表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
HEAVEN AND HELL  作者: despair
二日目、異世界への旅立ち
25/214

2日目、鏡占い、鏡の前で

 「後は行けば分かるよ。鏡に触ってみなさい」

 そう碧さんが言うと、鏡の表面を覆っていた光が消えた。

 当然だけど、ただの鏡になったそこに映っているのは、鏡の前に立っている自分達の姿だった。

 当然だけど、ぼくと女の子は呪いとやらで手を繋いままでいる。これ、自分で見てみると恥ずかしさ倍増じゃない?いや、恥ずかしいよ!

 碧さんがにやにやしてる。ぼくの心情を面白がっているに違いないよね。

 女の子は、会ったばかりの時と同じような無表情をしているのに、その時よりも冷たい感じが薄れて見える。

 そう思うのは、鏡越しに見ているからだろうか?

 長い黒髪に、色白の肌。

 こうして見ると、銀髪で、日焼けもしているぼくとは対称的だ。

 鏡越しの視線に気付いた女の子が、やっぱり鏡越しにこっちを見てにこりと笑った。

 「鏡という物の存在は知っていましたが、このようにはっきりと姿が映るとは驚きました。姿見と呼ばれるのも頷けますね」

 あぁ、鏡を見たのも初めてだったんだ。

 「こうやって自分の姿を見るのも初めてなの?」

 鏡を初めて見る動物みたいな可笑しなリアクションを期待するわけじゃないけど、驚いている女の子は、相変わらず落ち着いて見える。

 「水行の間で水面に映っているのを見たことはあります。それでも、このようにはっきりと映るものを見るのは初めてですね」

 すいぎょうのまでみなもに? 水に写ってる自分なら見たことあるってことかな。

 「ふんっ、仲睦まじくて結構だけど、そろそろ鏡に触れてくれないかな?」

 イライラした感じで言いながら、碧さんはにやっと笑っていた。

 ぼくは「あ、はい」と言って、手を繋いでいる方とは逆の手を鏡に伸ばす。この、手が離せない呪いって、ちょっと強力過ぎない?死ぬ気で離そうと思えば何とかなるのかな?

 女の子も同じように手を伸ばしながら「このまま鏡に吸い込まれてしまいそうですね」と言う。

 ぼくが「流石にそれはないよ」と言い終わる時に、二人の手が鏡に触れて…

 つまり、鏡の中の自分と手が触れた時、鏡の中の自分が勝手に動き出してぼくたちの手を掴んだ!

 「えっ?」っと驚いている間に、そのまま鏡の中に身体が引っ張られて、ぼくたちは鏡の中に吸い込まれてしまった…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