第1話 転移事件2
そのようなことを考えていると、教室が騒がしくなった。
天竺さんが登校してきたみたいだ。
すぐにおさまるだろうと思い、我関せずと外を見続けていた。
しかし、教室のざわつきは一向に収まらない。
僕は不審に思い教室をも渡すと、ものすごい異変が起きていた。
教室が光に包まれていたのだ。
体が浮くような感覚とともに、光に包まれた。
目を開けた時には景色は大きく変わってしまっていた。
広い建物内だろう、白い石造りの建物だ。この現象に巻き込まれたのは僕だけではないようだ。正確ではないがクラスの全員が巻き込まれているようだ。やはり、ざわざわと騒がしくなる。中には悲鳴に近い声をあげる者もいた。このままでは、収拾がつかないと思っていると、部屋には大きな声が響き渡った。
「おぉ。よくぞ集まってくれた。勇者たちよぉー」
一斉に声を発した人物へ視線が集まる。声を発した男は豪華なローブに身を包み、立派な白ひげを生やしたイケオジだった。後ろには甲冑に身を包んだ中世風の騎士が数人控えていた。
そして、その中でもひときわ目立っている人物がいた。
彼女は真っ白なローブに金髪の美しい女性だった。