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番外:世界設定その1、或いは隠されたメモ

日々新しい事実を覚えていく「俺」は考えをまとめるために考察を書きとめていくことにした・・・。

※世界設定資料です。基本的に物語に必要な設定はその場で必要なところは説明しますが、主人公が知りえた情報を全て記載するわけにはいかないため、このような形をとりました。

この世界について分かったことを日本語でメモして行こうと思う。

日本語で書くことについては危険度が高いとも思ったが、内容を理解される方が危険だと判断したためこちらを選択した。

また、こちらの世界の言語では「単語」がない可能性が高いため、書きにくいというのもある。

基本的には隠すことにしているし、最悪古代語だとでも言って内容はごまかすしかないだろう。


・言語について

見たこともない文字ではあるが、ロシア語のような雰囲気がある。発音的にはドイツ語が近いような気もする。どちらにしろ地球に、少なくとも一般的に使われていた言語ではないだろう。

古代語と呼ばれる言語には漢字のようなものも見受けられるようだが、サンプルが少なすぎて分からない。

帝国内では「帝国語」と呼ばれる言語によってのみ話されているが、辺境と呼ばれる場所では平民はそうでもないらしい。

また、山の向こうの「蛮国」と呼ばれるところでは多種多様な言語が使われているようだ。


・地理条件について

帝国は巨大な大陸の、山脈より西すべてを擁する。そしてその山脈の向こうには「蛮国」と呼ばれるモンスターや亜人の住む未開の地となっているようだ。

まれに山脈を越えてくるものがいるようだが、それ以外では交流がない。あまりにも険しすぎるのだ。


そして北側には寒冷地、恐らく北極点まで続いている平野が広がっている。

恐らくというのは、まず全く動かない大月が北にある。この時点で大月はこの惑星の軸線上にあると推測される。そしてそこから真下に塔がつながっているというのだ。そう、月とこの惑星はつながっているのである。そして、その塔までは平野が続いているといことで、そこが北極点だと推測しているのだ。

なお、その塔は闇の塔と呼ばれ、モンスターを生みだしていると言われている。

元々帝国とは、その無限に塔から生まれてくるモンスターをせき止めるための砦だったという説もある。

実際北側に湧くモンスターたちの討伐は年中行事であり、そのための互助組合(ギルド)などもあるようだ。


南側には、これから拠点にする予定である島がある。そこは奇妙な文化をもつ人々がいるそうで、祈祷魔法と呼ばれる変わった魔法をつかう。

本来なら邪教として禁じられるはずだったのだが、あまりにも初めから協力的であったため、半ば自治のような扱いになっている。単純に厳格に統治するメリットがなかっただけというのもあるようだが。

今のところ重要な産物も特に無いようで、熱帯らしく木は多く、現地の住民は木をつかったものを器用に作るそうだ。

うまく協力できれば船を造るのは容易かもしれない。これは明るい情報だな。

海産物が特産らしく、現地では独特な料理がでてくるそうだが、鮮度が命だそうで帝都では食べれないそうだ。

あと、変な遺跡が多いことでも有名だそうだ。とはいっても、魔法的には全く価値のないものだそうで、歴史学者や冒険家ぐらいしか興味が無いようなものらしいが。


西側には広大な砂漠があり、その先には自治を許されている都市国家群がある。この砂漠は帝国と敵対した国家があったそうだが、数百年前の当時の皇帝が強大な魔力で国ごと滅ぼした結果だそうだ。魔法は兎も角、そこにそういう国があったことは事実ではあるようだ。


・魔法について

地球との大きな違いの一つ、魔法。どうも精神力とでもいうような力を何かに働きかけることによって結果を得ているようだ。

調べた限りでは、物理法則を完全に無視しているわけではないようで、物理法則に合った使い方のほうが効率よく使えるようではある。この辺りは科学の知識が役に立てればと期待している。

あと属性だが、7つの属性があり、「木」「火」「土」「雷」「水」「光」「闇」がある。

それぞれ働きかける力がことなり、個人によって得意な属性が存在するようだ。

ちなみにリィンは「闇」で現皇帝は「光」、爺は「土」。

なお、「光」と「闇」はエルフの専売特許で、エルフであるか、過去にエルフの血筋がいた場合の隔世遺伝として使えるときがある、ようだ。


・エルフについて

地球との大きな違いの一つその2。性格には亜人と呼ばれる存在で、エルフはその一種であろう。

この一文が理解されてしまうと、絶対に宗教的理由で殺されそうだが、科学的には人類派生種であることは間違いないと思っている。その根拠は単純に人間との子供が作れるということではあるが、体のつくり的にもほぼ違いは無いので生物学的にも間違っては無いだろう。

