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34 ピクニック 2


「 どう!?ローズちゃん…!!初めてのお出かけは楽しい??」


 シャンパン 片手のエリオットが、ご機嫌でローズを見つめながら問いかける……


「はい!!凄く楽しいです!!後でまた、水辺の方に行ってもいいですか!?」


 ローズは瞳を輝かせながら問いかけると、横に居るアルベルトがニッコリ笑ってローズの頭を撫でながら


「もちろんだよ!!でも俺も一緒に連れて行ってくれよ!」


 楽しそうにシャンパンを一口飲んだ!!


「ローズ…私とも一緒に遊んでくれるよな…!?」


 そう言いながら片眉を上げイタズラっぽく笑ったクロードは、ワイン片手にローズにラップサンドを一口食べさせる。


「皆様は……ローズ様が可愛すぎるからって、飲み過ぎないで下さいよ!!!帰りもあるんですから……飲み過ぎて 馬から落ちるなんてカッコ悪い事、絶対にしないで下さいね!!」


 そう言いながらローズの口の周りを拭くジュリアスもワインを片手に持っている!!


 (うん……みんな酔っ払いだ……)



………



 そのまま皆と食事を楽しんだローズは、ルイとアルベルトを誘って水辺へと近づく……今日は普段よりいくらか暖かかったので、アルベルトの手を ローズの小さな手で引っ張ると……秘技幼女の上目遣いを使って


「ねぇ…水に足を付けてもいい……!?」


 と可愛く確認を取った。


 アルベルトは嬉しそうに「いいぞ!!」と言いながらローズの頭を軽く撫でると、その場で跪きローズの片足を自分の腿の上に乗せるとローズの靴を脱がせ始めた…

 ローズは心の中で…

(おぉ……なんか……女王様っぽい……)

 と、呟きながらそのまま無言で脱がされていた…


 ローズの靴を脱がし終わったアルベルトは自身も靴を脱ぎ、ズボンの裾を捲りルイにも捲らせるとローズと一緒に水の中に足を入れる……


「きゃーーー冷たい!!!……キャハハ!!……楽しい……ルイーーー!!!……エイッ!!」


 不意に名前を呼ばれたルイは思わず振り向いてローズの方を見る。

 すると何か企んでそうなニヤけた顔のローズが片足で水を蹴り上げルイに水を掛けてきた……!


 幼いとは言え、スカート姿のローズが思い切り足を振り上げて水を掛けてくる姿に焦ったルイは顔を真っ赤にしながら


「なっ……おい!!やめろ……!!女の子は乱りに足を振り上げるな!!!」と、注意するも……


「むぅーーー!!!やーーい!!!ルイのガミガミ少年ーー!!」


 ルイに軽く怒られたローズは、悔しくなってルイを揶揄いだした。


 ルイの目が一瞬 ピクついたかと思った瞬間、ルイに抱き上げられてそのまま横抱きにされると「アルベルト様 ホラ!!」と言いながらローズを思い切り放り投げる!!


 その瞬間……「おい!!」と慌ててローズを抱き抱え、驚愕して目を見開いた顔のアルベルトと、投げられてとても楽しそうなローズの顔が見合った……


「きゃーーー!!キャハハ!!ルイもう一回!!」


「ふふっ…!!随分と楽しそうだね!!」


 ルイとローズが楽しそうにしているとクロード達が後からやってきてローズに声をかける も…


「ルイ……ローズ様を放り投げるなんて……」


 と、ジュリアスが眉を寄せながらブツブツと注意し出す


「イヤー大丈夫ですよ!!だって、アルベルト様が落とすわけないし……!!」


 けれどもルイは何食わぬ顔をして全く反省の色を見せない…そんなルイに対してジュリアスが


「コラ!!そう言う問題ではありませんよ!!大体……」


「まぁ…まぁ…ローズも楽しんでる事だし……」


 これからジュリアスの本格的なお説教が始まりそうな予感に調子に乗りすぎたとルイが冷や汗を流していると、横からギルバートが助け舟を出してくれる。


「ジュリアスも…一緒に遊ぼう…!!」


 さらに可愛らしいローズのダメ押しの一言で……


「…….っ……はい……」


 ジュリアスは呆気なく陥落した……


(ジュリアスも意外にチョロいぜ……!!!ふっふっふ〜ん!!)


 ローズにナメられているとは微塵も思っていないジュリアスは、楽しそうにローズと手を繋いで歩いている……


 普段の彼等を知っている人からは想像も出来ないような光景で……彼等全員が、靴を脱ぎ裾を捲って、水の中に入り子供と戯れ笑い合っていた。


 日々、皆と楽しそうに笑い合っているローズには、普段の彼等は、ニコリともしないと言っても、きっと想像も出来ないだろう……



………



 ある程度遊び……少し疲れたのでテーブルに戻り休憩しているとギルバートが不意にローズを抱き上げ自身の膝に座らせた!!


