11 ある日の昼下がり
少し短めです。
宜しくお願い致します。
「ねぇ〜 ルイ〜 暇だね〜」
「そんな事言って、お前…さっきからベッドでゴロゴロ転がりまくってて、充分楽しそうだぞ!!」
ローズの問い掛けに上から見下ろすような形で、バカにしたような笑みを浮かべたルイは答えた。
そんなルイの態度に全く応えた様子もないローズは、尚も自分の主張を繰り返す……
「ルイーー!あーそーぼーうーよー!!」
「はぁ……仕方ねぇーな……!!アイツ等が戻って来るまでだぞ!!」
***
小雨が降り頻る…とある日の午後…急な来客の為、クロード達が居なくなった隙に、此処ぞとばかりに怠惰になるローズ達は、暇を持て余していた。
ルイも、彼等が居ないと、注意する人も居ないのでローズに対して気安く接してくれる。
ローズはその事が嬉しかった。
ルイは、年齢のせいもあってか、元々の性格なのか、彼等ほどローズへの愛情をあからさまな態度には出さないが、彼なりに大切には思っているようで、彼の行動や言動の端々に、ローズは愛情を感じていた。
完全なるツンデレ君である!!!
現世でルイは年上なのだが、精神年齢16歳のローズは、年下の男の子の思春期特有の葛藤を、心の中でニヤニヤしながら楽しんでいるのだった。
「ルイ〜お耳触ってもいい?」
(必殺、美幼女の上目遣い!!)
「ちっ…!!仕方ねぇな…本当は人には触らせないんだぞ!!今日だけだからな!」
少し嫌そうな素振りを見せるものの、視線は合わせずに頬を赤く染めている。
「ふふっ…ありがと!!」
(そう言いながら、毎日触らせてくれる癖に…!はぁ〜このフサフサ本当気持ちいい〜…あ…ヤバ…い…眠…く…なっ…て…きた…)
ローズは毎晩、ルイの耳を触りながら寝ている為、ルイの耳を触っていると習慣で眠たくなってしまうようだ。
幼児の習慣とは恐ろしい………
……
……
「はぁ〜コイツ……いつも俺の耳触ると寝ちまうんだから……本当、お子様だな…!!」
そう言いながらローズのベッドの横にある椅子に腰掛けて肘をベッドにつけると、片手に顎に置きつつ反対側の指でローズの頬っぺたをツンツンとイタズラする様に突っつくが、全然起きる気配がない。
お互い、相手をお子様だと思っている平和な午後の昼下がり………
「ヤバ…い……俺も…ねむ……」
……
……
……
「クロード様……見て下さいよ!お子様2人で寝ちゃってますよ!」
「あぁ…!本当だ、幸せそうに眠ってるな!ローズもやっと安定してきたし、2人とも辛い思いをしてきたから、このまま幸せな生活が出来る様に、私達が頑張らないといけないな!」
「本当にそうですね。頑張って下さい!クロード様!」
「おまっ…おい!オマエも頑張るんだよ!」
「ふふっ…畏まりました…ご主人様…!」
気安い感じでジュリアスが軽口を叩くと、少しイラッとしたようにクロードが言い返すが、ジュリアスに軽く躱される。
義兄弟の2人は、誰も居ないと、いつもこんな風に軽口を叩き合っているが、クロードは今までジュリアスに勝てた事がない……
「チッ……全然面白くねぇよ…!!」
「おや??猫がズレ落ちてますけど…宜しいんですか!?」
「オマっ……もう…早く仕事に戻れよ!!さっき誰かに呼ばれてただろ!!」
「ふふっ…では、失礼致します……! いい夢を…ローズ……!」
ローズの頭を優しく撫でてから、ジュリアスは部屋を出た…
1人残されたクロードも、ローズとルイの頭を交互に撫でてから部屋を出る…
「私も、もう少し仕事をしてくるかな……おやすみローズ……」
ルイ
身長148㎝ 髪の毛も耳も尻尾もグレーがかったシルバー
尖った鼻 赤い唇 黄色がかったオレンジの瞳
魔力は風と炎のみで身体能力が高い。
少し口が悪いツンデレで、親に売られてローズと出会う。
兄弟が多い為、ローズの事も妹の様に思っている。




