表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうしてこうなった!?  作者: ねこまたのしっぽ
9/17

◇9◇◇いざ、薬草園へ!

◇◇◇◇




まずは温室外の畑だね。


此処は一応まだまだ安全地帯。

『寄るな!危険!!』って程では無いらしい。

1番危険な部類は温室の一角だって!?


うえぇぇぇっ!!

どんなデンジャラスゾーンがあるんだよ!?

……いいのか?

僕が足を踏み入れて、大丈夫なの?

いや、挫けちゃいけないよね?

お父様に許可取るのもかなり手間かかったし。

逃げちゃダメだ。

よし、チャレンジ精神をしっかり育てよう!!

異世界の薬草園はホント一筋縄じゃあいかないからね!!

アラート鳴らしまくり!

厳重注意だよ!




グラムが入り口の頑丈な扉の鍵を開けて、開いてくれた。

中に入ってからも振り返りながら、作業用の道なりに逐一説明して案内してくれる。

僕がお嬢様だから、嫌でも面倒みてくれるんだよね。

眉間に刻まれた深い皺が低空飛行な不機嫌さを見事に醸し出している。

ホントすみません。

余計な仕事増やしてますよね……。

重ね重ねお世話になります!


陰鬱な声でボソボソと説明が続く。


「こちらはトレントの林になります。知性が高く、知らない者には攻撃します。この薬草園の守護者をして頂いています。この中で最長老のエルダートレントに挨拶して下さい。」


「はい、わかりました」


素直に頷いて、さて。

どれかな?

1番の最古参の長老エルダートレント……。

『鑑定』スキル発動!


ん、ん、ん~と……。


ちょっと前を彷徨いて、確認していく。




あ、判った!

この樹だね。

見た目もちょっと他の樹とも違しね!

幹の太さも当然の事ながら立派だけど。

色も…ちょっと銀色がかってたりして。


僕は目星を付けた大樹の正面に足を止めて、淑女の礼できちんと頭を下げた。


「初めて御目にかかります、私はアルフェミナ・フィア・ルクセリアです。後ろにいるのは私の乳母でエレナと申します。今日はこちらの薬草園を見学させて頂きますので、よろしくお願いします」


『……ほぅ、まだ幼子が珍しい。それにしても丁寧な挨拶をいたみいる。他のモノにも悪さをせぬ様伝えておこう』


「ありがとうございます。皆様のお心を煩わせない事を心掛けておきます」


よし、無事に挨拶が済んだ!

エルダートレントの最長老は穏やかに応えてくれた。

さすがに年の頃ってゆうのかな。

緊張したけど、とりあえず第一関門クリア。

不安そうだったエレナも、ホッと胸を撫で下ろしていた。


それにしても。

知性ある植物かぁ。

僕の方が余所者なんだし、気に障らないように気を付けなくちゃね!

何が気に障るか判らないし、案内役ついてて良かった~。





最初の難関を切り抜けて、僕は意気揚々。

ヤル気満々でグラムを振り返った。


あれ?

茫然自失?

なんで?

僕、何かやった?


固まったままのグラムに僕は戸惑っている。

どうしようか、と迷っていたら、いきなりクワッと眼を見開いて僕に迫って来た。

ヅカヅカと、スゴい勢いで近付いてきたグラムが、僕の前にしゃがみこんで両肩をガシッと掴む。

食い込んでる!

痛いよっ!!

この馬鹿力!!


「どうしてアレが最古参のエルダートレントだとわかったのですか!?エルダートレントは他にも何本も有ったでしょう!」


「視れば(・・・)判りますって!」


怖い!

怖い怖い怖い怖い怖い!

怖いよ!!

何事だよ、その必死さは!?

僕が何なんだよ?

何か悪いコトでもしたワケ!?

冗談でしょ!

ちゃんと挨拶だってしたし、……あれ?

勝手に挨拶した事にでもなってんの?

でも、自分で言ったんじゃない!

1番最古参の長老に挨拶しろって!!


僕は涙目になりながら答えたけど、今度はガクガクそのまま肩を強く揺さぶられる。


「いいや!ただ、見て普通は判る筈がない!」


「お止め下さい、グラム殿!」


さすがに放っては置けないと、エレナが僕を奪い返して庇ってくれた。

そのまま抱き抱えて、背中を擦ってくれる。

あ~~~、三半規管マジにヤワかも!

めちゃ気持ちワル~。




僕はしばらく体調を整えるのに時間がかかってしまった。

その間エレナは凄まじく恐い般若みたいな顔で、ギャンギャンとグラムに説教していた。

ちょっと声大きい。

頭に響くよ、その声。


うん、エレナの気持ちもちゃんと察するよ。

僕付きの乳母だもんねぇ。

曲がりなりにも、この公爵家の一人娘。

大事な大事なお嬢様ですからね~。


扱いは丁寧にってね!