「ギルバート様……??」


 ローズは恥ずかしがりながらも不思議そうに見上げ問いかけた。


「はぁ……自分の領地に帰りたく無い……ローズ…お願いだ一緒に行こう……コイツらは皆で一緒に居るんだから寂しくない!!だから俺について来てくれ!!なっ??」


 ギルバートはローズの肩に顔を埋めるとブツブツ呟き……最後は横から覗き込み縋るようにローズの瞳を見つめてきた……


 その、イケメンの破壊力の高さにローズが固まってしまっていると、すかさずクロードが否定し出した。


「良いわけあるか!!寂しいんだったらエリオットかジュリアスを貸してやるから連れて行け!!」


「ちょっとイヤよ!!」


 エリオットがシャンパン片手に嫌そうに眉根を寄せる……


「私も嫌ですね!!大体人を物みたいに……!!まぁもしローズ様がギルバート様の屋敷に行くようでしたら、私も着いて行きますが……!!」


 ジュリアスはクロードを嗜めた後、ローズを見ると…….片眉だけ上げて揶揄う様にローズに伝える、それにエリオットも同意し出す。


「あら??それは私もそうね!!」


「ではクロード様そう言う事で!!」


「おい!!ヤメロ!!」


 大人達のどうしようもない会話に死んだ魚の目をしながら聞いているローズは……はたと閃いて!!

 ギルバートに、「ちょっと待ってて!」と言い、膝から降りると皆が馬鹿な会話をしながら気が逸れている間に走って水辺に近寄り洋服を素早く脱ぎ出す!!


 その姿に皆が呆気に取られている間に、シュミーズ姿になったローズは水の中に入り泳ごうとした……


「「「「「なっ!!!」」」」」


 前世泳ぎが得意だったローズだが、何せ手足が短く小さいので、思うように動かせない……バタバタともがいている姿は完全に溺れている様にしか見えなかった…


「コラ!!危ないだろ!!勝手に一人で……何かあったらどうする気だ!!しかも服まで脱いで、女の子が外で服なんて脱いだらダメだ!!」


 思い通りにならない体にムキになって、泳ごうとしていると……いつの間に来たのか、不意に後ろからルイに抱き上げられて怒られてしまう……


 ぐうの音も出ない程、正論で諭されたローズは小さな声で

「だって……泳ぎたかったんだもん…」と、呟いた……


 そんなやり取りの中、焦った様に近寄ってきた大人達にローズは拘束されると、タオルでグルグル巻きにされた後に魔法を使って体を綺麗に乾かされた…!!


「ローズ…!外で、こんな風に服を脱いではいけないよ!!」


 クロードが優しくローズを諭す…


「何で??だって泳いだら気持ち良さそうだったし、クロード様達はいつも一緒にお風呂入っているから別に平気でしょう??それに下着は付けてるよ!!」


 ローズはなんて事ない事のようにクロードに言うと


「そう言う……問題ではないんだが……」


 と、クロードは少しタジタジになる……そこへジュリアスが的確に指摘をし出す!


「ローズ様、女性が妄り(みだり)に外で服を脱いでしまうと、それを見かけた知らない人に連れ去られてしまいますよ!!この国では女性のからだを見たくても一生見られない人はごまんといるのです!!女性だと無闇に知られる事すら危ないのに……ましてやこんな裸同然の……」


 ジュリアスは言ってる途中で何故か顔が赤くなる……普段からこんな姿は見慣れている筈なのに…(何故だ…)ローズは堪らず言い返した!


「でも!!!私、まだ幼いから見ただけじゃ男か女かもわからないじゃない!?だから平気よ!!」


 するとギルバートがすかさずローズを諭す。


「ローズはとても可愛い女の子だよ!!そんなの、見たら一瞬で分かるし!!この姿を万が一他の誰かに見られてたらと思うと、ソイツの目をこの先、何も見ないように潰したくなってしまうよ!!だから外で突然脱いだりしないでね!!人を無闇に傷付けるのはイヤでしょ!?」


(怖いよ……!ギルバート様……でも…もう絶対しないって誓ったよ!!)


 ギルバート流のローズの諭し方に周りは感心するもローズは若干引き気味に、だけど心の中で固く誓うのだった!!


「でも……泳ぎたかったな……」


 ふと…寂しそうにそう言ったローズにエリオットが「いい物持ってきたのよ!!」と薄手の少し丈の短いワンピースを手渡してくれた。


 エリオットに手伝ってもらい、それに着替えたローズはその姿のまま全員監視の元、心ゆくまで泳ぐのだった……



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