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HEAVEN AND HELL  作者: despair
二日目、異世界への旅立ち
32/214

2日目、模擬戦闘

 「では、てんご様。御手柔らかにお願いしますね」

 えぇ、もう此方こそと思いつつ「遠慮はいらないよ」とか言ってしまう。

 うん、格好つけちゃっただけだよ。

 お互いに向かい合って礼をする。

 緊張してきた!

 山吹さんが「それじゃあ、試合開始!」って腕を振った。

 始まっちゃったよ!

 ええっと、ぼくは女の子の方に向かって身構える。

 うん、何故か構えが自然と取れた!

 これってスキルのおかげかな。

 ぼくの構えをちらりと見ると、女の子は地面を蹴ってこちらに跳んだ。

 うわっ、速いよっ!

 でも見える!追える!捉えられる!

 女の子が繰り出すパンチをぼくは避ける。動き方は自然と分かった。

 ぼくは女の子の動きに合わせて間合いを取り、隙を狙って蹴りを繰り出した。

 って、やばいっ!

 このままじゃ本気で蹴っちゃうよっ!

 そう思った直後、ぼくは地面に転がっていた。

 あれ?

 足元を払われた感触がある。

 けっこうな勢いで転ばされたみたいだけど痛みはそんなに感じなかった。

 その代わりにさっき設定したばかりのシールドが減ってるのが分かった。

 ぼくは立ち上がって構え直す。

 いつ足を払われたのか分からなかった。

 女の子が「大丈夫ですか?」と心配そうに聞いてくる。

 「うん、シールドが守ってくれてるみたい。痛みもほとんど無かったよ」

 転ばされて心配されてじゃ格好悪いよね。

 痛くないなら本当に遠慮はいらないよね。

 「今度はこっちから行くよ!」

 ぼくは女の子に向かって跳ぶ。

 さっき女の子がしたみたいにパンチを繰り出して…

 ぼくの身体は宙を舞った。

 あっ、パンチした腕を掴まれて投げられたんだ…

 そして、ぼくは地面にドサッと落ちた。

 あっ、受け身は取れたよ。

 でも、動きの速さが完全に負けてる。

 同じレベル1とは思えない速さ。

 でも、このままやられてるのは嫌だ!

 「もう一回っ!」

 もう不様な倒れかたはしたくない。

 ぼくは男の子の尊厳を捨て、力で押しきるつもりでじりじりと距離を詰める。

 ぼくだって、隙を突かれなかったら簡単には倒されないはずだ。

 一回くらいは良い格好したいんだよ!

 距離が近付き、ぼくは腕を前に出す。

 自然とお互いの腕を掴み合って力比べの構えになった。

 よし!

 ぐぐっと力任せに…

 動かなかった。

 いや、負けてはないと思うけど…

 勝ててもない…

 互角だよっ!

 でも、互角なら勝ち目はあるよね!

 って思った時にはもう遅かった。

 全力で押してる腕をぐいっと引かれて体勢を崩された。

 そうして無防備になったぼくに襲いかかってくるのは攻撃の嵐…

 女の子にぼっこぼこにされちゃったよ!


名無しの女の子のパラメーター

職業  :闘士

レベル :5

シールド:91

力   :10

速さ  :13

知覚  :13

実MP :78


スキル

格闘術 Lv1

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