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5話

僕は家から追い出された後、セバスと洗礼を受けられる場所へ向かっている。

本来は、7歳の誕生日に洗礼を受け、その後から魔法を習うのだが、僕の場合は誕生日に熱を出した上に熱が冷めてからは死んだ事になっていたので、洗礼を受けられていないのだ。その為、お世話になる場所へ行く前に、洗礼を受けに行く。


「着きました。ここですよ。」


あったのは、言われて見れば教会に見えなくもない建物だ。


「ここは昔、教会として使われていた場所なので、洗礼を受ける事ができるのですよ。」


セバスが中に入りながら言う。


「でも、神官がいない様ですが?」


聞いた話だと、神官が神に祝詞を捧げて、使える魔法がわかるはずだ。それも、わかるのは洗礼を受けに来た者ではなく、神官だ。


「ああ、面倒な方法ですが、神官が居なくとも洗礼を受ける事は出来るのですよ。時間もかかるので、私達のような訳アリしかやりませんが。」


「そうですか。よっと。じゃあ、僕は何をすればいいですか?」


中に苦戦しながら入り、僕はセバスに聞く。


「リオル様は、そこに立って下さい。」


セバスに指された、部屋の真ん中辺りに立つ。

すると、セバスは僕の周りに一定の間隔を開け、6つの魔石を置いて行く。


「では、ここへ来る時にお教えした言葉を。」


「わかりました。」


僕は、ゆっくりと言葉を紡いでいく。


『魔石に宿る、火の精霊 水の精霊 風の精霊 地の精霊 光の精霊 闇の精霊』


それぞれの魔石が順々に光っていく。


『偉大なる神々に仕える慈悲深き存在。』


全ての魔石が光を灯し、幻想的な光景を醸し出す。


『我は教えを乞う。矮小なる我が身の為、·····』



そうして、10分程そのような言葉を言い続け、終わりが来た。


『······我は願う。その魔石に光を宿される事を。』


言い終えた直後、2つの魔石が強い光を放った。そして、それと同時に強い倦怠感が襲って来た。


「····っ···!」


「おっと。大丈夫ですか? リオル様。」


僕はふるふると首を横に振る。


「まあ、初めての魔力切れですから、仕方ないです。」


魔力切れ。そのままで、魔力が切れる事やその状態を意味する。それ以上魔法等を使おうとすると、生命力を削り、命に関わる。


何で·····?


「この洗礼は、言葉で適性を、言葉の後で魔力量を測ります。その為、魔力切れに陥ります。リオル様は、2属性、それも光と闇に適性がある様ですね。」


普通は、1人が持つのは1属性だ。そして、光と闇は珍しい。

100人に1人いるかいないかの2属性だった上に、それが光と闇だというのは、珍しいだけでは済まない。それを知られたら、様々な人が取り込みに来る。


「リオル様、魔力回復薬、飲めますか?」


「···飲め、ます。」 


「そうですか。では、これを。魔力量の確認はその後でにしましょう。」



「ふぅ、大分回復したみたいです。」


「その様ですね。それでは、魔力量の確認を。」


「はい。···そういえば、この魔石って結構大きいですが、どうやって手に入れたのですか?····父様や母様ではないでしょう?」


「ああ、それは私が魔物を狩って手に入れました。」


魔石は、魔物の体内から造られる事が多い(例外もある)。だが、魔石の大きさは持っている魔物の強さに比例する。つまり、これだけ大きな魔石を一週間で手に入れられるセバスは、


「強いんですね。」


「·····それ程でもありませんよ。」


···? 何で、そんな顔を····


「おや、リオル様の魔力量ですが、どちらも完全に満ちています。·····とても多い様ですね。」


「え····。」


「ご安心を。私は誰にも言いませんので。はい。これを被っていて下さい。それからこれも。」


「これは····?」


「髪色を変える魔道具です。リオル様の髪色は珍しいので。

それと名前ですが、これからはクリスと名乗ってください。☆


「わかりました。···次は、お世話になる場所へ?」


「ええ。それでは行きましょう。早く行かないと日が暮れてしまいます。」


「うん。」












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