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データ15 協力

左腕が無いゾンビは恵のほうへ向かって走る。


タタタタ


恵が89式小銃を撃つと、左腕の無いゾンビは高機動車の陰に隠れる。


「ちょこまかと!」


バリン


近くの民家からゾンビがドアを破って出てくる。


「西村そいつをお願い!」


悠斗は9ミリ拳銃を構えて民家から出てきたゾンビに向ける。


パン


悠斗が撃った弾丸はゾンビの横の壁に当たる。


パン


再び悠斗が撃った弾丸はゾンビの頭に当たる。

ゾンビは玄関に倒れる。


「やった!」

「喜んでないでこっちを手伝いなさい!」


左腕の無いゾンビは悠斗の方を見ると、サバイバルナイフを投げてくる。


「うわぁあ!」


悠斗は避けようとして空き缶を踏んで転ぶ。


カッ


サバイバルナイフは悠斗たちが乗ってきたトラックのフロント部分に突き刺さる。


タタタタ


恵は左腕の無いゾンビに向けて89式小銃を乱射する。


「うがぁ!!」


左腕の無いゾンビの足と腹部に銃弾が命中する。


「西村!あんたも撃ちなさい!」


悠斗は肩にかけていた9ミリ機関拳銃を苦しそうにしている左腕の無いゾンビに向けて乱射する。


タタタタタ


9ミリ機関拳銃が反動で暴れる。


「うわわわ!」


必死に悠斗は9ミリ機関拳銃を制御しようとするが、銃口はあらぬ方向を向いて、放置車両の後部に命中する。


「どこ撃ってんのよ!」

「無理言うな!」


左腕の無いゾンビは9ミリ機関拳銃が命中した放置車両の上に乗る。


「あいつ、上に上るの好きだな・・・」


恵が放置車両を見ると車両の下から液体が流れ出ていた。


「西村!耳を塞ぎなさい!」


悠斗は恵の言うとおりに耳を塞いだ。


タン


恵は液体の近くの地面を撃つと一瞬火花が飛び散る。

液体は瞬く間に燃えると、車のガソリンタンクに火が燃え移る。

左腕の無いゾンビは何かを察したのか放置車両から飛び降りる。


「もう遅いわよ」


ドォォン


放置車両が爆発して、近くに居た左腕の無いゾンビは吹き飛ばされてトラックに叩きつけられる。

悠斗と恵みは左腕の無いゾンビに銃を向けながら近づくと左腕の無いゾンビの下半身は無くなっていた。


「う・・・あ・・・」


左腕の無いゾンビはトラックに刺さっているサバイバルナイフを抜くと、右腕でゆっくりと、恵に近づく。


「安らかに眠りなさい」


タタン


恵は左腕の無いゾンビの頭部に2発の銃弾を食らわせると、左腕の無いゾンビは動かなくなった。


「やったのか!?」

「やったわ」


恵は近くの放置車両のボンネットに座る。


「死ぬかと思った~」


恵は89式小銃を放置車両に立てかける。


「すごいな!」

「そんな事無いわよ。悠斗が車を撃ってくれてなかったらどうなっていたか分からなかったわ」

「狙って撃ったわけじゃないんだけどな」


パリン


民家の窓ガラスを割ってゾンビが出てくる。


「長居は無用ね」

「でもトラックの前輪パンクさせられてるぞ」

「自衛隊の車を使いましょう」


悠斗が運転席に座ると、助手席に乗った恵から車の鍵を受け取る。


「操作の仕方は普通の車とは変わらないはずだわ」


悠斗は鍵を差し込むとエンジンをかける。


ドルゥン


「おお、かかった」


悠斗はシフトをドライブに入れると車を発進させる。

いつの間にか雪は振って居なかったが、依然として雲が空を覆っていた。


「今何時だ?」


悠斗が恵に聞くと、恵は腕時計を見る。


「10時21分よ」

「今日中にはなんとしてでも検問所に行きたいな」

「そうね・・・」


恵は外を眺める。

車は住宅街に入る。

住宅街には燃え尽きた民家や、電柱に衝突している車が見ることが出来た。


「ひどい有様ね」


車は国道159号線に入ると、放置車両が多く乗り捨てられていた。


「こりゃ酷いな・・・」


悠斗は放置車両を避けながら国道159号線を進む。


グシャッ


道の真ん中で死体を喰らっていたゾンビを踏み潰す。

しばらくすると、津幡バイパス(国道8号線)と合流する。


「後は一直線だ」

「そう・・・ようやく脱出できるのね」


恵は外を眺めたままだった。


「・・・何か気がかりなことでも有るのか?」

「・・・私の家に寄ってくれない?」

「どこなんだよ・・・お前の家は?」

「・・・野々市」

「馬鹿言うな!あんな人口密集地に行くなんてこの状況じゃあ自殺行為もいいとこだ!」

「でも!開発途中のワクチンがあるの!」


キキッ


悠斗は車を止める。


「それは本当か?」

「本当よ。自宅で会社には秘密で製作してたの。それの実験薬があるの」

「どうして先にそれを言わなかった!?」

「これ以上一般人である悠斗を巻き込みたく無かったの」


悠斗は再び車を走らせる。


「協力してやるよ」

「ありがとう!」


恵は悠斗に頭を下げた。

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