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データ6 能登空港

「乗り捨てられた車使えないの」


恵は道の真ん中で乗り捨てられたセダンの運転席のドアを開けようとするが鍵がかかっており開けることはできなかった。


「あきらめて空港まで歩くぞ。もうすぐなんだから」


しばらく歩くと空港が見えてくる。


「ようやく到着か・・・」


しかし、空港前の駐車場にはゾンビがうろついていた。


「どうする?空港内まで入るか?」

「・・・せっかく此処まで来たんだから行くわよ」


二人は空港の正面入り口へと向かう。

ゾンビはエンジンのかかったままの車に群がっており、悠斗と恵はすんなりと空港正面入り口へたどり着くことができた。

正面入り口には路線バスが一台扉を開けたまま放置されていた。

悠斗はバスに乗り込むと鍵が刺さっていることを確認する。


「最悪の場合これを使うか・・・」

「いくわよ」


二人は空港に入ると、ゾンビはまったくといっていいほど居なかった。


「おかしいわね・・・空港内部にも居ていいはずなんだけど・・・」


二人は階段を上り2階へと進むとそこには空港職員であったゾンビが数体うろついていた。


「避けて進むわよ。あまり弾も少ないし」


ゾンビを避けながら二人は2階を捜索するが生存者は発見することはできなかった。

二人は3階へと上がり見学者デッキへと進む。


「なんだよこれ・・・」


見学者デッキから滑走路を見ると滑走路にはゾンビがうろついており、小型のセスナ機と旅客機が滑走路上で衝突していた。


「これじゃあ、滑走路は使えそうにないわね」

「見れば分かるよ」

「事務所を見に行くわよ」


二人は3階にある事務所に向かうとゆっくりと扉を開ける。


ガシャッ


事務所の扉を開けるとそこには上下二連式散弾銃を持ち、猟友会のベストを着た男性が悠斗と恵に銃を構えていた。

その後ろには年老いた女性から男子高校生までさまざまな人が机で作ったバリケードの後ろに居た。


「手を上げろ!」


悠斗と恵はおとなしく手を上げる。


「銃も床に置け!」


恵は拳銃を床に置く。

すると、机のバリケードから警察官が出てくる。

警察官は事務所の扉を閉めると、悠斗の体を触り始める。


「な・・・何するんだよ」

「噛まれてないか調べているだけです」

「女性のほうはそこの中学生にやらせろ」


猟友会のベストを着た男性が命令すると、机のバリケードから女子中学生が出てくると恵の体を調べ始める。


「以上ありませんでした」

「こっちもです」


警察官と女子中学生は猟友会のベストを着た男性に報告すると、男性は散弾銃を降ろす。


「手荒なまねをして悪かった。俺は宮内みやうち 三郎さぶろうだ」


三郎は右手を差し出す。


「私は佐藤 恵です。こちらは西村 悠斗」


恵は三郎と握手を交わす。


「さ、バリケードの中へ」


悠斗と恵は机のバリケード内へ入る。

バリケード内にはほかにも男女8人ほど居た。


「佐藤さんは拳銃を持ってらっしゃいますが警察官ですか?」


警察官に恵は質問されてあせる


「そうです。ある事件の犯人を追って輪島市まで規定ました」

「ある事件?」

「この暴動の原因とも言える人物を追っていましたが逃げられてこの様です」

「それは、災難でしたね」


悠斗と恵の前にペットボトルのお茶が置かれる。


「飲んでください」

「いただきます」


悠斗は蓋を開けると一気に500ミリリットル入りのお茶の半分を飲み干す。


「いまはどんな状況なんですか?」

「今はここにいる私たちだけで救助を待っているんだが、一向に来なくてな」


三郎は持っていた散弾銃を床に置く。


「これから正面にある路線バスを使って金沢へと逃げようとみんなで相談していたところだ」

「金沢はまだ暴動は起きてないんですか?」


恵が質問する横で悠斗はペットボトルの中身を飲み干す。


「わからない。だがここら辺一体はこんな状況で警察も機能していない、ここにいるよりは良いと思うんだが」

「それなら早く出発したほうが良いと思います」

「どうしてだ?」

「いつまで金沢も大丈夫か分からないですからね」

「そうと決まればすぐに出発だ」


三郎は立ち上がると散弾銃を持つ。


「問題はバスの運転だ。俺はあんな大型車運転できる自信はない」

「私もです」


三郎が警察官を見ると警察官は首を横に振っていた。


「そう簡単に運転できる人居るわけないか」


そんな中悠斗が手を上げていた。


「一応俺、大型免許持ってます」

「それなら話は早い。すぐ出発だ」

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