過去
いたい、いたいよ。
なんで、こんなことするの?
なんで、なんで、なんで、なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで?
ぼくが、わるいの? ぼくが、いなければ、よかった? ぼくが、······
◆◆◆◆
ねぇ、ここはどこ? おかあさんは? おとうさんは? ······すてた? ぼくを?
そっか。ぼくが、いらない子、だから·····。
◆◆◆◆
ねぇ、これができれば、ぼくはいらない子じゃなくなる?
じゃあ、がんばるよ。
痛い、痛い、けど、これが出来れば、ぼくはいらない子じゃ無くなるから。
◆◆◆◆
御主人様、御主人様、御主人様。
御主人様は、僕を必要としてくれた方。
だから、頑張らなきゃ。お掃除も、お洗濯も、お給仕も、ご奉仕だって。
·····また、捨てられないように。
御主人様、捨てないで下さい。僕、もっと頑張るので、捨てないで、ください·······。
◆◆◆◆
ああ、貴方が新しい御主人様ですね。精一杯頑張らせて頂きます。
貴方様が望むのであれば、·····全て····。
ああ、貴方様も私を捨てられるのですね。
問題ありません。貴方様が望んでいるのですから。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「····ぁ、······夢、だ。」
····あれは、何? 現実の様だった。痛みも、苦しみも、あった。けど、あんな物、あんな世界、聞いた事もない。
「ふぅ·······。」
そういえば、熱は? 体のだるさはないけど。
コンコン
「入っていいですよ。」
「····リオル様。熱は、·····下がられた様ですね。良かったです。」
「うん。それで、何でしょう?」
セバスがここに来たのは、理由があるはずだし。
「ああ、その、····」
歯切れが悪いな。
そういえば、リーン様が懐妊していたな。もしかして、
「リーン様が、弟君をお産みになられたました。」
そんな、じゃあ、僕は、
「それと、旦那様がリオル様に部屋へ来るように、と。」
「·····わかった。すぐ行く。待ってて。」
「かしこまりました。」
大丈夫。わかっていた事だ。捨てられる事なんて。