身体的な一番の特徴は不老であること、だ。

正確には不老に近い。

20歳ぐらいまでは普通に成長する。この成長が止まる速さは個体によるようだが、15歳から25歳程度とされる。女性のほうが若い可能性が高く、男性の方が遅い。

なお、成長はできるだけ遅くまでしたほうが良いとされ、若すぎる見た目の個体は馬鹿にされるようだ。

それは単純に魔法力も比例することが多いから、というのもあるようだ。

次の違いは、見た目的特徴でもある耳。ここが進化なのか退化なのか、変化する理由が生物学的理由が全く分からないが、とにかく変化する。

だが、この耳の形と魔法力はある程度の法則性がある、という研究もある。ただこれは地球で言う「神学」に分類される研究のため、あまり額面通り受け取らない方がいいだろう。

なお、生殖能力は低く、特に女性のエルフはほとんど産めない。このあたりが、圧倒的に上位互換とでもいうような能力であるのにエルフが増えない理由だろうと想像している。

男性の方は目立って低いという話はないようだが、行為ができる期間が長いだけじゃないかと想像もしてみる。

このあたりはなってみないと分からない。「ボク」はエルフの男だし、分かる時が来るのかもしれない。


・ハイ・エルフについて

特にエルフと種族的に違うというわけではないが、特に優れたエルフをハイ・エルフと呼ぶそうだ。ハイ・エルフには詩魔法と呼ばれる専用の特殊魔法を使用することができることが条件ともいわれている。

リィンの詩魔法は「闇」魔法である、恐らく重力操作。小型のブラックホールを任意の場所に作成するという凶悪な魔法だ。あまり「闇」魔法のことは話したがらないので詳細は聞いていないが、一度準備さえできればあとは連射もできるし、目に見える程度の距離ならほぼ全域に展開できるらしい。

また、現皇帝もハイ・エルフであり、当然特殊能力が存在する。

本来はその特殊能力については極秘であることが多いのだが、現皇帝のは強力すぎて有名だ。

その能力は「魔法封じの結界」。

その結界は一度展開すれば、結界内の全てのものの魔法そのものを完全に封じる、という反則さ。そして自分はもともと強力な魔力を普通に使えるというのだから秘密にする必要がないようだ。

そしてかなり一瞬で使えるらしい。そのため後だしでも魔法を封じれるのだ。

どこまでが本当かわからないが、額面通りならこの世界では無敵じゃないだろうか。戦うことになるのであれば、奇襲か、化学兵器の作成を考えた方がいいかもしれない。

そのほかには、9人いる皇子の長男と二男はハイ・エルフであるらしいが、能力は不明。とりあえず「光」魔法で長男は防御系ではあるらしい。二男は全く不明。

リィンと現皇帝の能力を見る限り、その二人と「ボク」個人がまともに戦えると思えない。「ボク」も詩魔法を使える可能性はあるにはある、が勝率は低いように思える。


・詩魔法について

詩魔法と呼ばれる所以は謡うように魔法を使うからと言われているが、実際に声をだして歌っている訳ではないらしい。以前リィンには歌声が聞こえたのだという話をしたら、そんな筈は無い、誰にもそんなこと言われたことがないといわれてしまった。気の性なのだろうか?

あの時は異常事態ではあったので分からないし、さすがにリィンの詩魔法は強力すぎて帝都内で実験するには危険すぎる。そのため今は保留にしておく。


・皇族について

エルフは皇族か、近い血族の貴族しかいないが、皇族だから必ずエルフであるとは限らない。実際「ボク」の兄弟であるうち、少なくとも外見上エルフと分かるのは男だと長男と次男、とんで五男、そして九男である「ボク」の4人である。また、皇族以外にエルフの身体的特徴が現れた場合、必ずその元を報告しなければいけないことになっている。貴族であれば先祖のどこどこに皇族がいたからあるいは、といった話ができるが、平民であればほとんど無理である。その場合はどうするのかというと、言えないということは反逆者の子孫である、として一家もととも殺されるらしい。

