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データ11 ゴルフ場

グシャッ


黒のミニバンは地面を這って進んでいたゾンビを踏み潰す。


「この佐藤恵と、もう一人のこの男は誰なんだ?」

「こいつの持っていた免許証だと・・・西村悠斗・・・25歳だな」

「一般人か?」

「多分な、そこらへんに捨てていくか?」

「それは止めよう。この女の事だ、ぺらぺら喋っているだろうよ」


助手席の男は傷口を布で押さえていた。





後部座席では恵と悠斗が目を覚ましていた。


(おいどうするんだよ)

(西村、助手席のやつ落とせる?)


運転席と助手席の男に聞こえないように二人は会話をする。


(一応、できるけど)

(私の合図で一気にやるわよ)


運転席の男が話し声に気がつく。


「おい!後ろの二人起きてるぞ!」


助手席の男がダッシュボードからテイザーガンを取り出す。


「今よ!」


悠斗助手席の男に裸締めをする。

一方恵は手錠のチェーンを首に巻きつけ座席に押さえつける。


「くそっ!」


助手席の男は座席を倒す。

悠斗は突然のことで対応できずに裸締めを外してしまう。

運転席の男は意識を失ってしまいハンドルから手が滑り落ちる。


「ふざけやがって!」


助手席の男性は恵にテイザーガンを撃つ。

2本の電極が恵の体に刺さると同時に電撃が恵の体に放たれる。


「ああぁああぁ!」


恵は後部座席に倒れこむ。


「クソ野郎!」


悠斗は助手席の男に肘打ちを顔面に食らわせる。


「うぎゃああああ!」


助手席の男は顔を抑え悶絶する。

悠斗が前を見ると、横転した高速バスが二車線ある道路を完全に塞いでいた。

悠斗はとっさに車のハンドルを後部座席から掴むと左に切る。


ガシャン


車はガードレールを突き破ると、有料道路沿いのゴルフ場に転落する。






「いててて」


悠斗が目を覚ますと、悠斗以外は全員気絶していた。

悠斗は車から這い出ると、事故の音を聞きつけたのかゾンビが何体も迫ってきていた。

すぐに恵を引きずりだし、車内に落ちていたベレッタM9を取ると、周りを見渡す。

すると、すぐ近くにゴルフカートが放置されていた。


「あれだ!」


悠斗は恵を抱きかかえるとゴルフカートに向かう。

ゴルフカートの助手席に恵を乗せ、悠斗は運転席に座ると、ゴルフカートを発進させる。

ゴルフカートでそのまま公道に出ると、金沢へと向かった。







そのころ、黒のミニバンの運転席では男が目を覚ましていた。


「おい!起きろ!」

「う・・・」


助手席の男も起きるとすでに車はゾンビに囲まれて、割れたガラスからゾンビに腕が車内に伸びていた。


「くるなあああ!」


パンパンパンパン


二人はひたすら車の外のゾンビを撃つが数が減るどころか余計集まってくる。

車の後ろの窓からゾンビが一体入り込んでくる。


「ひぃぃ!」


助手席の男は堪らずに外へ飛び出すと、ゾンビの群れの中へと消えていく。


「くそっ!くそっ!」


開きっぱなしの助手席側のドアからゾンビが乗り込んでくる。

運転席の男は口に拳銃を入れるとすかさず引き金を引いた。


パン


車内に血が飛び散る。





悠斗はなるべくゾンビが少ない道路を選んで走っていたが、辺りが薄暗くなってくる。


「佐藤!起きろ!」


悠斗が呼びかけるが、返答は無い。


ピー


ゴルフカートが停止する。


「電池切れか!?」


いろいろボタンを押してみるが反応しない。


「とにかく安全に一晩過ごせるところは・・・」


悠斗は住宅街のほうを見ると、所々から火の手が上がっていた。


「うーあー」


ゴルフカートの周りにゾンビが集まりだす。

悠斗はすぐに恵を担ぐと田んぼの中を突っ切るようにして歩く。

すると、押水バイパスに一台の大型トラックが乗り捨ててあった。


「この中なら・・・」


悠斗はトラックのキャブに恵を乗せようとしたが、持ち上げられるほどの力は残っていなかった。


「・・・荷台の鍵も開いてれば」


悠斗は後ろに回り込むと荷台のドアを開ける。

中には半分ほどダンボールが山積みになっていたが、人が二人ほど寝られるスペースは十分にあった。

恵を荷台に乗せ、悠斗も乗り込むと扉を閉める。

悠斗は荷台の中をスマートフォンのフラッシュ機能使って調べると、室内灯をつけることが出来た。


「明かりはこれでよし・・・」


ダンボールを何個かあけるとすべて布団一式セットだった。

悠斗は布団を2枚引くと片一方に恵を寝かせると、上に掛け布団を掛ける。


「明日には目覚めてくれよ」


悠斗はスマートフォンのアラームを8時にセットすると布団の中に入り、眠りについた。

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