8話
マヤside
コンコン
「は〜い。いいよ~。」
誰だろぉ?
ルーンさんかなぁ? ハクとかは違うだろうし。
「はじめまして。クリス、といいます。よろしくおねがいします。」
綺麗な子、だなぁ......。
髪や瞳の色は珍しくもないのに。目が離せない。
「....あの、.....どうされました?」
あっ見惚れてたぁ。答えなきゃ。
「ごめんねぇ、見惚れてたんだぁ。」
そう言ったらぁ、キョトンとして「見惚れ....?」ってぇ。無自覚なんだなぁ。顔の良さにぃ。
「ボクはぁ、マヤだよぉ。これでも男だからねぇ? よろしく〜。」
「あ、はい。マヤ、君?」
「ん〜。君付けとぉ、敬語はいらないよぉ。」
何でだろぉ? 仲良くなりたい、なんて他の子には思わないのに。この子だからかな〜。
「わかった。じゃあ、また。」
「うん。またね~。」
◆◆◆◆
ロイside
コンコン
誰だ? ルーンさんか、ルージュさんか。
ガチャ
ドアを開けたら、目の前にいたのは知らない子ども。.....綺麗な顔してんな。誰だよ。
「...誰。」
「はじめまして。クリス、といいます。」
作った笑顔で答えて来た。綺麗な顔してんのに、気持ち悪い笑顔で台無し。コイツも訳アリだよな。ここに来てんだし。
「ああ。」
それで?
「よろしくおねがいします。」
「ロイだ。よろしくするつもりはねぇ。」
そう言えば、シュンとしたように
「.....そう、ですか。残念です。」
って言うから、罪悪感がすげぇ。
.....気持ち悪い笑顔を剥がすためになら、相手してやってもいいかもな。
◆◆◆◆
リツside
コンコン
.....誰、だろ。
ガチャ
....知らない子、だ。綺麗な子。
「.....誰....?」
「はじめまして。」
ん、ずっと聞いていたい声。
「クリスです。よろしくおねがいします。」
「......リツ。...よろしく。」
....なんか、仲良くなりたい、かも。不思議.....
「敬語、いらない。」
あ、言っちゃった.....?....言っちゃった、な。
◆◆◆◆
エンside
コンコン
誰だろ。....ま、ルーンさんか。他の奴らが来るとは思えんし。
「いいよ、入って。」
「はじめまして。クリスです。よろしくおねがいします。」
「あ、ああ、エンです。よろしく....。」
綺麗な子やんなぁ。吃っちゃった。
「エン君?」
「君付けもいらんし、敬語もいらんよ。」
「わかった。じゃあ。」
「おやすみ〜。」
俺で最後だろうし。
「うん。おやすみ!」
......あの顔は反則だって.....。