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祝 新年 特別小話 ローズの決意

 


     明けましておめでとうごさいます。


 新年!めでたい!!と言う事で本編とは関係ありませんが小話をアップしまーす♪♪


 この後、12時より第二章の学園編を掲載していきます。


 この章を最後にローズは成人を迎え、色々な伏線を回収していく予定です。


 長い序章でしたが(笑)この章の後、話が大きく動いて行く(?)と思いますので、今年も宜しくお願いします。


 11歳の誕生日を迎えるよりも一日前……


 11歳の誕生日を明日に控えているローズは、強い決意を胸にベッドに潜り込んだ。


 明日こそは、この強い思いを皆に伝えて認めさせるのだと……


 固く誓う思いを胸に、強く拳を握りしめたローズは、そのまま瞳を閉じた。



***



「おはようローズちゃん!!今日は、お誕生日なんだから朝食を頂いた後できちんとおめかししましょうね!!」


 そう言いながらローズを起こすのは、朝から色気全開のエリオットだ。


 昨晩は一緒に眠ったエリオットは、寝る時は女性の服だと寝づらいらしくシンプルな男性物のシャツとズボンを履いて眠っている。

 おきぬけのエリオットは、普段の姿とは違い完全に男性なので見慣れないローズは毎回エリオットのイケメンっぷりに驚き、うるさくて鳴り出す心臓を押さえながら起きるのだった。

 それは11歳になった今日も変わらずで朝からエリオットに悩殺されながら起こされるのだ……


 反対側の横で一緒に眠っていたルイは、もう既にベッドには居なく、自分の準備を全て済ませてローズの側で控えている。流石である……

 幼い頃から共に過ごしているルイには、ローズの動揺などは手に取る様に分かってしまうので、未だに慣れずに今日もエリオットにドギマギしているローズの事を呆れ顔で眺めている。


 そんなルイの雰囲気を素早く察知したローズはルイの憐れみの顔を見つけると、何だか釈然としないようでムッとした顔をするのだが、それがまたルイを喜ばせる事になりニヤついた顔をされるので

(未だに慣れなくて、ドーモ スミマセンネ!!自分だって私以外の女性に免疫なんてないクセに!!逆の立場になってみろ!!逆の立場に!!!)


 心の中でそんな悪態を吐きながらも、ようやく起き出したローズは、エリオットに連れられて朝の支度を終わらせるのだった。


 ローズの支度が終わると次はエリオットが支度をする為に一度、自室へと戻って行く。

 なので、ローズはエリオットの支度か終わるまで部屋のソファに腰掛けルイに淹れて貰ったジュースを飲みながら、準備ができるのを待つ。

 準備が出来次第、エリオットのエスコートで朝食へと向かいだすのだった。



…………




「おはようローズ、今日はローズの誕生日だね。また一つ大人になって可愛いさが増したんじゃないのか!!これ以上、私を魅了してどうするつもりなんだい!?」


 クロードはローズが現れた瞬間、座っていた席から颯爽と立ち上がるとローズを迎える為に側まで近づきエリオットからローズの手を受け取った。

 そのまま愛おしそうに目を細めるとローズの小さな手の甲にそっとキスを落としながら朝の挨拶を交わすのだった。


 朝から垂れ流し状態のクロードの妖艶な仕草にローズは頬を染めながら「おはようございます」と返しつつも

(自分の娘に対して、朝からそんなに色気をダダ漏れさせて一体何がしたいんだよ!!!)と心の中で悪態を吐いている。


 そのままクロードにエスコートされて席に着いたローズに今度はジュリアスが近づき、

「おはようございます、今日、11歳のお誕生日を迎えられ、また一段と美しくなられたのではないですか!?」

と耳元で囁きながら甲斐甲斐しく世話をやき始めた。


 ローズは、ジュリアスお前もか……何故、皆んなして色気全開で自分の娘である少女に語りかけるんだと、釈然としない思いを抱きつつ皆を待って朝食を食べ始める。


 今日は、ローズの誕生日と言う事もあり皆が休みをとった為、今も一緒に食事を摂っているところだ。

 ある程度、皆が食事を終えた頃 ローズは意を決した様に拳をギュッと握りしめ話し出した。


「お父様方、私は今日で11歳になります。あと数年もすれば成人を迎え大人の仲間入りです。こちらで保護されてから今日まで大変良くして頂いて大切に育ててもらいとても感謝しております。

……ですが……今日ここで私は宣言致します。

 お父様方と一緒に寝るのは今日で最後にしようと思います!!」


 ローズのその言葉を聞いた瞬間、クロードは手に持っていたグラスを思わず落としてしまう……


 ガシャンと言う音に驚いたローズは、クロードの方へ視線を向けるのだが、周りに居る皆もローズの思いもよらぬ発言に驚きのあまり彫刻のように固まってしまっている。


 そして真っ先に我に帰ったエリオットがローズの宣言を消化しきれずに駄々を捏ねだすのだった。


「どうして、ローズちゃん!!私……ローズちゃんと一緒に眠る事だけを楽しみに生きてるのに……私の人生で唯一の楽しみを奪うなんて……」


 そんな事を言いながらウルウルと瞳に涙を滲ませて大袈裟に机に俯した……嘘泣きもいいところである……

(いや……大袈裟……!!私の知らないところで色んな女性を取っ替え引っ替えしてるの知ってるんですからね!!公爵家には、連れて来なくなったけどお母様は懲りていないってジュリアスが愚痴をこぼしているんですから……私なんかより充分楽しんでいらっしゃると思われますよ……)


