表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【web版】現代忍者は万能ゆえに異世界迷宮を一人でどこまでも深く潜る  作者: 右近衛将監(左兵衛佐)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/31

第9話 戦利品とウォード鍵


 石畳に倒れ伏した革鎧の男は、その肉体が塵と化して消えていく。

 跡には装備品と魔石のみが残されていた。


 人間のような外見に見えたが、消滅する様子は他の魔物とまったく変わらんな。

 実際に、人間ではなく魔物だったのか、あるいは人間が魔物と化すプロセスが存在するのか。


 まあどちらでもいいか。

 それよりも戦利品である。


 彼の持っていた大ぶりの曲刀が転がっている。

 手に取って確かめてみると、特段の業物というわけではないがまともな品質の武器だ。


 刃渡りは60cm強で太刀に近い長さだが、握りは片手用の幅だ。

 目立つ刃こぼれも歪みもない。これまで使っていた剣と比べると、はるかによい品質だな。


 軽く振ると、重心が手元から離れて剣先に寄っており、これは少し不満だ。

 強撃には良いバランスだが、素早い取り回しや太刀筋の変化には不向きだろう。


 まあ、まともな品質の武器が手に入ったのだから贅沢は言うまい。

 曲刀の鞘も近くに転がっており、これまたありがたい。


 これで常時抜き身ソードマンから卒業である。


 丸盾も転がっているが、俺は盾を運用しない。

 一人で戦う以上は、攻撃の手数を何よりも重視したいからな。


 身を守るだけでは戦闘がじり貧になると予想されるのだ。

 盾の品質もまともそうなので地上に持ち帰れば換金性があるかも知れないが、まあ荷物になるので捨て置こう。


 革鎧はなおさら要らんな。

 動きを阻害するし明らかに品質が悪そうだし、臭そう。


 …こうして迷宮内に残された物品はどうなるんだろうか?

 今のところこうした残置品を見かけたことは無いぞ。


 地上に戻ったら、このへんのこともエリカに聞いてみるか。

 人間のような魔物についてもエリカに…、いや本当に人間だったら気まずいからどうしようかな。


 さて、お次の戦利品は宝箱である。


 例によって天面がかまぼこ状の丸みを帯びた長櫃である。

 これまた戦闘終了後に急に現れたのだが、これはもうそういうものとして受け入れていこう。

 

 俺は宝箱の外観から慎重に観察を始める。

 音や臭いも含め、あらゆる点を検討するが罠は見つからない。


 というか、例の第6感が訴えかけて来ないので罠が無いように思えてならない。

 しかし、俺はクラスの恩恵とか言う正体不明のものに命を預けるつもりはないので、その後も1時間程をかけて慎重に検討を行った。


 最終的に、宝箱には単に鍵がかかっているだけだったので、ピッキングツールによる開錠を試みることにする。


 俺は先端が鉤状になった鋼棒を鍵穴に挿し込み、構造を確かめた。

 ふむ、内部にある構造体は押しても動かないので、エール錠のピンのような機能ではなく単なる障害物だな。


 こりゃ、ウォード鍵と呼ばれるクラシックな構造の錠前だ。

 鍵の回転を阻むプレートを回避するだけでよいので、鉤状の針金さえあれば誰でも簡単に開錠することができる。


 第6感がこの錠前の破り方を脳裏に伝えてくるが、そんなアシストが無くても1秒で開けられるぞ、これ。


 …もしこの世界の錠前がすべてウォード鍵だったら、俺はどこでも自由に出入りすることができるな。

 いや別にそんなことはしないけどさ、多分。


 カチリ、と音を立てて開錠された宝箱を俺は念のため後ろに回って開いたが、はたして何の罠も仕掛けられていなかった。

 罠に関する第6感は正しかったということだが、信頼するにはもっとサンプル数が必要である。

 

 宝箱の中を確かめると、銅貨数枚と巻物状の書物が入っている。

 前も思ったけど、長櫃サイズの宝箱の容量を1/10も使ってないよね。

 共通規格なのかな?


 まあいいか、硬貨はそのまま頂戴するとして、そういえば地上における貨幣の価値とか一切確かめてないな。

 どれだけ迷宮に対して気が逸っていたのか、ちょっと反省しよう。


 それで巻物だが、封蝋で閉じられていて中身を覗くことはできない。

 色合いからして封蠟には鉛が含まれているな。

 蝋に捺された印はこの世界の文字かな?


 どうしようか、価値のあるものだとするとこのくらいなら持ち帰ってもいいな。

 よく分からんが開封したら価値が下がるかも知れんし、そもそも誰かの私文書なら失礼になるだろうし、そのまま持ち帰ろう。





★★★★★やブックマークはもちろんのこと謎スタンプもいただけますとモチベーションになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