三日目、vs汕圖戦② シュララバの戦い1
今回はシュラちゃん視点です。
「それじゃあ、ばいばい」ってテンゴクさんが投げ飛ばされた。
テンゴクさんってあんなによく飛ぶんですねー
その後を追いかけていく骨の傀儡。
あのスケルトン達は、それぞれがレベル30以上の上位種に見えますね。
あれ1体でも、こちらは3人がかりで挑みたい程の強敵です。
テンゴクさんなら、いざとなったらマウプーで逃げられるはずですが、やっぱりジゴクさんを助けに来ちゃうんでしょうね。
「さて、これで邪魔は入らないだろう」
そう、この汕圖という人が危険過ぎます。
レベル1000以上の召喚術師というところですか。
この強さなのに無名な人って、しかも地球人って、珍しいというか不気味ですね。
先程からのテレポートも、自分を指定したポイントに召喚しているだけの可能性が高いです。
勝ち目はないし、まともな手段じゃ逃げれる気もしませんね。
でも、この人にジゴクさんを渡すのは嫌なので、私はジゴクさんを隠すように立ち塞がってやりますよ。
「ああ、まだ邪魔なのが居たね」
はい、ジゴクさんによく似た顔なのに、本当に一言一言が嫌な感じです。
ゆらりと汕圖さんが手をふると、スケルトンが追加で二体来ましたよ。
そう。
怖いですけど、汕圖さんは露骨な攻撃はしてこない可能性が高いんです。
正直なところ、戦って全滅して皆で宿に帰還できたらラッキーなんですよね。
それを警戒されて、今は真面目に戦ってすらもらえてない可能性が高いでしょう。
だけど、敵の狙いはジゴクさんなのは間違いなんです。
だから、私のやるべきことは一つだけ。
もう明白です。
ジゴクさんの前に立ち、汕圖さんを通さない。
守る戦いなら私の、『盾鎧武闘』の真骨頂です!
私は自分の能力の象徴の『翼』を出します。
スキルレベルが上がって『羽』を4枚出せるようになったのが嬉しいんですけど、さすがに相手が悪すぎですね。
「ジゴクさん、ちょっと私の後ろから離れないで下さいね。ジゴクさんが近くにいる間は、私にもヘタな攻撃はできないはずですから…」
「シュララバ様… こちのせいで御負担をかけてしまい…」
「あっ、困った時はお互い様ですよ!っていうか、これってあの人のせいですから!」
拐おうとしてくるのも、襲いかかろうとしてくるスケルトンも、テンゴクさんとジゴクさんが離されちゃったのも、どれも汕圖さんがやってることです。
そして、私にだって戦う理由はあるんです。
「『盾鎧舞踏』か。面倒な能力だけど、それにしては頼りないね」
ふふふ、それはそうでしょうね。
「あなたから見れば、こんなの頼りないのかもしれませんね!」
だけど私には、これしか頼るものがないんですよ!
「『純化障壁:範囲ブースト』!」
レベル20で覚えたブーストスキルを早速使ってバリアを張ります!
4枚になった『羽』と、今までより大きなバリアが心強いです。
「スケルトン、私の子どもを救い出しておくれ」
もう!
こっちが悪者みたいな言い方はなんなんですかね!




