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あーかい部! 21話 扉

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立池図女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。



3度の飯より官能小説!池図女学院1年、赤井ひいろ!


趣味はケータイ小説、特筆事項特になし!

同じく1年、青野あさぎ!


面白そうだからなんとなく加入!同じく1年、黄山きはだ!


独り身万歳!自由を謳歌!養護教諭2年生(?)、白久澄河(しろひさすみか)



そんなうら若き乙女の干物4人は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。

池図女学院部室棟、あーかい部部室。




「……ん?」


「どしたん?ひいろちゃん。」


「いや、建て付けが……ふぬっ、」




ひいろときはだは、1枚の扉……いつものドアに部室への侵入を阻まれていた。




「またまたぁ。ひいろちゃん、パントマイムなんていつ覚え




きはだがドアを開けようと試みるが、




「……覚えっ、覚え……!」




それでもドアは開きません。




「な?パントマイムなんて小洒落た真似、ワタシにはできないって。」


「おかしいねぇ……ノブは回るから、やっぱり建て付けだねぇ。」


「白ちゃん呼ぶか?いやでもこんなことに駆り出すのは流石に申し訳ないか……。」


「よし。じゃあ頑張れひいろちゃん、フルパワーだぁ。」


「……きはだがやればいいんじゃないか?」


「いえいえとんでもありやせん、あっしはただ、ひいろちゃんにドアをガッてやらせて、『ひいろちゃんがドア壊したァァアア!!』って大声で罵りたいだけですぜ旦那。」


「きはだの頭で練習していいか?」


「頭ガッてやられたら新たな扉開いちゃう……。」


「……仕方ない。ここで話すか。」


「だねぇ。」




2人は部室前の壁によりかかって雑談を継続することにした。




「……夫婦喧嘩したときって、こんな感じなのかなぁ?」


「夫婦喧嘩って相手を締め出すものなのか?」


「う〜ん、やる人はやるんじゃないかなぁ?ひいろちゃん家は?」


「うちは締め出さないで縛るからな。」


「OH……。」


「2人とも仕事が忙しいから、なかなか喧嘩はしないんだけどな。……きはだの家はどうなんだ?」


「うちは喧嘩してるところ見たことないなぁ……。」


「そうか。よほど仲良しなのか、きはだに見せないようにしてるのかもな。」


「う〜ん、両方かなぁ?」


「え?」


「ちょっとした口喧嘩はよくするんだけど、そういう日は決まって2人の部屋に閉じこもっちゃうんだよねぇ……。朝まで出てこない。」


「えっっっ


「中から暴れてるような音がするんだけど、次の日は仲良しなんだよねぇ。」


「おま、そんなのナニ


「……何してるんだろうねぇ?」




きはだはニヤつきながら疑問を投げ続けた。




「きはだお前……知っててワタシの反応を愉しんで


「まあ半分嘘なんだけど。」


「貴様……!!///」


「あれ?2人ともこんな所で何してるの?」


「ああ、白ちゃん。」

「白ちゃんだ〜。」




2人を見つけた白ちゃんが歩み寄ってきた。




「部室の扉の建て付けが悪くなってるみたいで、中に入れないんだ。」


「うんともすんともだよぉ……。」


「本当に?」


「嘘ついても仕方ないよぉ。」




白ちゃんは扉をジロジロと見つめ、やがて




「……、ちょっと試してみてもいい?」


「いいけ




「ふんっ!!」




同意の返事を終えるよりも早く、白ちゃんが扉に前蹴りを見舞った。扉から大きく鈍い衝撃音が跳ね返ると、




「開いたわよ♪」


「「ええ!?」」


「うんうん、やっぱこういうときは『叩けば治る』!さ、入りましょ?」


「「あ、はい……。」」




白ちゃんとは夫婦喧嘩できないな、と思ったひいろときはだであった……。






あーかい部!(4)




ひいろ:投稿完了だ!


あさぎ:今日行けなくてごめんね


きはだ:反省しないと白ちゃんに蹴られるよ?


あさぎ:え?


白ちゃん:蹴らないわよ

白ちゃん:今日はドアのやつ?


ひいろ:そうだ!


あさぎ:ドア?


きはだ:読まないと白ちゃんに蹴られるよ?


白ちゃん:人のこと罰ゲーム呼ばわりしないの


ひいろ:白ちゃんって格闘技何かやってたの?


白ちゃん:何も


きはだ:うっそだぁ、あれは『慣れてる』やつの蹴りだったよぉ


ひいろ:どっちかっていうと喧嘩?


白ちゃん:そんな物騒なことしません!小さい頃よくクワガタ取りしてただけよ


ひいろ:ああそれで


きはだ:やっぱり白ちゃん田舎育ち?


ひいろ:都会だと慣れるほどできないよな


白ちゃん:忘れろ


あさぎ:白ちゃん先生は田舎育ちだって


白ちゃん:そんなことないわよ


あさぎ:嘘は良くないよすみ姉www


白ちゃん:あ!?モーラあんた……!


きはだ:お隣さん(実妹)降臨www


ひいろ:また一緒にいるのか仲良いな


あさぎ:だいたい田舎育ちなんて隠すことでもないっしょ


白ちゃん:よし、今週末2人で里帰りすっぞ!

白ちゃん:家へのメールは……『白久琥珀(しろひさこはく)生存報告』でいいか


あさぎ:すみませんでしたぁぁぁあああ!!!


ひいろ:そんなに嫌なのか


あさぎ:海の向こうで名前変えるくらいには


きはだ:そこまでかぁ……


あさぎ:っていうかすみ姉!私のこと家には話してないよねえ!?


白ちゃん:話したらまた国外逃亡するんでしょ?


あさぎ:さっすがすみ姉!私のことよくわかってるぅ♪


きはだ:ねえねえモーラさん、白ちゃんって喧嘩強かった?


白ちゃん:おい


あさぎ:喧嘩?


白ちゃん:『叩けば治る』か……?


あさぎ:ワタシ、オネエチャンガケンカシテルトコ、ミタコトナイ。


ひいろ:真相は闇の中、か……

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