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どうしてこうなった!?  作者: ねこまたのしっぽ
3/17

◇3◇◇決意表明してみよう!

ひねもすのたりで、ぼちぼち書いてます。

ちょっと覗いてみたら少しですが、ブクマ付いててビックリしました。

こんな駄文屋でも読んでくれる人いるんですね?(ホロリ泣)



コツコツ頑張って書きますね!

暇潰し出来る様に頑張りますm(_ _)m





◇◇◇◇





「ねぇたま!」


席に着いていたルーフェウスが、椅子を蹴倒す勢いで突進してくる。

猪か!?

ガッツリ首に抱きついてきた。

ぎゅうぎゅう首が締まってる。

ちょっと苦しい。


そんなに姉が好きですか!?


おちつけ~?

落ちついてくれ!

シマってる!

オチるから!




「はい、ソコまでだよ。ルー?」


ライアン兄様がしがみついていた手を手早く引き剥がし、レオン兄様がルーフェウスを羽交い締めしていた。

何この2人のコンビネーション?

正に阿吽の呼吸ってヤツだね!

というより、いつの間に忍び寄った!?

貴方達は忍者ですか?


あ、いや、勿論感謝してます。

してますけど!

だってあのままだったら、ベッドへリターンしてたよ!

少し咳き込んで苦しかった。

息を整えて、やっと2人の兄を涙目で見上げる。




「ヤ~ッ!ねぇたまぁ~!!」


あ、泣くか?

じたばた暴れっぱなしのルーフェウスを宥めないと!

取り敢えず!

レオン兄様はビクともしてないけど。

朝から兄弟喧嘩は気分が良くないし。


「ルー?イイコは?」


僕が腰を屈めて正面から顔を覗いて言う。

視線を合わせると、ピタリと大人しくなる。

ホント、さっきの暴れん坊が嘘みたいに。

レオン兄様がそっと拘束を解いた。


「イイコはちゃんとお席に着かないとね?」


「はい、ねぇたま!」


僕が手を差し出せば、ルーフェウスはゴキゲンでにっこり繋いできた。


変わり身早いよ!

何なんだろう、このお手軽感……。


「レオン兄様とライアン兄様もありがとうございます」


笑顔でお礼を口にすると、2人共はにかんでる。

スゴく嬉しそうなのはイイんだけどね。

う~ん……何故か、僕の内心では納得出来ない。

抵抗感満載。

だって本当にそれでいいんですか?

僕まだまだ子豚ちゃんですが?

まさかのデブ専じゃないよね。

シスコンフィルターが標準装備なのかな?


「うちの子はみんな仲が良いな!」


「そうですわねぇ」


お父様が一見(・・)爽やかに……ってあれ?

笑顔がちょっと怖いよ?何で!?

どゆこと……?


お母様!

お願いだから止めて!?

暢気に相槌打ってないで!

……はっ、母様の笑顔もよく見ると黒い?

何で!?

何が起こってるの?


2人がコワい!

どうなってんの?

どうしたらイイわけ?


って、あ…まだ僕が2人個別に声かけてないから?


まさかね?

まさかそんなコトで?


よし!

その想定で対応してみよう!

違ったら考え直せば良いし。

臨機応変って便利な言葉も在ることだし?


僕は何時もよりも不満を表して、唇を思い切り尖らせて言ってみた。

お父様にお母様、機嫌直してね!

対応が間違ってませんように!


「…お父様とお母様も一緒に仲良しですよ?」


「ウチは兄弟だけじゃなく、家族みんな仲が良いじゃないですか」


レオン兄様ナイスフォロー。

きらきら笑顔が眩しいね!

まったくムダに煌めいているよね……。

何か力が抜けるよ。

レオン兄様が時間を稼いでいるその間にルーフェウスの手を引いて、サッサと席に着ける。

頼むからこれ以上手間掛けさせんな!

そのまま僕は、両親の元に甘えに行く。


2人の間でお父様の服の袖をそっと掴んで引くと、即座に抱き抱えられた。

捕獲完了?

手早いね!

お父様の膝にあっという間に乗せられる。

すかさずお母様がサワサワと頬っぺたを撫でてきた。


「ふふっ、可愛い。もう食べちゃいたいわぁ」


「うむ、ウチの娘は世界一だな!」


何を2人で納得してんの?

自画自賛してるみたいなこの雰囲気!!

全力でヤメて下さい!

親の欲目は恥ずかし過ぎる!

誉め殺しデスカ?

子豚ちゃんに対して大袈裟過ぎるだろ!?

