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データ3 原因

会社のに戻る途中何台ものパトカーが対向車線を通り過ぎる。


「会社が見えてきたぞ」


悠斗の勤める会社はそこまで大きくない運送会社で働いていた。

悠斗は会社の敷地内にトラックを入れる。


「到着したぞ」

「待って」


悠斗がトラックから降りようとすると女性は悠斗を止めた。


「何だよ、着いたんだから」

「何か様子がおかしいと思わない?」


悠斗は周りを見回すと人影がいないことに気がつく。


「おかしい・・・この時間なら誰か倉庫で荷卸とかをやっててもいいはずなんだが・・・」

「・・・とりあえず事務所でも入ってみましょ」


女性はトラックを降りると拳銃を取り出す。


「そういえば、お互いの自己紹介がまだだったな。俺は西村 悠斗」

「私は佐藤さとう めぐみ


恵は悠斗の顔見ずに答える。

二人は運送会社の事務所に向かう。

事務所に到着すると室内の電気は消えており中の様子は外からではわからなかった。


「誰も居ないのかな?」


悠斗が扉に手をかけると突然扉に血まみれの人が飛びつく。


「うわぁっ!」


悠斗は後ろに下がると恵が拳銃を構えて扉に近づく。


パン


銃弾は扉のガラス部分を貫通して血まみれの人の肩に命中する。


「何してんだよ!」


悠斗は恵の肩を掴むが恵は振り向かずに拳銃を構えたままだった。

扉の向こう側の人影は扉をたたき続けていた。


「こいつ人間かよ・・・」

「言ったはずよ、もう人間ではないと」


恵は引き金を引く。


パン


銃弾は頭に命中すると人影は倒れる。


「さ、入るわよ」


恵が事務所の扉を開けると部屋の中は血まみれで何人もの人が倒れていた。


「うげぇぇぇ」


悠斗はその場で吐いてしまう。


「もうここは駄目ね」

「よくお前は平気だな・・・」

「慣れちゃったのよ」

「こんなの慣れないだろ」

「とにかくここを離れるわよ」

「あぁ・・・」


悠斗と恵は再びトラックに乗り込む。


「あなたの家はどこ?」

「ここから自転車で10分のところのアパートだけど・・・」

「何階?」

「2階だけど・・・」

「それじゃあ、あんたの部屋に行くわよ」

「今から!?」

「もう日が沈み始めてるし、夜に行動するのは危険だわ」

「俺の家でついでに今回のことも詳しく教えてくれよ」


恵は小さく頷く。


ドルゥン


悠斗はトラックのエンジンをかけると自宅へトラックを走らせる。

自宅へ向かう途中町には人っ子一人見かけることはなかった。

悠斗の家は輪島市立大屋小学校近くにある木造の古いアパートだった。

アパートの前にトラックを止めると悠斗は2階に上がると一番角の201号室の鍵を開けて入る。

恵はそれに続いて部屋に入る。

部屋の中は整理されており本棚には少年漫画が多く入っていた。


「意外と片付いてるのね」

「意外って・・・会って間もないだろ」


悠斗はテレビをつけるがいつもと変わらない夕方の全国ニュースが放送されていた。


「このことは放送してないんだな」

「政府が情報公開を規制してるんでしょ」

「政府!?お前・・・一体何者なんだ・・・?」

「私は・・・多分この騒動を引き起こした人物と言ってもいいかもしれない」

「どういうことだ?」

「私はKANAMEという会社で秘密裏にある国からウィルスの開発を依頼されたの」

「KANAMEってあのゲーム会社の?」

「そう。それである上司と開発途中段階のウィルスをさらに別の国が高値で買い取ると私に言ってきたの」

「それで、売ったのか?」

「売ったわ。開発途中なのに一生遊んで暮らせそうな額を提示してくれたわ。それを、これから売りに行く途中で上司の部下に見つかって逃げてる途中に、電柱に車がぶつかってウィルスが漏れ出したってわけ」


しばし静寂が部屋を包む。


「お前のせいじゃねぇか!」


悠斗が怒鳴った。

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