父登場
ここは、とある中世の町を舞台にした大きなテーマパークである。ここのエリアの一角に俺が所有してる土地がある。その土地は、テーマパーク側がそこら一帯を買う64年以上前から所有しており、広さは、そこらの一軒家程度しかないが、プレハブの小屋を建ててある。
テーマパークからの依頼は、その土地に建つ建物に度々忍び込んでいる不届き者を討伐してくれ。というものだった。それなりに大きな額の依頼金を貰い、丁度、修学旅行でその遊園地に行く予定があったので、よろこんで返事をした。
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修学旅行2日目、某巨大遊園地に来た。
友達と、入口出て右前にあったあわあわコーナーに行く。17時まで自由行動だ。壁に大きく描かれている泡のキャラクターがゆるキャラみたいなクリクリおめめで可愛い。テキトーな所で切り上げて、任務場所に行く。
任務の建物に入ると窓から入る太陽光だけで、薄暗い。明かりをつけたいが、電気が通ってない。足元を見ながら進むと、三体のテーマパークに似合うデザインの着ぐるみがいた。部屋の中心を囲むようにして蹲っている。腕が忙しなく動いている。床に魔法陣を書いているようだ。一見しただけじゃ何の魔法陣かは分からないが、起動される魔法陣の方向性は検討がつく。完成する前に止めよう。あまり、楽観視出来る類の魔法ではなさそうだ。話しかけようと近づいたら、床がギイイイと鳴った。古い建物だし、仕方ない。
「ピョン?」「邪魔者はっけんピョン!」「ぴょん!」
着ぐるみ(兎型) が おそいかかってきた!
ブオンッ!かわす
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そうこうしているうちに集合時間が迫ってきた。急がなくては。俺の体力も限界に近い。残り30分で倒す。
ずっと敵の攻撃をかわしているとケツの辺りに家庭用ビニールプールのバルブの様な物が付いているのが見えた。このタイプは抜くのに少し力が要る。その為、敵の動きを誘導し、遠心力を利用して勢いよく引き抜いた。
空気が勢いよく出てきた。……と思ったが、薄らと色が付いている。紫色だ。空気だと思っていた物は魔力をガス状にしたものだった。魔導回路が着ぐるみの内側に書いてあったのだろう。着ぐるみが一つの魔道具として成り立っていたのだ。
着ぐるみ共の持久力に疑問があったが、そういう事なら理解出来る。
すると追加でおかわりがきた。さっきと同じ兎型の着ぐるみが四体と、その主人と言うべき風貌の男だ。簡単な倒し方が分かったので、先手必勝で、四体は背後にまわりバルブを抜いた。
残りの男は恐らく着ぐるみ使いなのだろう。本人は戦闘力が無いのか、転移魔法で、逃げ出そうとしていた。魔法は、空気中の魔力で起動・実行できる。転移魔法は、魔法の中でも取り分け魔力消費量が多い。つまり、空気中の魔力をなくせば発動出来なくなる。
男は倒した。何か言っていた気がするが、よく聞き取れなかった。集合時間まで時間がない。建物を出、集合場所に行くとクラスごとに並んでいた。
近くのいけ好かない男に入場時に受け取った中世風 の服を手渡す。お礼を言い、自分のクラスの列に並ぶ。いつもは席が空いてないが、今日は開けてくれた。何故だろうか。不思議に思って聞いてみると、俺が感謝のお礼を言っているのを聞いたのが初めてらしい。何を言うんだろう。お礼を言うのは常識だろうに。
そうこう思案していると、1組(最後尾組)の一角がザワザワしているのに気がついた。耳をすませて聞いてみると、不良が出たらしい。
━━━━━━1人の男の子が髪を白く染めていた。校則違反である。教師として潜入している父が出てきた。頼れる男である。父は諭すために髪と顔を白くした。どうして染めたのか聞くと同クラの男に虐められたと言う。列の後ろの方にいる男を見ると使い魔の鮫が言ってる。氷の魔法の応用で白く染めたらしい。父は鮫に罰を与える事にした。
鮫を父が何回も氷の魔法で固め、邪魔なつららなどを火の魔法で整えた➙父曰く美味しくなるらしい。悪い事をしたとはいえ、他人の使い魔を食んでもいいのだろうか。
波に鮫がさらわれた。父が飛び込もうとしてる。流れ着いたと思ったらシュモクザメの死骸だった。無視する。海の中を見たら鮫の群れがぐるぐる回っていた。その真ん中を固めたサメが浮遊してる。父曰く、シュモクザメ達の魔法のようだ。獲物の周りを泳ぐ事で領域を展開し、獲物が逃げ出すのを防ぎつつ、獲物を狙う敵からの優位領域を作ったのだ。
駄目だ。危険すぎる。諦めて、城壁の真下(地下)に住む魔女に調理済みの鮫を安全に取る魔法を教えて貰おう。