表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/60

19 トーマス・セイブル  ―未知との遭遇再び―

 平民街の雑貨屋でパパーっと済む買い物ならいざしらず、学校指定のノートは貴族街の紙問屋にしか置いていない。


 残念だがそれが仇となったようだ。


 そこに立っていたのは金髪碧眼の王子様。


 ではなく、王子様もかくやと言わんばかりの美貌のセイブル伯爵家の御令息、イリーナのきっと多分婚約者の筈のトーマスである。


 何故か、学園での取り巻きの上級生のお姉様方を6人ばかり引き連れ、ガラス張りの雑貨店へと入る所のようだ。


 彼女達の中には株の大暴落時の顔ぶれは見当たらないようである・・・



「やあ、イリーナ買い物かい?」


「ええ、トーマス様も。今日はまた一段とお友達が大勢ご一緒のようですわね」



 そう言って、ニッコリとアルカイックスマイルを小さな顔に貼り付け扇で隠すイリーナ嬢。



「そうなんだ。僕にペンダントを選んで欲しいと言うのでね。少々大勢だから時間が掛かりそうだよ」



 嬉しそうにニコニコと笑いながら答えるトーマス。



「もうすぐ卒業式だろう? 交換用のロケットペンダントを選ぶんだよ」




 卒業式に友人同士や在学中の婚約者同士がお互いに学生時代の思い出としてロケットペンダントを贈り合うのが流行っているらしい。


 お互いの写真や一緒に写した写真を入れて学生時代の思い出として交換し合うのだ。


 しかし・・・トーマスはこんなに大勢の友人達、しかも異性と交換するのだろうか・・・?


 『唯一無二の親友や仲間、恋人同士、婚約者』と交換するのでは無かっただろうか? とイリーナは小首を傾げる。



 流行りの最先端なので詳しいことは知らないからなぁ・・・まさか、全員がトーマスと交換するつもりじゃ無いよね?!



 ちょっとだけイリーナは遠い目になった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