データ1 すべての始まり
輪島市一本松総合運動公園近くで一台のワンボックスカーが電柱に衝突する。
「おいおい、大丈夫かよ」
「これってヤバイんじゃね?」
事故を目撃した人々が大破したワンボックスカーに近づく。
ワンボックスカーの中には防護服に身を包んだ人が3人ほど意識を失っていた。
「運び出すぞ」
「おーい、誰か手伝ってくれ」
男性の呼びかけで数人の男が集まり防護服に身を包んだ人たちを運び出す。
「何でこいつらこんなの着てるんだよ」
「知らねぇよ」
野次馬が集まりだし携帯電話で写真を撮り始めた。
すると、防護服を着た女性が起き上がる。
「おい、大丈夫か?」
救助に参加した男性が声をかけると女性は血相を変えてワンボックスカーに走る。
その後何かを確認すると一目散にその場から逃げた。
「何だあいつ?」
「お!救急車が来たみたいだ」
遠くから救急車のサイレン音が聞こえる。
救急車が近くに来て止まるとサイレン音も止まる。
「けが人は何人ですか?」
「3人ですが先ほど1人どこかへ行きました」
救助した男性が救助隊員に説明していると、ワンボックスカーから緑色の煙が出てくる、
「なんだあれ?」
「なんだなんだ?」
周りの野次馬は不思議そうに緑色の煙を眺める。
緑色の煙は地面を這うようにワンボックスカーに集まった人々を包み込む。
緑色の煙を吸った人が次々と苦しみだす。
「うがっ・・・」
「苦しい!」
中には吐血するものまでいた。
しばらくすると緑色の煙は風に流されて消えていくとそこには倒れた人々がいた。
「なんだこれは」
少し遅れて現場に到着した警察官が近くの倒れた男性に駆け寄る。
「しっかりしろ」
「う・・・あ・・・」
ガブッ
突然、警察官の首もとに男性が噛み付く。
「うわぁぁぁあ!」
警察官は男性を引き離そうとするが余計に深く噛まれる。
「なんだこの力は!?」
警察官は痛みをこらえながら警棒を引き伸ばすと男性をひたすら警棒で殴るが男性は噛みついたまま離れる気配がない。
「うあ・・・ぎっ・・・」
警察官はそのまま気を失う。
警察官に噛み付いた男性は警察官の喉の肉を食いちぎる。
周りでは倒れた人々がゆっくりと立ち上がる。