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HEAVEN AND HELL  作者: despair
四日目、氷精の祠
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4日目、ダンジョン転ぶ


 異世界(イツ・ルヒ)のダンジョンっていうのは、普段は空に浮かんでるらしい。

 最初にこの世界に来たときに見えていた、空中にあった巨大な銀色の箱がダンジョンなんだって。

 もちろん、この氷精の祠も異世界(イツ・ルヒ)の空に浮かんでいて…


 それが地面に落ちちゃったっていうわけだ。


 うん。

 大惨事だ。

 異世界(イツ・ルヒ)では地面の上に住む生物は少ないらしく、被害はおそらくないとのことだけど…


 ちなみに、今の説明はアビスちゃんがしてくれた。

 ダンジョンマスターの氷精さんは「私のダンジョンが堕ちるとは…」って呟いてから固まってしまった。

 ダンジョンが墜落したショックでまたフリーズしちゃったようだ。

 うん。

 ちょっと可哀想になってきた。


 そして、ぼく達は『天盤』と『地盤』の間にいたおかげで落下の衝撃を受けずに済んだみたいだね。

 術によって重力が完全に制御されている空間内にいたおかげで、その外側での加速度の変化からの影響は受けなかった…

 という、難しくてよく分からない話をアビスちゃんが言っていた。

 この『天盤』と『地盤』の中に居る限り、たとえば飛行機の落下事故とかに巻き込まれても大丈夫って感じかな。


「それじゃあ、さっさと外に出ましょうか」


 撫子ちゃんがそう言って『地盤』上からぴょんっと飛び降りる。

 いつまでも溶けかけの氷の中には居たくないし、確かに外に出た方が良さそうだね…


「って、うっひゃー!」


 おおっと!

 奇声を発しながら撫子ちゃんが前の方に落ちていったよ!


 宙でくるっと身を翻して、なんとか上手く前方の壁に着地したね。


「あっぶなー! えーっ!? どうして壁が下になってて皆は横向きに立ってるの!?」


 ああっ!


「きっとダンジョンが落ちたときに横向きになっちゃったんだよ! ぼく達はこの中に居たから分からなかったみたい!」


 うっかり地面に降りようとしたら、実はそこは壁になっていて、もとは壁だった場所が地面になっていたからそっちに落ちていった…

 うん!

 ややこしいね!


 『天盤』と『地盤』の間にいたから落下の影響は受けずに済んだけど、かわりに落下の時にダンジョンが転がっていたことには気付かなかったっていうわけだ。


「ふむ。よくよく観察しておればダンジョン内を落ちる水滴の向きから分かったじゃろな。『天地術』の効果範囲外に出る際は注意を怠らぬことじゃ」


 ああっ!

 言われてみれば確かにそうだ!

 氷のダンジョンのとけ始めてるその滴が、横向きに流れるように走っているよ!


 重力の向きが変化するなんて日常生活の中では有り得ないことだけど、ぼく達の術を使ってる時は気を付けないといけないようだ。


「よく分かんないけど、あんた達のせいだってことはよく分かったよー!」


「うん!この円盤の外に出るときは気をつけた方が良いみたい!」


 それにしても、横向きに立ってる人に話しかけるのって変な感じ!



今回短め…

ダンジョンの外に出ると色々と始まってしまうので、作者の心の準備が必要のようです。

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