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25 夜が怖い男

 国王陛下の案を取り敢えずは精査してから実行するかどうかを考えるという事になり、将軍の執務室から自室に戻るジュリアン。


 今日の仕事は、もう残っていないので帰宅するだけなのだが・・・



「夜が怖いんだよね・・・」



 はぁと溜息をつくジュリアンである。



 ××××××××××



 「お義母様、お帰りなさい」


「ただいま・・・」



 馬から降り馬丁に手綱を渡してドアを潜ると、義娘のイリーナがお出迎えをしてくれる・・・これが



『お帰りなさいアナタ』



 なら死んでも惜しくないジュリアンである。



 ――いや死なんけどな・・・



 まあまだ彼女は15歳でまだ若い。慌てて求婚する必要もないか、と自分を宥める23歳独身男。



 ――成人は18歳だが、彼女は今月末で16歳か。



 16歳ならこの国の法律では結婚も一応可能な年齢だ。



 「煩いな誰だよ・・・?」



 因みにキョロキョロしているジュリアンの今の格好だが、女性近衛騎士の制服である。


 将軍との登城時間と出勤シフトが合わない日は馬のほうが帰りも楽なので、自然とそうなってしまったのだ。


 今日も麗しの近衛騎士姿にポーッと見惚れるイリーナ。



『ああ、俺が男って分かったらがっかりさせるんだろうな・・・』



 トホホと肩を落としながら与えられた部屋へとトボトボと戻っていく。



「お義母様、元気がないわ? どうしたのかしら?」



 玄関ホールから階段を登るジュリーを見上げて首を傾げるイリーナ嬢。



「そうだわ! 今日の夜はハーブティーでもお持ちしようっと!」



 両手をパンッと打ち合わせて、自室へ戻る為に階段を登り、ジュリーの部屋とは真反対に歩いていく。



「ハーブは何にしたらいいかしら。カモミール? ラベンダー? マロウとはちみつとかどうかしら・・・」



 鼻歌を口ずさみながらご機嫌で自室へと、軽い足取りで歩いていく・・・



 この2人、様子がまるで正反対である。



 後ろに控えていたメイドが、肩を竦めたが咎める者は居なかった・・・




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