三日目、vs汕圖戦⑧ これが実力だ
砂嵐の蠢く巨大な星を乱堂汕圖にぶつけようとするぼく達。
マナの量だけなら負けてない攻撃が出来たよね。
これ、広い場所であればあるほど強い攻撃になりそうだ。
ふふん!
「これならどうだ!」
正直、自分ではこんな攻撃が出来たことにびっくりしている。
乱堂汕圖だって、多少は驚いてるだろうと思う。
「あははははっ」
ってもう!
まだ、笑ってるよ!
これでも余裕ってこと!?
「『アヴァルスグラナトム』」
さっきシュラちゃんへと向けたのと同じ、隕石みたいだけど生物みたいなマナの塊が、ぼく達の作り出した星に打ち込まれた。
その瞬間、隕石のような物体から蔓が伸びていく。
あれ、星の中のマナを吸いだしてる!?
あっという間に星の中のマナが吸い尽くされて、そこには巨大な木が現れた。
地球儀に根っ子で掴まりながら宙に浮かぶ大木。
だけど『招星』の効果で大木ごと、まだ動いていってる。
「おやおや、これほど育つとはね。子どもの悪戯だと捨て置けないレベルだね」
驚いてはないけど、ちょっとは感心されちゃった…?
「お仕置きが必要だろう」
あ、そっちか。
それは遠慮したい。
「『メルムサラマンドラ』」
また新しい術だね。
今度は巨木が全焼して、今にも噴火しそうな火口みたいな赤と黒の色合いの禍々しい蜥蜴が出てきたよ。
巨木と同じ大きさってもう怪獣だけども…!
うわっと、炎のブレスってやつ!?
大きな炎の塊がこっちに向かってくる。
大きな…
いやいやいや!
ちょっと大きすぎる!
「『創天』!」
ぼくは円盤を出して炎をガードする…
つもりだった!
全然だめだ、炎に呑み込まれた!
あっつ!
辺りのマナを振り回すようにして空気の壁を作ってギリギリ防げたけど、あっつい!
これは何発も防げないかもね…
そして巨大な蜥蜴が次弾を発射!
しかも、これは…!
このタイミングって!
ぼく達の『極化』の状態が溶けた!
そういえば、さっきから世界に色が戻って見えてきてたような…
って、大ピンチじゃん!
ついさっきまで、これだけマナを集めれたら良い勝負ができるかもなんて思ってたけど全然だめだ!
そもそも乱堂汕圖がまだ本気って感じじゃないよね!
想定外ではあっても、あの人にとって問題ないレベルからは出てないって感じかな。
空を飛ぶための制御も出来なくなって落ちていくぼく達。
落ちてるおかげで炎の弾を一発かわせたけど…
まずいよね
「『造地』!」
ジゴクちゃんの『造地』…
何も出ない!?
「あっ、MP切れ!?」
「なんと、そのようです!」
『極化』の状態が切れたからかな!?
あの状態になる前はジゴクちゃんのMPは残ってたはずだし…
おっと、蜥蜴の口の中に炎が集まってるのが見えるよ!
こういうやつの相手は山吹さんの方が適任そうだけど…
ぼく達も火を吹いたりするような直接的な攻撃技が欲しいねまったく!
あっ、山吹さんはどうなったんだろ
さっきの巨木の種を攻撃してから…
えっ…
うそだ…!
山吹さんが地面に倒れてて、胸から小さな木が生えてる!
マナを吸われてる!?
本来はああやって人に根差して力を吸いとる術なのかな…
あっ、山吹さんが手を振ってる!
遠くて表情までは分からないけど、無事ではあるみたい!
良かった!
でも動けないみたいだね。
ん?
振ってるというより、何か指差してる?
あっちあっちって感じに手を動かしてるような…
ぼく達の正面の方に何か…
「あっち!」
火の玉が目の前にあった!
山吹さんの心配してる場合じゃなかったよ!
そもそも落下中だよ!
でも、そのおかげで火の玉は頭上をかすめてっただけで済んだけど!
そうだ!
ポケットに回復薬があるんだよ!
って、もうすぐ地面だけど!
飲む暇なし!
これは万事休す!
っと…
ぼく達は、地面に落ちる前に柔らかな手の平でキャッチされた。
ぼくとジゴクちゃんの二人を掴めるその手の持ち主は…
あはは…!
蜥蜴さんでした!
マグマの溢れだしそうな火口付近みたいな見た目ほど熱くなくて良い湯加減って感じだし、皮膚も固くないけど…
ぼく達には為す術が無い!
目の前で大きな口を開ける巨大な蜥蜴…
「ヴグェェェェェ!!」
耳をつんざくような大きな鳴き声…!!
口の中から炎がわき上がってくるのが見える!
ああ、全滅狙いだからこれで良いのかな…?
いやいやいや、やっぱり怖い!
そして炎が…!
最近、小説を書くのに使ってたアプリが更新され、続きを書く気分になれなかったんですが、そろそろ立ち直ってきたつもり。
そして、次回で乱堂汕圖戦は決着予定です。




