ぼくの白い光弾は壁に、ジゴクちゃんの黒い光弾は仮面に、吸い込まれるようにぶつかった。
うん、敵を狙って撃っても天化、地化した方へと当たるみたいだ。
次は…
「仮面を『天化』」
「仮面を『地化』」
からの、
「『天撃』」
「『地撃』」
今度は両方の攻撃が仮面に当たったよ!
天化と地化を合わせてかけることも出来るみたい。
天地化状態だね。
こうなるのは山吹さんの予想してた通りだ。
「それじゃあ、ぼくは右から行くよ」
「では、こちは左からですね」
ぼくたちは左右に別れて壁沿いに歩き出す。
歩きながら、ぼくは狙いも付けずに適当に『天撃』を撃つ。
ジゴクちゃんも『地撃』を撃っている。
お互いに3発ずつ撃ったけど、やっぱり天地化してる仮面に全弾命中したよ!
どこからどう撃っても当たるなら便利だよね。
あんまり効いてない気がするけど…
でも、ぼくには仮面が弱ってるかなんて分からない。
あと、最初に地化した壁には攻撃がいかなかったから、天化と地化の対象は一ヶ所までみたい。
そうそう、魔法を連続で撃っていると、連射間隔がどんどん長くなってるのが分かった。
魔法を撃ったときに身体からMPが抜けるから、一時的に体内のMPのバランスが悪くなり、それが調う時間が必要らしい。
レベルが上がるともっとバシバシ撃てるようになる、って山吹さんが言ってた。
さて、二人とも最初の位置に戻ってきたよ。
「ジゴクちゃん、次はいよいよ必殺技だよ!」
「ちゃんと出来るか心配です」
そうなんだよね、結構長い呪文になるし、手順を間違えたら失敗する。
でも、やってみないと出来ないよね!
ぼくは巨大仮面にびしっと指を向けて言う。
「さぁ、今から凄い攻撃するから覚悟した方が良いよ!」
反応は無かった…
うん、分かってたけどね。
自分でも、なんか雑魚っぽい台詞に聞こえたから反応がなくて良かったかも…
でも、必殺技の前の決め台詞は、今度までにちゃんと考えとこっと!
【テンゴク】天術使いレベル5
シールド288
力24
速さ24
知覚24
実MP61
スキル
格闘術1
天術3
【ジゴク】地術使いレベル6
シールド290
力23
速さ27
知覚27
実MP71
スキル
格闘術1
地術3




