2日目、アナログ×魔法=便利そう
扉の中はダンジョンだった!
不自然なくらいに通路が四角い洞窟みたいなやつだよ!
「ここにはモンスターが居るけど攻撃はしてこない。まぁ、練習用のダンジョンだね」
鏡の中とは違って、今度は山吹さんが付いてきて教えてくれるみたいだ。
ぼくが扉の中に入る時に、碧さんがぼそっと「説明を聞けないのなら実戦で痛い目を見ながら覚えるしかないのかね」と呟いてて超が付く怖さだったけど、山吹さんが一緒なら安心だよね。
「さて、パラメーター設定だけど、今回はMPも少ないだろうし、試しに全部の能力に1ずつ振ってみようかな」
ぼくは空中に浮かんんでいるステータス画面を眺める。
さっきステータス設定を唱えたときから、画面の横にタッチペンらしきものが浮かんでる。
これで操作するんだろうね。
女の子のはタッチペンじゃなくて筆みたい。木の板の数も増えていて、女の子の身体をぐるっと囲むようにして何枚も浮かんでる。
防御シールド展開って感じだけど、少し強く押すと指が板を突き抜けるのはぼくのステータス画面と一緒みたい。
ぼくはタッチペンでステータスの能力設定画面を呼び出した。
シールド、力、速さ、知覚の四つの能力値があるみたい。それぞれにMPを振る量が設定できるみたいだ。
ぼくはMPを1ずつ振ってみた。
うーん、レベル1だとやっぱり弱そうな数字になったよ。
「次はスキルだね。スキルは一度取ったら無くならないけど、それに使ったMPも返っては来ない。慎重に取らないと、スキルを取ったから弱いってこともありえるからね」
なにそれ怖い。
「まぁ、今回は『闘士』のスキルから『格闘術』をレベル1にしてみよう。MPも1しか使わないはずだ」
ぼくはタッチペンで操作してスキル設定の画面を呼び出す。
女の子の方は木の板がぐるっと回って、必要な板が自分の正面に勝手に来るみたい。古風だと思ってのに何だか便利そうだよ。
『格闘術』にMPを1だけ振るとスキルレベルが1になった。
「二人とも、格闘技の経験なんかないだろうけど、試しに闘士になって組み手をしてみると良いよ。ジョブ魂の効果が実感できるはずさ」
ぼくと女の子で闘うってことだよね?なんだか想像できないけど…
ものは試しにジョブ魂を…身体に入れるんだっけ…
闘士のジョブ魂を自分に近付けてみる。ジョブ魂は身体の中にするっと入っていった。
「そうそう、ジョブを変える呪文は『インストール』だよ」
山吹さんが言ってたやつだよね。ひょっとして山吹さんの呪文って初期設定のままなのかな。
ぼくたちは『インストール』と唱える。
その途端、身体が身軽になって、物も良く見えるようになった気がする。
こぶしを握り締めてみると、力も強くなってるのが分かった。
「さて、後は戦ってみれば分かるさ」
そして、ぼくの異世界初戦の相手は女の子になった。
でも、女子を攻撃するのって気が引けるよね!
典語のパラメーター
レベル :1
職業 :闘士
シールド:94
力 :9
速さ :9
知覚 :9
残MP :14
スキル
格闘術 Lv1




