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少年と魔法学園の日常  作者: シュガーホイップ
8/9

入学式の後










エリーナ「私は7:30と言いましたよね!」






翼「はい…」







職員室の一角でエリーナの凄まじい怒声が響きわたること1時間。






その前で正座をさせられている1学年の首位である少年『金守 翼』。






その稀に見る光景に他の先生は苦笑している。






そして、その横で苦笑いをしている女性は、若き天才と言われているA級魔導士の『アリサ・ルーシェ』








エリーナ「この1学年のトップに君臨する貴方がそんなに怠けていては駄目ですよ!


しかも初日に!


もっと学園の生徒としての自覚を持ってください!!!」







翼「この度は私の身勝手な判断により、皆様に多大なるご迷惑とご多忙をおかけしたことにお詫び申し上げます。






…ごめんなさい。」








そう言うと、翼は綺麗に地面に手を添え、額を地面に擦り付けた。







これが最大級の謝罪を示す行為である、いわゆる『土下座』である。








アリサ「翼も反省している様ですし、そろそろ彼の足が限界を……」








翼「そう言いながら限界である足をつっつくのは何故ですか?アリサさん。」








アリサは翼の足をつつき、ぴくぴくした足を喜んで見ている。






エリーナはため息をついて、話を進める。







エリーナ「はぁ、今度からは気をつけてくださいよ。ところでお二人の関係は……」







翼「その前に俺の足を……」








翼は足が限界を越えていることをアピールする。しかし、






アリサ「弟のような感じですかね。いや、弟子?」








翼「無視しないでください……」






その僅かな希望も一瞬にして砕かれた。







エリーナ「そうですか、それでは翼。それからAクラスのHRが始まるので向かってください。」






ようやく正座という拷問から解放された翼は立ち上がろうとする。








しかし、翼は現在足がしびれたままの事に気が付いた。








その時には、時すでに遅し、翼はバランスを崩して倒れてしまった。




ポフッ







気が付くと、やや柔らかい感触が翼の頭に感じられた。









アリサ「なかなか大胆になりましたね翼。

私、まだ異性の人にそんな事された事ないんですよ。」







翼が「え?」と顔を上げると、そこには顔をほんのり赤く染めたアリサの姿があった。






翼は今、アリサを押し倒して、抱きついた状態になっている。






翼「いや……これは…その………



ごめんなさいぃぃ!!!!!」







翼の声は職員室に留まらず、学園中に響き渡った。




ーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーーーーーーーーーーー



ーーーーーーー




翼「はぁ、散々な目にあった。」




翼はエリーナに言われAクラスの教室に向かった。(勿論、エリーナから痛々しい目で見られていたが……)



教室に入ると、そこはフリーデスクと言われ、特に自分の席が決まっている訳でなく、その日の気分で決められるらしい。

また、講演授業の様に無駄に広い場所であった。


翼が入ると、周りがざわつき始めた。まあ、初日から遅刻した挙げ句、呼び出しもあったんだから嫌でも目立つだろうが……



すると、翼の側に少年が近寄ってきた。高そうな服に身を包んでいるので恐らく貴族だろう。



晃「おい」


その少年は低い声をあげ、行け好かない目付きでこちらを睨んでくる。

一番めんどくさいやつだと直感でわかるので、関わりたくないんだが………


翼「はい?」



晃「お前見たいな礼儀も知らない貧乏野郎がよくこの学園に入れたもんだ。

首位になったのもまぐれなんじゃねーのか?」



………散々言ってくれるな!


一発殴ってやろうかとも思ったが、さすがに不味いので口で反論しようとする。



  「何をやっているのですか?」


しかし、そこで聞き覚えのある凛とした声に阻まれる。翼が振り向くと、七辻美香の姿があった。



晃「はっ!何って決まってるじゃねぇか。

そこの不純物を追い出そうと思ってな!

お前、あんな貧乏野郎に負けたんだってな!!七辻家の名も落ちたもんだ。」


そう言い晃は鼻で笑う。美香も怒るんじゃないかと横目で見るが至って冷静だった。



美香「彼は不純物ではなく立派な第一学年の首位です。それに私に無惨に負けた貴方に言われる筋合いもありませんが。新城家もこの先が不安ですね。」



冷静だが一で来たら十で返す正確のようだ。新城という少年は口詰まりながら話した。



晃「ふん!ならこいつと明日の放課後決闘をする!勝ったら俺が首位になってお前らより、上だと証明してやるよ!!」














は?待て待て待て!!なぜそうなる?


俺を巻き込むな!二人でやりゃ良いじゃん!!



新城はそう言うと安い挑発をして、立ち去った。面倒なことになったぞ。


美香は翼の前に立つと頭をさげた。


美香「巻き込んでしまってごめんなさい。でも、貴方は一回自分の強さを見せないとまた、同じ事になりかねないわ。」


あれ?昨日と正確が違う?手のひらでも返したのかな。



翼「いや、こちらこそありがとう。かばってくれて、助かったよ。」



美香「あら?ずいぶん優しいわね?大丈夫?七辻家が怖くなったかしら。」



前言撤回、あくまで建前だけのようだ。



翼「自覚あるお嬢様って最低だよな…」



美香「誉め言葉として受け取っておくわ。」



そう言って美香は窓際の席へ向かった。


翼も一番後ろの席へ向かうと、光がいた。翼が手を振ると、



光「また敵を増やしたね。」



と笑いながら一番気にしている事を言われた。






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