2日目、異世界チュートリアル占い編
「そんなことよりも、さっさと始めようじゃないか」
ぼくにとっての一大事を「そんなこと」と言い捨てて、碧さんは鏡占いについて説明を始めた。
「鏡占いで得られるものは主に二つある。」
異世界の占いって、やっぱり普通の占いじゃないらしい。
「一つ目は『天職』のジョブ魂だ。職業ってやつにも、人それぞれに適性があってね。能力やら性格やらで性能が左右されるんだ。その中でも、自分にもっとも相性の良い職業を天職と呼ぶんだよ」
それ、ぼくたちの世界でも知りたい人が多そうだよね。
最初に分かるんなら、それに越したことはないと思った。
だけど碧さんは、天職が分かるのは良いことばかりではないという。
「まぁ、心は優しいのに天職が『殺人鬼』って奴も居たからね。天職が人間性の全てを表すわけじゃない。それに、天職が何の役にも立たない職業で苦労する奴も多いんだけどね」
ってことらしい。
漫画か何かで「真実は残酷なもの。知らない方が優しくいられる」って台詞があったけど、自分の天職が、世の中の誰にも必要とされないものだって分かっちゃったら、確かに辛そうだよね。
それにしても、殺人鬼なんてものまで職業として認められるんだ… あなたの天職は殺人鬼って言われたら、きっとぼくはショックを受けるだろうな。その人は、どんな気持ちになったんだろう?
「二つ目は『名符』だ。簡単に言うと、この世界での身分証明書だよ。俗にステータスと呼んだりもする」
自分の強さが見れちゃうのかな…考えてみたら成績表みたいでなんか嫌だった。
ゲームって強さが数字で見れちゃうけど、それが現実になったら困るよね。「お、今日はかしこさが上がってないぞ。勉強さぼってたのか?」なんて風に言われそう…
あれ、成績表より誤魔化しきかないじゃん!




