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3. 始まりは・・・

 私の名前は、イリーナ・カルザス。伯爵令嬢だ。


 カルザス家の伯爵位は元々平民だったお父様が武勲を挙げ続けて賜った爵位。


 元々は一代限りの男爵家だったのだが、規格外に強過ぎた父はとうとう将軍になってしまったのだ。


 父はそのままの男爵位で良いと突っぱねていたらしいが、軍のトップの爵位が低いままだと外交上不味いし部下に示しが付かないだろうと言われ続けて渋々伯爵位を賜ったのが我がカルザス家なので、新興貴族ですらないのが実情だ。


 『力こそ正義』みたいなゴリラが真面目に社交なんかするわけがないのだから、当然王宮内のパーティーなんか私は出たことすらない。


 陛下の信頼も分厚い父は何時でも陛下の後ろで警備の指揮を取っていたから、出席していなかったという訳でも無いのだが・・・




 産みの母は私が6歳の頃亡くなり、専ら使用人達の間で育った私は貴族というより平民に近い感覚を養った気がする。


 市場で商人相手に何でも丁々発止と値切る私を、物凄く頼もしいと我が家の使用人達は拍手喝采してくれる。



 まあ、これが貴族とは程遠いことは私も理解はしているが三つ子の魂百までと云う様に中身は今更変えようがないのだから仕方ない。


 貴族街や貴族学園内では猫を満遍なく全身に貼り付けて、扇で顔を隠しやり過ごすのが常である・・・



 そんな我が家の大黒柱だった父が突然2年前に後妻を我が家に迎え入れたのには私も使用人達も吃驚した。



「はじめまして、ジュリーと申します」



 美しい貴族のお手本のようなカーテシーをしてみせた絶世の美女に私も含めその場の使用人全員が玄関ホールで釘付けになったのは、忘れたくても忘れられない思い出だ。




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