そのため、少なくとも表向きはエルフは皇族か、それに近い貴族にしかいないことになっているようだ。

もちろん、それを逃れるために耳を切り落とす、といったことも地方では行われているようだ。


・科学について

この世界では魔導科学、または魔導学と呼ばれている。その名の通り、魔法をうまく導くにはどうしたらよいか、という学問で、科学単体で研究されることはまずないようだ。

それは、平民ですら初歩的な魔法が使える世界で、指先程度の火がついたところでなんなんだというところからだろう。

そのため、魔法でできることに関しては恐ろしく理解がない。できてしまうものはそんなものなのだということらしい。その割にリィンの「闇」魔法は恐ろしいというのだから分からないものだ。


・軍隊について

「帝国」では騎士とは一般的に皇帝の私兵を意味する。少なくとも「帝国騎士」と称することができるのは皇帝の私兵である騎士のみだ。

「帝国軍」は皇帝の私兵ではなく、国の兵であるため行政府を介する必要があるが、「帝国騎士」は私兵であるため即座に命ずることができる。

「帝国騎士」はおよそ1万人で、「帝国軍」は戦時であれば最大200万を号するとのこと。

こう書くと意外と皇帝の戦力は少ないようだが、からくりがある。

「帝国軍」では「帝国騎士」しか将校になれない。そういう「帝国法」が前皇帝のときに成立している。また、軍を維持するための兵站を出す貴族は例外なく「帝国騎士」である。つまり、「帝国軍」は「帝国騎士」なしでは成り立たない。結果的には「帝国法」的に「帝国軍」は皇帝の私兵なのである。

軍の統括権は皇帝自体は持っていないが、生殺与奪権をもつ配下が統括権をもっているのだから同じことだろう。


・帝国法について

「帝国騎士」は皇帝に絶対の忠誠を誓うことが書いてあり、またその内容がこと細かく書いてあるが、意外にも平民にたいしてはあまり規制事項がない。

一つあるとするのであれば、皇帝を神とする宗教、「皇神教」に入ること、のみである。また、この教義のなかでは、教義に反しない限りをもって、他の神を信仰することも許可されている。

こうかくとずいぶんと寛容だが、要は神である皇帝には絶対に逆らってはいけない、皇帝より偉いものは存在しない、という教義であり、結果的には何も自由はないことになっている。

また、皇帝のためになることをする、という教義があるため、「皇神教」の教団が平民に対する事実上の監督者となっている。そしてそこには生活の仕方にまで多種多様な規則が存在し、結果的に国民を縛っている。


・宗教について

「皇神教」以外にも多種多様な宗教、それに伴いいろいろな神が存在するが、それらはすべて実質的に「皇神教」の下部組織、下部存在である。

「皇帝」が自分の祭る神よりも上位であると認なかった宗教は滅ぼされ、認めた宗教のみが残された結果だ。

つまり、「帝国国民」に全てにとって「皇帝」は神である。信心の深さは別として。

また、皇族以外のエルフ判定もこの組織が持つ「異端審問官」が行っている。神である「皇帝」逆らった邪悪なエルフ、「ダークエルフ」として認定された場合、少なくとも「皇神教」の息のかかったところでは生きていくことは不可能で、それはつまり「帝国」国内に居場所は無いことを意味する。



・成人について

二つの成人があり、10歳で行われる魔法的な成人である「小月の儀」、社会的な成人である「大月の儀」の二つだ。

「小月の儀」はそれによって魔法を使えるようになる。正確には生まれたときになされた封印を外すことなのだが、結果的にはそういうことになる。

「大月の儀」は兵隊になれる権利をもらえるという儀式で16歳で行われる。貴族はもっと若いうちから「帝国騎士」になるためただの行事であるが、平民にとってはこれによって独立とみなされるためそれなりに重要な儀式であるようだ。

両方特定の日時に皆でそろって行われ、「小月の儀」は秋の終わりに、「大月の儀」は春先になされる。

国を挙げてのお祭り騒ぎであり、「帝国」で祭りといえばこの二つを指す場合が多い。また、「大月の儀」は「帝国」建国記念日でもあるため、盛大な祭りとなる。




「ふう、今日はこんなところにしておくかな。」

そう言って書いたメモを懐のポケットにしまう。自分の部屋ではあるが、まだ怪しまれている筈なので捜索されても不思議じゃない。ちゃんとごまかす用の、他愛のない帝国語で書いたメモは机に入れてある。ごまかしきれるかどうかは分からないが、言い訳にはなるはずだ。

数年後には探検の旅に出なければいけない。まとめなければいけない情報は山とある。これからも少しずつ書きためていくことにしようと決め、ベットへもぐった。


現時点で本や聞けること、「ボク」が知っていることなどをある程度まとめてみました。定期的にこのような内容を挟もうと考えています。

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