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HEAVEN AND HELL  作者: despair
四日目、氷精の祠
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四日目、デートで新技


 

 回復ポイントの端末の操作で軽く酔うぼく。

 異世界仕様のこのクリスタルの端末の操作が苦手だ。

 だけどちゃんと回復出来たよ。

 緑色の光があふれ出してきてMPが全快した。

 全快するのにちょっと疲れたけど。


「よっし、それじゃあ早速『天龍』と『地龍』を使ってみようかな」

「消費MPを節約するなら当然で御座いますね」

 うん。

 何せ『天龍』と『地龍』の消費MPは150というそれでも膨大な量なんだけど、それよりも多いのが『天極』と『地極』だ。

 昨日の感じだと、全てのMPを消費して一定時間だけ覚醒モードに変身するスキルって感じだけど、あれもまだまだ謎が多い気がするね。


 ぼくは部屋の真ん中の、つまり何もない空中を狙って…


「『天龍』!」


 唱えた途端にごっそりとMPが持っていかれてた感じ…

 ぼくのMPは235だけど、そのうちの150が一瞬でなくなったんだもんね。

 残りは、85だけだね。

 そして、消費MP150の『天龍』の術の効果は…


「何も起こらんのじゃ…」

「失敗したので御座いましょうか?」


 そう、何も起こらなかったんだよ!


「うーん… 確かにMPは減ってるんだけどなぁ…」

 MP150も使って効果が分からない術ってなんだろね。

「何か条件があるのじゃろうな。術の説明はなんとなっておる?」

「ああ、確か『天を結ぶ龍』だったかな」

 天を結ぶって、どんなふうに結ぶんだろうね。

「こちも『地龍』の術は『地を結ぶ龍』との説明が御座います」

「うん。同じだね」


「では試しに、『地化』『造地』『地球儀』」

 ジゴクが地に関する術を使う。

 『地化』は目に見えないけれど、『造地』の黒っぽい円盤の『地盤』と、『地球儀』の黒っぽい球が現れる。


「何れかと反応すれば良いのですが…。『地龍』!」


 今度は目に見えて変化があった。

 『地盤』の上にトカゲが一匹…

 いや、コウモリの翼みたいのが生えてて、ぷしゃっと火を吐いてる…

 これは…


「ドラゴンだっ!」


 でも体はぼくよりちょっと小さいし、MP150にしては弱そうというか…

「ふむ。『地盤』を目標に術を使いました故、そこに現れたので御座いましょうか?」

「ああ、そうなんだ?」

「然り。次は『地球儀』を目標にしてみましょう…」

 ジゴクの言葉が終わるよりも前に、ドラゴンは『地球儀』の黒い球の方に移動していた。

「はて、これは意識した方へと移動するので御座いましょうか?」


「ぷしゃっ」

 ドラゴンが同意するように小さく火を吐いた。

「ふむふむ。ならば…」

 ジゴクが目を閉じた。

 何やら念じているようだ。


「あっ、ドラゴンがあっちこっちに移動してるよ!」

 『地盤』と『地球儀』と『地化』されていると思わしき氷の天井の上を、ドラゴンは瞬間移動してるみたいに現れては消え、消えては現れている。

 現れる度にポーズが変わってるのは何なんだろうね?

 遊んでるのかな?

「成る程。『地を結ぶ龍』とは地に関する術の間を移動できる龍…、否、ドラゴンというので御座いますか?」

「そうそう、こういうタイプのはドラゴンって呼ぶんだよね」

「ふうむ。龍にも分類があるので御座いますか」


「しかしのう。これは召喚術という感じでもないのじゃな。アバターでもなければ精霊でもない。お主は一体なんなのじゃ?」

 アビスちゃんがドラゴンに近寄っていく、興味津々って感じで観察しようとしているね。

 その様子を見て、ぼくは夏休みの自由研究にドラゴンの生体を観察するのもありかもしれないなって思った。


「ぷしゃっ」

「あついのじゃ!」


 ドラゴンに火を吐かれてアビスちゃんが逃げ帰ってきた。

「ふむ。プログラムで設定された行動とはやはり違う。もしやあやつは本物のモンスターなのやも… しかしそれを生み出す術など…」

 だけど、まだぶつぶつと分析を続けるアビスちゃん。

 ふーん。

 目が生き生きしてるね。


「よし、じゃあぼくも『天化』! 『創天』! 『天球儀』!」

 ぼくのドラゴンも出してみたくて天に関する術を使う。

 これで残りMPは12になっちゃった。


 あっ!


「なんと!天球儀の中に細長き浮遊物が現れました!」

 そう、細長き浮遊物が、じゃなくて…

「龍だ!」

 何かパーツが足りない気がするけど空飛ぶ蛇みたいな生き物が居る。


「ひゅーるるるっ」

 鳴き声は鳥みたい!


 そう、ぼくのMP150は無駄じゃなかった!


「あれもドラゴンと呼ぶべきじゃな」

 アビスちゃんがやっぱり興味あるみたいだね。

「どうしてドラゴンなの?」

「ふむ。そうじゃな。折角の機会じゃ。いっそ、あやつらのことも以心伝心して聞き出して観ると良いのじゃ」

 あっ、そうきたか!

 アビスちゃんがいたずらっ子の良い笑顔してるよ!


「ならば遠慮は致しませぬ」

 ジゴクが不敵な微笑みで応戦するよ!


「それじゃあ、以心伝心を再開だね!」

 もちろん、ぼくもね!


 残りのMPも少ないし、全MP消費の術を使うには丁度良い。

 ぼくはジゴクと手を繋ぐ。

「『天極(テンゴク)』!」

「『地極(ジゴク)』!」


 そして世界が色を失った。

 この白黒感、『極化』が成功したんだね!


「ひゅーるるるっ」

「ぷしゃっ」

 うん。

 お前達の為にもアビスちゃんと以心伝心するからね!




テンゴク達の使う術も出揃ったので、そろそろおまけの方で効果の解説と共に一覧を載せたいですね。

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