◇12◇◇温室の中のが魔境だった!
随分時間がかかってしまいました(>_<)
すみません。
続きの展開に持っていくのに大きな齟齬が出来て……。
ヘタレな私なりに頑張りますので、温かい目で見守って下さいm(_ _)m
サブタイトルを11話のモノを12話に変更しました。
11話を新しくつけ直しました。
内容詐欺になってしまっていたので(-o-;)
叔父&伯父問題……。
ご指摘頂きました。
親より年上の兄弟は伯父で年下が叔父だそうで……。
すみませんm(_ _)m
昔、父方が伯父で母方が叔父だと親戚に習って……ちゃんと確認してませんでした。
後日纏めて修正します。
◇◇◇◇
温室を出たら、薬草籠を置いた棚の前でエレナが俯いて待っていた。
相当落ち込んでいるみたいで、めちゃくちゃ暗かった。
そりゃ、もうちょい薄暗いトコに佇んでいたら……生きてない何かと勘違いして、思わず悲鳴上げそうな程にね。
声かけるのを躊躇しちゃうけど、ココは仕方ないよね。
無視は出来ないでしょ。
人道的な意味でも。
僕の都合でも、薬草入れた籠がエレナの更に向こうに……有るんだしね。
塀に沿って温室入り口の脇から置かれてる棚の前にいるエレナをスルーなんてしたら、マジ人でなしだよね!
コホンと可愛らしく咳払いをして、エレナに話しかけた。
「エレナ、只今戻りました」
声をかけると、ハッと顔を上げて僕を見た。
ちょっと眼が赤い。
あぁ、やっぱり泣かせちゃったかな。
さっきはかなりの冷たい対応しちゃったし。
罪悪感がひしひし胸に迫ってくるね!
……まぁエレナの身の安全が1番の理由だったんだけどね?
手早くやらなきゃ、アルラウネのお怒りに触れたと思うし。
色々言ってもやっぱりさっきはね、エレナをまんま放った状態で見学優先しちゃったし。
好奇心とか探求心とか向学心とかに、押し込められてた僕の良心がズキッと痛む。
ゴメンね、エレナ。
僕は触れるほど近くに寄って、エレナの着けているエプロンを、クイと甘えるように右手で掴んで引いた。
「~~~っ、お嬢様!」
エレナが感極まってしゃがんで僕を抱きすくめた。
又泣いてる。
涙脆いんだよね、エレナってさ。
僕を囲い込む腕を優しくポンポンと軽く叩く。
海より深く反省ってか?
本当にゴメン、エレナ……でも同じような事が又在ったら……やっぱり僕は同じ選択をするんだろうね。
染み着いた研究者魂ってのは、ホント業が深いよ。
だってねぇ、転生しても、記憶が戻ってない頃からずぅっと、全く薄れてはくれなかったから。
記憶が戻る前、いつも漠然と感じてた違和感に苛つきながら、誰にも相談せずに周りの人間を探ってずっと観察し続けていた。
みんなで何かを隠してたみたいだったから。
ワガママだったけど。
短気な癇癪持ちだったけど。
ソコだけはやたらと地道に根性入っていたんだよね。
誰にも気付かれないように、大人しいふりして人の動向や顔色をコッソリと伺っていたんだ。
その違和感は……確かに気になるけど、今の僕の中では優先順位はちょっと低くなっちゃった。
生活全般、文化レベルの底上げが僕にとっては第一課題なんだもん!
生活が行き届かないと、色々気が散って思考速度がずんずん低下しちゃうんだよね。
ワガママですよ、僕だって!!
