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ジャンク屋ちゃん! ~Scavenger Girls!~  作者: 山田擦過傷
1話:壊れた世界を直す旅
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閑話5.「イ」型なくして繁栄なし

 


 しなやかな筋肉は炭素繊維(カーボンファイバー)


 流れる血潮は電解液。


 頑丈な骨は重金属(ヘヴィーメタル)


 人工皮膚は私のそれよりも肌ツヤが良い。


 見た目はきれいなお人形さんのような「イ型」土壌改善型新人類ハイパーアキュムレーターである緯兎(いー)ちゃん。彼女はざっくり言えばロボットである。


「語源から言えば私たちもロボットだけどね」

 おーちゃんが言うにはフィクションに登場する、人間に奉仕労働するために製作された人工生命体が、ロボットだったそうだ。


 なるほど、それなら確かに私と彼女にあまり違いはない。

 強いて言えば――。



 眠らない。

往子(おうこ)、眠いですか? (あらが)えませんか?」

「脳がね……データの整理をしたがってるの……抗うことは……処理の先送り……」


 二日も徹夜(てつや)した大仕事が終わって、シャワーも浴びずにベッドに倒れ込んだおーちゃんの傍にしゃがみ込んで、いーちゃんは睡眠の重要性について質問攻めにしている。


「――なるほど、大事な機能なのですね。お休みなさい、往子」

「おやすみ……いーちゃ……」



 トイレも不要。

(あや)はどうして排泄(はいせつ)を我慢したのでしょうか? どういった感覚なのですか?」

「今じゃない、今じゃないよ、いーちゃん」


 その質問は私がトイレに(こも)っている時に扉をこじ開けてすることじゃないと滔々(とうとう)と説くことになり、彼女は一言「了解しました」と言った。



 月のものも来ない。

「私は女性型のイ型ハイパーアキュムレーターです。生理の苦しみはどのようなものですか?」

「こんなシステムを搭載した設計者を(くび)り殺したくなるゥ……」

 

 椅子の上でうつらうつらとしながら慧摺(えー)ちゃんは答える。


「神殺し、ということでしょうか。慧摺(えすり)の頭脳であればいずれできるでしょう。何かお手伝いできることは?」

「ひとりにしてくれ……」

「了解しました」



 食べない。

「食事と言うは、どのくらい幸せですか?」

()()()だ」

 脂のしたたる大きな肉にかぶりつく宇々(うー)ちゃんは即答した。


 会話になっていない、と思う。だけど、うーちゃんの物言いがあまりにも堂々としているものだから、いーちゃんはしばらく黙り込んで。


宇々(うう)が言うなら、そうなのでしょう」

 と、何か理解したようだった。



 私たちといーちゃんとの違いは……多いかもしれないが、それでも大切な友達であることは揺るがない。



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