表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
HEAVEN AND HELL  作者: despair
四日目、魔女の館
124/214

四日目、魔女の館?


 扉は閉ざされた。

 押しても引いてもびくともしない。

「ふふん、慌てても無駄なのよ。 その扉は入るのは自由だけど、出るときはみるちゃん先生の意思でしか開かないんだから」

 人を閉じ込めるための玄関ってこと!?

「うーん、この雰囲気ってさ、魔女の館っていうより…」

 そう言った途端、シュバッという音と共に飛んできた二つの手がぼくの口を塞ぐ。撫子ちゃんと青磁くんが片手ずつでぼくの口を押さえてきたよ。

 いきなりだよね。「もごもご」としか言えなくなっちゃったよ。

「テンゴクっ!言って良いことと悪いことがあるわよ! 主に自分の身の安全のために!」

「テンゴくんっ! ここは何があっても魔女の館だからね! 主に自分の身の安全のために!」

 なんだろう…

 ずいぶんと熱心に身の安全を主張してくる二人の勢いに呑まれて、ぼくはついつい首を縦に振ってしまう。

 その動作に安心したみたいで二人とも手を離してくれたよ。

 これ、ぼくがさっき言おうとしてたことがとっても危険ってこと?

 この場所…

 古びた洋館…

 入ったら出られない…

 蝋燭に火が勝手に灯って…

 建物の中もすっかり寂れてて、人が住んでそうな雰囲気は皆無だ…

 これって…


 ガシャンッ!!

 ズッ… ズズッ…


 ん?

 何か遠くでおおきな物が落ちたみたいな音がして、それから、それを引きずってるみたいな音が聞こえてくる…


 ズズズッ…

 ズズズッ…


 うーん…

 ちょっとずつこっちに近付いてくるような…

 おっ、通路の先の曲がり角の向こう側から影だけが先に現れたよ。

 壁に映るその影は、大きな斧を引きずってるみたいな形をしていて…


 ズズズッ…

 ズズズッ…


 影の主が壁の向こうから現れた。

 それは当然だけど、この魔女の館に住むと言われてる5年A組の担任教師、みるちゃん先生だった…

 ずるずると引きずっているのはやっぱり斧…

 見慣れた先生の異世界での姿は、まるで廃墟に住んでいる…

「はい、ウガリットの守護者『魔女』ことマジカル☆ミルチャンだよ♪」

 さっきまで引きずっていた重そうな斧を、ぷいっとこちらに突きだして名乗りを上げるみるちゃん先生は…

 どうみても…

「まるで廃墟に住んでる殺人鬼だよっ!」

 あっ、言っちゃった!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