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ジャンク屋ちゃん! ~Scavenger Girls!~  作者: 山田擦過傷
1.
1/24

#0.プロローグ



 空が青い。

 空が広い。

 さえぎる建物がないからだ。


 いつものように朝礼をする広場に、いつものように皆で集まっている。

「――えぇ、本日も旧ヒライデ地区にて作業です。えぇ、状態の悪い工場が多く危険が伴います。えぇ、今日もね、十分にね、安全を確保しながら――」


 状態の悪い工場、か。状態が良い工場というものには、お会いできた記憶がない。視界を巡らせて景色を見る。

 ボルトやら割れたガラスやらがカーペットのように散乱している広い空き地に、プレハブを積み上げてつくったキャンプ。同じ敷地には倒壊した建物。残っていた廃品ジャンクから、ずうっと昔は病院だったんじゃないかと、往子おーちゃんが言っていた。


 そして遠くには、これまた倒壊した建物の群れがぼんやりと見える。中に入ればH鋼はところどころ歪み、崩れたコンクリートの壁からミミズみたいに鉄筋が出ているだろう。場所によっては有害なガスか何かが出ているかもしれない。


 これからそこへ行って仕事をすると思うと、何だか冒険に出るようでワクワクしてくる。ラジオから流れるガビガビの音楽に合わせて体操しながら、早く朝礼が終わらないかと、そう思った。


「えぇ、じゃ、斫理はつり副隊長、よろしく」

 それはそれとして、隊長のかすれただみ声もずいぶん聞き取りやすくなった……。私が慣れてきただけかもしれない。最初に話したときは、全然まったく何を話しているのか分からなかった。


「はい、ありがとうございました。他に何か連絡のある方はいますか? ――無いようですのでこれで朝礼を終わります。では、構えてください」


 副隊長である斫理はつりさんの掛け声に合わせて、空き地に集まる30人ほどの土壌改善型新人類ハイパーアキュムレーターたちが、右こぶしを耳の横あたりへ持ってくる。


 もちろん私も。

「ご安全に」

「ご安全に!」

 斫理さんが拳を上げて掛け声を出し、それに合わせて皆も声を出す。空き地の乾いた空気に皆の声が溶けていき、各々が準備に取り掛かる。



 鏡を見ながら伸びてきたピンク色の髪を適当にまとめ、ヘルメットの中にしまい込む。


「今日もがんばろうね。あーちゃん」

 きれいな黒い長髪をポニーテールに纏めながら、一緒に行くおーちゃんが話しかけてきた。


「うん!よろしくね!」

 今日もがんばろう。

 よし。



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