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HEAVEN AND HELL  作者: despair
四日目、魔女の館
130/214

四日目、文化交流(シュララバ視点)


前回に続き、異世界人のシュラちゃん視点で地球のお話



「それから、さっきの疑問のことだけど。まず、異世界イツ・ルヒと呼ばれるこちらの世界では、基本的に食事をする必要がないの。シュラちゃんは何故か知ってるかしら?」

 ミルチャン先生が話していると思って黙って聞いていた私は、突然に話をふられてしまいました。

 ちゃんと答えられるでしょうか…

 私は少し考えて…

「ええっと、分かりません… マナの影響だと思うんですけど… そもそもの食事をする必要ってなんなのでしょうか?栄養補給って、やっぱり経験値みたいなものを得るってことですよね?」

 分からないことだけが分かりました。

 レベルを上げるために食事をするんじゃないんですかね?

 まさか、食事をとらないと死んじゃうってことはないでしょうし…


「地球ではね、食事で栄養を補給しないと死んじゃうのよ」


「ええええっ!?」

 まさかの予想がまさかの正解!?

 地球人ってそんなにか弱いんですか!?

 ナデシコさんとセイジくんは、私が驚いたということにびっくりしているようです。

異世界イツ・ルヒにはマナが満たされているけど、地球はそうじゃないの。マナが無い場所では身体を維持するために膨大なエネルギーが必要で、そのエネルギーを地球に住む生物は食事からまかなっているのよ。青磁くんも、撫子さんも、こっちに来ているときは疲れにくいでしょう? それもマナの働きなのよ。病気にもなりにくいはずなのよ。こっちにいる間は食事を取らなくても体は元気に成長もしてるのよ」

 「確かに!」「すごい!」と頷く二人。

 地球に居ると、ちょっとしたことで衰弱、疲労、飢餓などの状態異常になってしまうのでしょうか?

 しかも病気になりやすくて、食事をとらないと死んじゃうなんて、なんて危険な場所なんでしょう!

 

「あれ? それじゃあ、地球ではレベルってどうやって上げるんですか?」

 食事は栄養というものを補給して命を繋ぐためで、マナもない環境…

 レベル上げってどうするんでしょう?


「あはは、地球にはレベルなんてないわよ」


 ナデシコさんがさっぱりとした口調で衝撃発言をしてくれました。

 私、今まで地球には地球のレベルがあるんだと思っていました!

「じゃあ、地球人ってMP0でレベルもない状態で飢餓とか疲労になったりしながら生きてるんですか!?」

 すごくたくましい人達ですよね!

 私が感嘆していると、ナデシコさんが「かなり大げさな感じするけど、それが普通だからね」なんてことを淡々と言いました。

 異世界イツ・ルヒの人間が地球に行くと魂が消えてしまうので私は行けないのですが、今まではそれを残念に思っていました。

 でも、行けなくて良かったと胸をなでおろす日が来るなんて!

 地球って恐ろしい!



「さて、そろそろかしら…」

 ミルチャン先生が突如、もやもやとしたオレンジ色の天井に手をかざしました。

 すると、オレンジ色の中に四角い画面が現れました。

 テンゴクさんの名苻みょうぶに似ていますね。

 おっと、画面の中にはテンゴクさんが居ます。

「あら、もう出会ってしまったみたいね」

 出会った、と言われている相手もテンゴクさんですね。

 いつもの銀色の髪のテンゴクさんと、髪の黒いテンゴクさんが二人で楽しそうに話しているみたいです。内容までは分かりませんが、仲が良さそうなのが伝わってきます。

「あはは!なんでテンゴクが分身してるのよ!」

 ナデシコさんの当然の疑問、そこは地球人とも共通の認識で良いみたいです。

「なんだか、髪の黒いテンゴくんってちょっと悪そうだね」

 悪そう…

 うーん、確かに。いつものテンゴクさんと比べると黒いテンゴクさんの方が私の苦手な雰囲気が出ています。


「まだかかりそうね。少しややこしいのであれの説明はしません。あちらが解決するまでもう少し此処に居ようと思うんですけど、何かここでやっておきたいことはありますか?」

 ましゅまろをもう少し食べたいような、テンゴクさんの様子を見守りたいような…

 そんなことを考えていると…

「はい!はい!はい!」

 ナデシコさんが手を上げて返事を何度もしています。前のめり気味で、飛び出したいのを我慢してる感じですね。

「はい、撫子さん」

 ミルチャン先生がナデシコさんに手のひらを見せます。

 ああっ、どうぞってジェスチャーだったみたいです。

 「はい」とナデシコさんが手を上げたのが「言いたいことがあります」っていうジェスチャーだったんですね。

 なんでしょう。ナデシコさんって自由奔放な感じだと思っていたのですが、実はとてもしっかりと教育されてるみたいです。

 地球という過酷な環境で生きていくためには、やはり厳しい教育が必要なのでしょうか。

「んっとね。私、シュラちゃんと戦ってみたい!」


 えっ!?

 私と戦いたいんですか!?


「先生は別に良いですよ。どうせ戦うなら、夢の世界に居るうちに思いっきりやった方が良いと思います」


 ええっ!?

 良いんですか!?

 しかも思いっきりですか!?


「シュララバさんも良いですか?」


 私の返事は…

「まだまだ弱い私で良ければ、もちろん戦ってみたいです!」


 私、テンゴクさんとジゴクちゃんを守るためにも、もっともっと戦闘経験を積みたいと思っていたところなんです!




まだまだシュラちゃん視点です。

次回こそ「 プリレリ vs 盾鎧ジュンガイ武闘ブトウツバサ)


青磁くんは撮る係。

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