自分でもしょーもない奴って…………理解ってるもん。
「……申し訳ありませんでした。私がお嬢様のお邪魔をしてしまうなんて、本当に何とお詫びすれば良いか……」
一頻り泣いたら、エレナは落ち着きを取り戻して僕に頭を下げた。
うぅ~、いたたまれないなぁ……。
僕のが人でなしってだけの話なのに。
「気にしないで。エレナは何時も私を気遣ってくれているだけでしょう?偶々、自分の理解らないモノが在って、それが危険に思えただけだから。私だって専門家のグラムを伴っていなければ、実際危険極まりない行為ですからね?熟練の案内役を頼んでなければ、私も入り口から直ぐに一緒に出ていましたよ?」
僕はニコリとエレナに微笑んで、滔々と噛み砕いて説明する。
エレナは詰めていた息を吐いてグラムに向き直って頭を下げた。
「お嬢様をお守り下さって感謝します。私が至らぬばかりに余計な手間をおかけして、大変申し訳ありませんでした」
「……いえ、此方も受け入れの準備不足は色々と否めません」
「準備不足も心構えの不備も私が薬草園の中の危険性を軽んじていたせいです。貴方達のせいではないでしょう?元をただせば私のワガママですよ?」
時間が足りず準備不足を詫びるグラムにも、僕ははっきり告げる。
グラムの説明不足だって……本来薬草園に立ち入れるのは、専門家だけなんだから必要なかったんだし。
1番責められるべきは素人の癖に状況を甘くみていた僕だ。
それでも好奇心が先走って懲りない僕が1番性悪なんだよ。
「……だからといって、止める積りはありませんが」
あ、エレナがガックリして涙目になった。
グラムも苦笑しながら、薬草籠を全部担いで僕達に振り返った。
「それでは処理室にご案内致します」
◇◇◇◇
薬草園の入り口を出て、まん前に建てられてる館に入った。
この館は、薬草庫に調剤室と、調剤に関する資料室、生薬を保存用に処理する薬草処理室等、後は薬師の待機室なんかの施設だって。
因みに、脇にある物置小屋は薬草園の管理の為に農具や肥料が入っていて、種子や苗は館内の保管所で管理してる。
その『薬師の館』の薬草処理室にグラムは僕達を案内してくれた。
生薬のままでは香辛料として扱うのが面倒なモノが多いからだ。
廊下から室内に入ると一気に漢方薬に近い匂いが充満している。
グラムは薬草籠を作業台の上に下ろして、中身を分類しながら取り出していく。
「お嬢様、こちらは全て保存用に処理なさるのですか?」
「いえ、そのままで使ってみたいモノがありますから、見せて頂けますか?」
そう、作業台って僕の視線より高いんだよ!
僕が見えるのは作業台の天板の裏……仕方ないよ、5歳児の身長だもん。
踏み台とかないかな?
くそぅっ!
エレナが周りを見回して、機材棚の隙間にしまわれていた踏み台を用意してくれた。
僕はエレナに礼を言うと、踏み台に乗り作業台にしがみついた。
それでもようやく台の上 に鼻より上が出ている位で。
早く大きくなりたいよ、と……かなりがっかりしてしまった。
それでも台の上を見る事は何とか出来て、僕は片手で台にしがみつきながら、薬草を1種類づつ指差しながら処理の方法を決めていく。
僕には『鑑定』のスキルがあるからね!
それを使ってどう処理すれば1番効果的に料理に使えるか、見えちゃうから。
場合によっては使い勝手を試すのに、同じ薬草を何種類かに処理法を分けてみたり。
本当は自分で作業したいけどね、身体は小さいから無理なんだよ……。
うぅ……ちょっとサガル~、いや、敗けるな!
カレー作るんだよ!!
よし、テンション戻った!
単純ですが何か?
カレー大好きだもん!
カレー粉完成が目前に迫っているんだから!!
僕が自身の葛藤に気を取られている間に、グラムは作業を進めてくれていたらしい。
見慣れない機材を色々棚から取り出している。
何だろ?
興味津々だね!
僕は全て作業台の上に揃えたグラムに尋ねた。
「グラム、それ等は薬草を処理する道具なのですか?」
「はい、まず薬草の土や埃を洗浄してからこの容器の中に種類別に入れます。容器に種類毎の微調整をして乾燥させるのが、この乾燥用魔道具になります。更にこちらの粉砕用魔道具は、部位毎に分類した薬草を磨り潰して、粉状にするものです」
おぉ!
魔道具!!
キターーーッ、ファンタジー!
魔道具の仕組みってどうなってんだろ?
後で聞いちゃおうかな?
僕にも理解るかな?
機械系は高校の技術系に毛が生えた程度だけど。
簡単な電気配線の修理なら少しだけ。
本格的にはワカンナイんだけど。
それでも何とかなるのかな?
あぁ本当にワクワクしちゃうね!
ふぅ~っ、つい興奮しちゃった。
ご馳走様です。
中々序章的なトコが終わらない……。
そんなに長い話を書くつもりはなかったんですが(T_T)
下書き的なモノでは(プロットと呼ぶのは烏滸がましいです……)まだまだ序盤なんです。
駄文書きに予定通りの量で終わらせるのは難しい事でした。
精進したいですね(((^^;)
不定期亀更新で申し訳ないです。