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1分で読める短編シリーズ

あなたと繋ぐ手

作者: 優木貴宏

付き合い始めてから数週間は経った。


彼は私を大事にしてくれるしとても優しい。


遠慮しがちに私のわがままを優先してくれる。


私の嫌がることはしようとはしない。


そんな彼に不満なんてないはず、でも1つだけ。


私もあなたの事が好きなのだからあなたにもわがままを少しは言ってほしい。


今日のデートだって私の思いを優先にして優しくしてくれる。


これは、私が楽しいだけであなたが楽しんでくれてるなんて思えない。


意を決してあなたに尋ねる


「あなたが優しいのはわかるけど、少しはわがままも言ってほしい、何かないかな?」


彼は恥ずかしそうに一言


「手を繋ぎたいです」


と顔を赤らめながら言った。


私は笑顔で手を差し出し、あなたはその手を優しく握ってくれた。


繋いだ手からもあなたの優しさが伝わって来るようでなんだか嬉しかった。


これからはもっとわがままを言ってもらおうと思い、彼と手を繋いでデートを続けた。

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