内心本気でヒクわ!!


思わず恥ずかしさハンパ無くて、俯いちゃうよなぁ?

何でウチの家族ってこうなの?

僕至上主義!?

何これ?

怖いんですが!!


「「アルフェミナ?どうかした?」」


見事なユニゾンですね、お兄様達。

さすが普段から息ピッタリの仲良しさんですね!


けど、方向転換には良い切っ掛けになった。

そっと僕はみんなに言い出す。

言っとくけど!

僕が腹ペコってワケじゃないからね!

我慢出来なくなりそうな約1名…可愛いルーフェウスの為だよ!


「…朝食にしましょう?」


「む、そうだな…」


「お腹すいた~ッ」


お父様はまだ構い足りない顔をしていた。

だが僕の言葉に、ルーフェウスが即座に反応した。

やっぱりお腹空いてるんだよね。

ルーフェウスは何時も、あっちチョロチョロこっちチョロチョロ。

運動量結構多いと思うから。

お父様は少し憮然としたけど、仕方無しに僕を抱き上げたまま立ち上がった。

そのままお姫様抱っこで運んで、席に座らせてくれる。

うん、これが通常運転なんだな。

ウチの場合はさ!


そして、こうやって身体を動かす機会が削られていくんだな。

気を付けよう!

うん、気を付けないと恐ろしい結果が待っているだけだよね!!







◇◇◇◇





……朝食の間、家族どころか使用人の皆さんにまで死ぬほど驚かれた。


これまでの習慣で、僕には野菜とか配膳されてなかった。

ずっと食べなかったから当然だけど。

それを敢えてオーダーしたから。


全員オロオロしてる。

それくらいで取り乱すな!


「嫌いなのに無理に食べなくて良いよ!」


「ねぇたまの嫌いなの、僕が食べる~」


「どうしちゃったの?」


「まさか、病気のせいで頭が……!」おい!!

ちょっと待て!

最後のはちょっと腹立つぞ!!

誰の頭がナンだって!?

フンだ!

メゲないもん!

覚悟は決まっているんだから。


右往左往の家族や使用人をよそに、涼しい顔で食事を終える。


ふん、今まで朝はお茶だけ。

気が向いたら果物少々なんて、ショボい食事してたけど。

改心したんだからこれからは慣れてよね。


マトモな朝食後のティータイムになってから、僕はようやく口を開いた。


「私、ずっと考えてました。」


家族をくるりと見渡す。

みんな神妙な顔で固唾を飲んで、僕の様子を伺っていた。


「同じ病にかかったのに、どうして私だけ死にそうになったのか?」


そうなんだよ!

今回の流行り病は兄弟全員とお母様もかかった。


でもさすがは公爵家。


ウチに専属で仕えてる治癒師やら薬師やら医術師やら、総勢をさっさと呼び寄せて。

僕以外あっさり完治。


そりゃ、庶民の間じゃ薬が足りなくて結構な死者数だったらしいが。

基本治癒師は貴族や上級官僚を診るので手一杯になる。

王候貴族で死人は滅多に出ないよ!

身分制度はシビアだね。


「私だけですよね、薬を苦いからって嫌がったの」


「「「「アルフェミナの飲み易い薬を作らない薬師が悪い!」」」」


「ねぇたま悪くないもん!」


……違うでしょ!?

みんな、そこで頷くトコなの?

あり得ないでしょ!?

命が懸かっているのに!!

そこは僕のワガママ許しちゃダメなトコでしょうが!!


「それに私だけ余り身体を動かさないから、体力も無くて。」


「「「「アルフェミナは大人しいから仕方ない!」」」」


「ねえたま悪くないもん!」


………はぁ~、全肯定できますか。

そう来ますか。

疲れるな、もう。

精神力ガリガリ削れてそう。

投げ遣りになりそうな気持ちをグッと堪える。

そうしたいなら、そのまま全肯定し続けて貰いましょう!

最後まで責任持ってね!!


「だから、キチンと食事を摂って少しずつ運動も…とりあえず散歩から始めます!」


「無理しなくて良いのに!」


「怪我したらどうするの!?」


みんなして阿鼻叫喚かい!?

心配してくれてるのは判るが!

それは違~う!!

違うでしょ?

ねぇ!!


此処は譲れないよね。

将来の自分の為に!



散々止めようとする声に、僕は結局聞く耳持たない。

不承不承でも受け入れるしかないでしょ?


僕は溺愛され過ぎる公爵家の一人娘。

我が儘にやらせて頂きます!









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