天才少年、バトミントン部を救う?
本日最後の投稿です。
下手な文ですがどうか最後までお付き合い願えたらと思います。
探偵部の部室を出て、向かった先は第四体育館。運が良いことに、校舎を出てすぐの所に建っていたのでそのまま歩いて行くことになった。
この場所を待ち合わせに指定したのは依頼主である女性、桜坂 小南。俺たちと同じ二年生だ。
依頼内容は会ってから話すらしい。この部って結構周りに知られてるんだな。
まあ、十二万人もいるんだ。悩みを抱えてる人間なんてそこら中にいるのだろう。
そんなこんなで第四体育館に到着し、その入り口には数人の生徒が立っていた。
こちらを確認すると、ピンク色に染まったポニーテールをした女性がこちらに歩いてきた。
「あ、龍神峯さん。初めまして。私が桜坂 小南です。今日はわざわざ来てくれてありがとうございます。……そちらの男性は……?」
「探偵部の部員よ。烏丸 天理。一応名前だけなら知ってるんじゃないかしら?」
「……あ、上位成績者の……」
「どうも新入部員の烏丸 天理です。本日はどうもよろしくお願いします」
持てる限りの親切心を出して桜坂に挨拶する。初対面の人間の判断は見た目が八割、中身が二割なので最初だけ親切にしとけば後はオールオッケー。……やっぱ見た目は十割だな。中身なんて誰も見ようとしないだろうし。
「あ、こちらこそよろしくお願いします。部屋に案内しますね。ついてきてください」
桜坂とその仲間に連れられて体育館にある一つの部屋に入る。恐らくミーティングなどで使われている部屋なのだろう。
適当な席に腰掛け、本題に入る。
「それでは桜坂さん。貴方の依頼……話してくれるかしら」
「……はい。私たちはバトミントン部に所属してるんです。といっても人数はここにいる六人だけなので小規模な活動しか出来ないんですけど……」
ふーん、バトミントン部ね。バトミントンっていえば結構有名なスポーツだと思うのだが、明らかに人数が少なすぎるな。
この学校にある部活動の数は正直数えたくない程存在する。その中には当然、野球やサッカーにバレーボールなどという人気の部活もあるのだが、生徒数の関係で人気がある部活は複数作る事が出来、時には合同で練習したり、試合をする事もあるのだ。
その中には強い連中が揃っているチームもあれば遊び感覚で集まっているチームもある。まあ簡単に説明すれば人数が多い=強いって感じだ。誰しも強いチームに入りたがるもんだろ。
この事から考えて桜坂が属するバトミントン部は弱い、それか遊びでやっているかのどちらかだろう。
そんな部活に問題が発生するとは思えないんだが。六人全員揃っているのだとしたら部員同士の喧嘩って訳でもなさそうだし。
そして桜坂の暗い表情から考えて余程、辛く悲しい事が起こっていると伺える。五人以上で部活は相続出来るので、廃部という訳でもない。部員達の中に素行不良な奴は見た感じいない。
つまり原因は内側から発生したのではなく、外部から持ち込まれた可能性が高くなる。
「……異変を感じたのは二週間程前からです。バトミントンのハネがなくなる事から始まりました。前日に倉庫にしまっていたので私たちが紛失した訳ではない事はすぐに分かりました。誰かが間違えて捨ててしまったか、意図して隠したのかはこの時点ではまだ分かりませんでした。けど数日後、倉庫にしまってあったネットがバラバラに切られていたのを見て、誰かが私たちを困らせていると確信したんです。部員が少なくただ遊び感覚で活動している私たちにはネットを買う部費すら与えられませんでした」
成る程な。要はイジメ問題か。
「……つまり、お前たちの依頼はバトミントン部に害を与えたクソ野郎をとっ捕まえてくれって事か?」
「……はい。私たちに謝罪をして貰うのと、破損したネットの代金を支払って貰うことが私たちの望みです」
そう答えた桜坂の目は覚悟が決まっている感じだった。それほどこのバトミントン部の事を思っているのだろう。他の部員も似たような感じだ。
すると、今まで黙って話を聞いていた龍神峯が口を開いた。
「イジメ問題には着手金が一万円。報酬金が五万円なのだけれど……もしそれだけの金があるのならその金でネットを買うことも出来るのではないの?」
「……買ってもどうせまた破られるに決まってます。私たちには顧問の先生も頼りになる大人もいません。……探偵部だけが希望なんです。どうか……どうか……犯人を、見つけ、て、ください」
とうとう、桜坂の目から涙が零れだす。この二週間、ずっと耐えてきたのだろう。頼りになる大人もおらず、相談できる大人もいない。生徒数の百分の一にも満たない教師の数は、悩みを抱えてる生徒や、イジメられている生徒に不安を与え続けている。
だからこそ探偵部があるのだろう。一人でも多くの生徒の希望になれるように。
「そう……。貴方に覚悟がある事は分かったわ。その依頼、お受けする事を約束します」
「ありがとう、ござい、ます」
桜坂は嗚咽を出しながら感謝の言葉を述べる。
その言葉を聞いた龍神峯はとても微笑ましい表情で桜坂を見ていた。
さて、依頼を受けた以上は必ず真相を暴かなくてはならない。
現状、まだ分からない事だらけだ。何の目的があってこの様な行動に及んだのか……。まずはそこをハッキリさせないといけない。
現時点の容疑者はこの学校の全ての生徒、そして教師。ここから人数を絞っていかねぇとな。
……やべぇ、何探偵っぽい事言ってんだ俺。
「そうね、それではまず……」
龍神峯が口を開いた瞬間、ポケットから電子音が聞こえてきた。龍神峯は一言断りを入れてから携帯を取り出し、電話に出る。
一分程話していた龍神峯は此方に戻ってくると申し訳無さそうな表情で話をする。
「ごめんなさい。今緊急の依頼が入ってしまったの。申し訳無いけれどもこの依頼は少し待ってくれないかしら?」
「え、あ、そうですよね。探偵部は殺人事件とかも捜査してるんですよね。……分かりました。お忙しい中足を運んでくれてありがとうございました」
そう言った桜坂だが、表情を見れば残念がっている事にはすぐ気付いた。
すると、龍神峯はまだ続きがあるとばかりに口を開く。
「ただ、私は参加する事が出来ないけど……そこの男でも良いのであれば、今すぐにでも依頼を受ける事が出来るわ」
「は?」
こんな下手な文を読んでいただいた読者さまに感謝したいと思います。これからも是非、読んでもらえるととても嬉しいです。