エレナのくどくど続いた説教でグラムがやっと冷静に戻った。

どこか酷く悔しげだが、やはり自分の不備だと判断したんだろう。


一応僕に謝ってくれた。

スゴく不承不承って感じだけどね。


「…申し訳なかった。……だが、普通一目では判断がつかない……その筈なのだ……」


「お嬢様ならすぐに判るんです!何も不思議ではありません!!」


エレナが直ぐ様反論してくる。

自信たっぷりに、鼻息荒く言い放つ。


……何だろう、その自信を裏付ける根拠って。

そんなの無いよね?

ねぇ?

あぁ、ホント相変わらずのお嬢様至上主義。

エレナってば~、とことんブレないな……。


……何かクダラナイやり取りで結構な時間を無駄にしたような……?

まぁ、過ぎた事は仕方ないよね。


とりあえず気を取り直して、グラムに頭を下げてお願いする。


「では、案内を続けて貰えますか?」


「……はい」





あ~~、グラムは絶対納得しきれてないな。

でも、これ以上教えられないよ!

知らん振り!

チートスキルはトップシークレットだもんね!

それに幼児にあんな乱暴する人って基本的にヤだしね!!





グラムの丁寧な説明に相槌をうったり質問を交えたりしながら、案内に沿って進む。


当然の事ながら、『鑑定』スキルも勿論発動しっぱなしで。

一々薬草ごとの効能や扱いをしっかり記憶していく。

新しい事を覚えていくのは楽しいよね!

特に自分が興味あることならさ!




おぉ~~~っっっ!!

形も色も全然違うけど、効能やら成分は似たり寄ったりのが……。

これなら、僕の知識も全くの無駄にはならないよな?

良かった~~っ!





……あれ?

これ!!

この効能と味!!

この黒とピンクのシマシマのどぎつい色の草!

もしかして、胡椒の代わりになるんじゃね!?

ラッキー!!

やっと僕の今回の料理人生に新たな夜明けが!!大袈裟じゃなく、ホントに涙が出そう。

これで料理にもアクセントがつけられる。

ありがたくてありがたくて、思わず拝んじゃうよ!

知性ある植物じゃなく、ただの薬草に対して……。(笑)




あ~っ!

こっちの大人の親指大の赤紫色の捻れた実!!

これ!

ターメリックもどきだよ!!




ちょっと~っ!!

これ、薬草だけどさ。

香辛料代わりになるモノてんこ盛り!!

生姜代わりに唐辛子代わり!!

シナモンもどきもあるよ!

ナツメグ代わりにその他諸々……あぁ、なんてありがたいんだろう!


こんなにたくさんの代替品があるなら、料理に目一杯使えるじゃないか!!




そういや、香辛料って生薬でもあったんだよね!

前世で歴史の授業中に余談として習ったっけ。

うん、ちゃんと思い出したよ!!




さて、グラムに譲って貰える様にしっかり交渉しなくちゃね。





これはもう、メニュー決まったよね!

折しも今は夏真っ盛りだしね!!

ず~~~っと、我慢してたんだよ!

本来僕は週3回はカレー食べたい人なんだよ!

カレー作るぞ!

カレー!!

夏場はやっぱりカレー食べなきゃ!!

食欲不振にも疲労回復にもバッチリだもんね!

僕にとっては夏バテ防止に一押しメニューなんだよね!

あぁ~~~っ!

アガッてきた!!

これはもう止まらないよ、てかもう絶対止めないけど!!

テンションマックスだよ!!





さっきの僕に対しての暴力沙汰という不始末のせいか、グラムはあっさり了承してくれた。

暗い陰気が服着たオッサンだ思っていたけど、良いトコあるじゃん!


これは、僕達家族だけじゃ勿体無いよね。

お城に勤めてる皆さんにもしっかり食していただこうかな。

カレー祭りだよ!!

だって、例の疫病対策に関わっていた人達は本当に多忙を極めてグロッキーなんだよ!

深刻な夏バテ起こしてる人、結構いるよね?


石窯でナン作るぞ!!

あれ?

ナンって無発酵パンじゃあ無かったっけ。

残念。

え~っと!

誰かが教えてくれたな。大学の学食で先輩が詳しくて、スパイスやら色んな調味料の研究してて。

……あ、チャパティ、だっけ?

作り方も現地式の教えて貰ったよな。

うん、大体思い出した!

コレでいこう!!




ああ、楽しみだ~。

(いかん、ヨダレが…)







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