 そんな事を思いながらエリオットが机に俯しているのを少し離れた席に座り冷めた顔で眺めている。



「ローズ…俺も寂しいぞ!!ローズと一緒に眠るだけで1日の疲れも吹っ飛ぶと言うのに……」


 アルベルトも寂しそうに捨てられた子犬の様な瞳でローズを見つめながら訴えると


「あーそれは分かる!!ローズの少し高めの体温を感じながら寝ると、凄く癒されるよ!!俺ももうローズの身体無しじゃ生きられないかも…ははっ!!」


 アルベルトの言葉にギルバートが同意した。


「…………」

(いや…ははっ!!じゃないよ!!笑い事じゃないから!!言い方が卑猥!!!まだ成人にも満たない少女に向かって言っていい発言ではないぞ!!他の人に聞かれたら誤解を受けるような発言は控えて頂きたい!!)


「ローズ様…私も反対です。最近はもう安定してきているとは言え、いきなり一人で寝かせるのは不安でしかありません!!」


「あははは……ジュリアス父様達のおかげでもう大丈夫ですよ……」


「なりません!!」


「…………」

(ジュリアス……そんな尤もらしい事言ってるけど、一番動機が不純なの分かっていますからね!!毎晩、毎晩、寝る前も起きた後も私の事を撫で回して……私はもう一人で起きてゆっくり気持ちのいい朝を堪能したいんですよ!!寝起きから色気ダダ漏れで捏ねくり回されて変な汗は掻きたくないんですよ!!)


 そんな事を力強く思っている横で、この世の終わりの様な顔をしたクロードが頭を振りながらブツブツと呟いている……


「ローズ…嫌だ!!そんな…突然……私の人生の楽しみなのに……」


「そんな……大袈裟な……もっと楽しい事も沢山あるじゃないですか……」


「そんなものは無い!!!!!」


(ぉおう…….大袈裟……そんな…少女の添い寝よりもきちんとした他の楽しみを見つけてくださいよ…….)


 ローズのした発言により、朝の爽やかな朝食の場がカオスと化してしまい、収拾がつかなくなってしまった為ローズが頭を抱え出した時、突然、部屋の扉が開いた。


「じゃあ、ローズちゃんが次に一緒に寝る相手は未来の旦那様かなぁ!?」


「「「「「「なっ!!!」」」」」」


 何処からか、突然 現れたノアの一言で、その場が一瞬にして凍り付いた……


「ふざけんなお前!!そんなの俺が許すわけねぇだろ!!いい加減な事言うんじゃねぇよ!!!」


 衝撃のノアの一言にいつもの自分を取り繕え無くなっているジュリアスがノアを締め殺さんばかりに鼻息荒く詰め寄るが……


「でも、ローズちゃんが13歳の年には、学校に通い出すだろ!!その前に婚約者の一人でも連れていないと大変な事になるんじゃないの〜??なんなら俺が……」


 ノアは尚も楽しそうにニヤつきながらジュリアスを揶揄う


「お前…殺すぞ!!ギルバート様、始末してきていいですか!?」


 ローズを使って揶揄われたジュリアスは完全にキレた様で首を鳴らしながらギルバートに許可を取る。


「仕方ないなぁ……バレないようにしてよ!!」


「ちょっと!!ギルバート様まで!!!」


 目が全く笑っていないギルバートから許可が降りてしまったノアは流石に言い過ぎたと反省するが少し遅かった様で


「ローズの男の話をするような人間は、僕の側には必要ないかなぁ!?」


 と、片手でシッシと振り払われてしまう。


「ちょっ……すみませんって……!!でも、事実ですからね!!現実から目を背けても直ぐにその日が来ますよ!!こんなに可愛いらしいのに、何の対策も練らないでいると大変な事になりますよ!!」


「そんな事は分かってるよ!!五月蝿いなぁ!!!お前は、もう黙れ!!」


 なんだか大変な騒ぎになってしまい、ローズの決死の発言が有耶無耶になってしまった事で、結局その日は一緒に眠る事が出来たご機嫌なクロードと寝る羽目になってしまった。

 だが、それから根気よく説得した結果、誕生日から約1ヶ月後には同じベットで眠る事はしなくなっていくのだが……


 ローズが本当に一人で眠れるか心配だから慣れるまでは とか何とか理由を付けて、ローズの部屋に大きなベットが運び込まれ、隣のベッドで眠ると言う暴挙に出た為、ベッドで一人で眠ると言えばそうだけれども、考えていたのとは何か違うと、深く溜息を吐く羽目になるローズだった。


 こうして一人でベットで眠る事にはなったけれども、いくら公爵家の広い部屋の中と言えど2台の大きなキングサイズのベッドによって、部屋がほぼベットで埋め尽くされる事になってしまったし、起きると何故か誰かが横にいると言う逆に面倒くさい状況に、ただ部屋を狭くしただけになったと頭を抱えたくなるローズだった……

 

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